緊縛プレイの後にリル生まれ
誤字報告受け付けました。
ありがとうございます。
「も、もう勘弁してくれ」
「あと少しだけ!」
そう言って私は真守の後ろに回り込んで驚愕した。
「はぁ!?お尻デカっ!!
え?腰の細さと合ってないでしょ、これ。
どう言うことよ!」
「ひゃっ、さ、触らないって言ったのに……」
「あ、ごめんごめん。
真守が外人さんみたいなスタイルしてるから驚いて思わず腰を掴んじゃったよ」
私は腰を掴んでいた手を離すと視線を上の方に向けていく。
滑らかな曲線を描いた背中は何というか……
「うーん、エッチだなぁ」
という感想しか出てこなかった。
「何でよ!?
私、ちゃんと服着てるし、日向に比べたら布面積も多いわよ」
「これは布面積の問題じゃ無いと思うんだけど。
こんな外人モデルみたいなボディに、ピッタリ張り付くライダースーツを着るとかエロスの暴力じゃん。
あ、うなじ綺麗だね」
「ひゃっ!ま、また触る〜」
「触ってない、触ってない。
うなじに息を吹きかけただけだからセーフでしょ」
「日向……後で覚えときなさいよ」
そう言って腰の部分をくねくねと動かす真守を見ていると、私の中の悪戯心がどんどんと湧き上がってくる。
約束破って触っちゃおうかな〜と、手をわきわきと動かして時であった。
「何を遊んでおるんだ?
ゲートは出来たぞ」
「あ、ありがとう〜解除って念じればいいのかな?
解けろ!」
私がそう言うと、真守を縛っていた白い糸は大気に霧散するように消えていった。
支えていた糸が消えた事でその場にドサっと座り込む真守。
「ほんっとーに覚えときなさいよ」
「まぁまぁ、私も恥ずかしい姿見せた事あるから、これで精算ってことで。
それよりもえーっと、あれ?」
「話題変えようとして思いつかなかった感じかしら。
それならお返しさせてもらいたいんだけど」
「いやいや、そうじゃなくって!
この子だよ!」
そう言って私はゲートの前に立つ狼の精霊を指差した。
「この子、名前はなんて言うの?
今まで聞いてなかったけど、そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」
「名前?無いわよ。
私も適当に呼んでるし」
「え〜絶対あった方が便利だって。
今だって呼ぼうとしてどうしたらいいか分かんなくなったし」
「我に名前などは必要ないぞ」
そう言って顔を背ける精霊であったが、その内心はドキドキしているのだろう。
尻尾が我慢できずにパタパタと動いていた。
「私はそういうの苦手だから……日向が付けてよ」
「え?……じゃあね〜リルはどう?」
「リル……ふむ……悪くはないな」
見た感じは平静を装っているが、尻尾がすごい勢いで振れているので気に入ったのだろう。
「じゃあ、リルで決定!
と言うわけで早速行こう」
真守に手を差し出すと、彼女は不服そうにしながらもその手を取って立ち上がる。
「これでチャラにはならないからね」
「あら、誤魔化されなかったか。
まぁ、そのうち借りたものを返すとしますかね」
そう戯けながらゲートへと足を踏み入れるのであった。