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キツネの変身バンク

7/29 6:00 変身シーンを一部修正しました。

週末にバイトする事が決まったわけであるが、その間には学校と言った日常があるわけで。


そして、私達の中の日常には当然ながら不浄との戦いもついてくる。


ウトウトとしていた授業中の空気が凍りつくのを感じる。


慌てて周りを見渡すと真守以外の時間が止まってるのが分かった。


「どうやら不浄が溢れた区間があるみたいだな」


「うん、行こう!……というか、真守と揃って行くのは初めてだね」


「夏休みの間は別の場所から合流してたからな」


「これはアニメなら二人同時の変身バンクが流れるところだよね!

くぅ〜燃えるなぁ!!」


「えっと……それなんだが……悪いな」


真守は申し訳なさそうに頬を掻いていたのだが、既に戦闘で使うグローブを装着していた。


そして、その両の拳を身体の前で打ち付けると、一瞬でオオカミの姿に変わる。


「……え?

変身シーンは?」


「私の場合は無いわよ。

と言うか……変身シーンっているの?」


「コン……どう言う事?」


私が尋ねるとデフォルメされた狐の姿をしたコンが現れる。


「僕たちが見た情報ではコスチュームを変えて戦う女性を変身ヒロインって言ってたコン。

だから、変身ヒロインの作品を沢山集めた結果、日向の変身演出が決まったコン」


「ちょっと待ってよ!

私、あれ毎回恥ずかしがりながらやってたのに必要なかったって事!?」


「加護を与えるときの初期調整で組み込まれたから変更は出来ないコン。

あの言葉がキーワードになってるから、絶対に言ってもらう必要があるコン」


「あああああああ!!」


羞恥や怒りの感情で思わず頭を抱えて叫んでしまう。


「おい、いい加減にせぬか。

幾ら時間が止まっておるからと言って、のんびりして良い状況では無いのだぞ。

お主もさっさと加護を受けぬか」


「うう……仕方ない。

無垢なる姿で、いま嫁入りを願います」


私がそう呟くと、私の姿を覆い隠すように雨が降り始める。


その雨の中で私の着ていた制服が消え、裸体が露わになった。


だが、すぐに光の帯が身体を包み始め、私の上半身……お腹から上の部分、胸から腕の先まで覆い隠す白い衣装が現れる。


続いて下半身に帯が伸びると、今度はパレオのような衣装が現れた。


そのタイミングで赤い光が現れて上半身へと伸び、胸を強調するような赤い紐へと変わっていく。


下半身の光はそのまま足まで伸びていき、太ももまで覆い隠す白い足袋へと変わる。


更に足元に赤い光がやってくると、底が3センチ程の草履へと変化する。


何処からか飛んできた狐面が私の頭の左側面に装着されると同時に、赤い光が私の髪をツーサイドアップに纏め上げていき、最後に光が紐になって髪を留める。


一連の変身バンクが終了したと同時に雨が上がって、私……キツネの姿が露わになった。


そのタイミングで刀に変化したコンが飛んでくるのを受け止めて腰に佩く。


「穢れた嫁入りへの道……浄化させて頂きます」


私の口から勝手に言葉が飛び出す……って、何で?


「ちょっと!何でセリフまでオートで出てくるようになってるの?」


「気合入れてアップデートしてみたコン」


「因みに今回は真守と狼にも変身バンクを見てもらったコン。

まだ完成とは言えないから、2人も何か気付いたら教えてほしいコン」


「いや、これはこれでクオリティ十分に高いと思うわ」


そう言いながらパチパチと拍手をするオオカミ。


「我も何を無駄なことを思っておったのだが……こうして見ると中々に良いものだな。

ここから更にどう変わるのか楽しみにさせてもらおう」


狼の精霊までそのようなことを言い始める始末だ。


「あ〜もう、知らないから!

サッサと倒してサッサと帰るよ」


私はあまりの恥ずかしさに、ゲートへ逃げるように飛び込むのであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 変身パターンも両極端。 全裸変身、相方に見られる。もしかして店長も見られるのか。(鼻血とか出しそう)
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