一つは解決
「それじゃ行くよ!」
「どんと来いコン」
私が魂魄に向かって加護を送ると、その力がどんどんと伸びていく。
「うわっとっとっ」
光は際限なく伸びていったために慌てて魂魄を上に掲げるが、それでも止まらずにどんどんと伸びていった。
「もう先が見えないんだけど……これ、どのくらい伸びてるの?」
「さぁ……分からないけど、これを横薙ぎに振れば一掃出来るコン」
「周りに被害が出そうなんだけど」
「コントロールはこっちでしてるから大丈夫だコン。
ちゃんと斬りたいものだけ斬れる仕様だコン」
「おお、めっちゃ優秀だ。
それじゃ行くよ!!」
先が見えないほどに巨大な刃とは言え、実体があるのは魂魄の部分のみである。
私は魂魄を鞘に納め、中腰に構えを取る。
「切り裂け、神滅!!!!」
居合抜きにより振り抜いた一撃は先の方で思考がフリーズした神の遣いの全てを切り裂いて消滅させていく。
その間にあった木々等の障害物には一切傷を付けずに。
「日向、良かったコン!!」
全ての敵がいなくなったことを確認し、変化を解いたコンが駆け寄って抱きついてきた。
「ごめん、心配かけちゃったよね」
「日向が無事だったならそれで良いコン。
お別れにならなくて良かったコンよ」
「うん……私も神様になってコンとお別れにならなくて良かった」
「これで九尾問題は解決コンね。
……それにしても……」
コンはそう言って白百合を着た私をマジマジと見つめる。
「それ、とっても似合ってるコンね。
後はアクセントに幾つかアクセサリーが欲しいところだコン」
「え?でも、追加するならもう一本尻尾切って材料にしないと……」
「それは止めるコン!
今回は日向を神様にしないためにしょうがなくだったけど、日向を傷つけるなんて二度とごめんだコン。
そっちの方は大婆様と話をして何とかするから期待していていいコンよ」
「そっか、辛い思いさせちゃってごめんね。
アクセサリー部分はコンに任せるけど楽しみにしてるよ」
「了解だコン」
こうして、白百合を着たまま私達は報告の為に狐の里に向かった。
「おお……巫女様、何と神々しいお姿に。
この紅蓮、感動で目が眩やむばかりでございます」
「オーバーリアクションは良いから大婆様に合わせて欲しいコン。
報告とお願い事があるコンよ」