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最後の戦いへ

「遅かったじゃん」


私は彼女達に目をくれずに真っ直ぐ歩く。


2人がそのまま後ろをついて来ているのは分かっていた。


「悪かったな……寂しかったか?」


「最初の方は割とね。

でも真守がいない生活も慣れちゃうもんなんだね」


そこで初めて足を止めて真守の方を向いた。


既にオオカミに変身した彼女。


その首には数ヶ月前に暴走した私が付けたチョーカーが巻かれていた。


「それ、まだ付けてたんだ」


「事情はどうあれ、日向に貰ったものだからな」


「ふーん……そっか。

じゃあ、これは私からのプレゼント」


私はそう言ってチョーカーを触る。


そこから回路を繋げて真守にも加護を送れるようにする。


「これは……不思議な気分だな。

狼の加護とは違う、温かく見守られている気がする」


「私の加護だからね。

それじゃ……そろそろお願いして良いですか?」


後ろで私達のやりとりを黙って見ていた疋様に声をかける。


「もう良いのか?

まだ時間はあるが……」


「良いんです……負けるつもりはないですから。

フラグみたいで嫌だけど、この戦いが終わったら話したい事があるんだ」


「奇遇だな……俺もだよ」


「お前達2人を見ていたら絶対に大丈夫だという気がするな……それではゲートを開くぞ!」


疋様がそう言うと、彼女の目の前にゲートが開く。


「先に注意をしておくが、この先は並行世界を繋ぐ通路のような場所だ。

そこでは自己を正しく認識しないと、自己が失われて存在できなくなる。

真守には既に修業中に対策を教えてあるが……」


「……ああ、あそこってそう言う場所だったんだ!

行ったことあるから大丈夫ですよ」


以前、戯に無理やり連れて行かれた場所。


あそこでは自分が保てずに一時的に消え去りそうになった。


だが、八尾の加護によって繋がった絆によって私は自分を見出す事ができた。


「そ、そうか……やはりこの世界の巫女殿は規格外だな。

それでは向こうに行くが……真守、分かってるだろうな?」


「ああ、必ずやり遂げるさ」


2人は意味ありげに頷き合う。


「何の話?」


「向こうに行けば分かるさ。

最悪な事が起こると思うが……まぁ、俺に任せておけ」


そう言って真守は私の頭を撫でる。


このやりとりも随分と久しぶりだ。


「分かった、信じてるよ。

それじゃ、決着を付けに行こう!」


こうして、私達3人は最後の問答を終えてゲートを潜ったのであった。


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