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新たなる力

黒く埋め尽くされそうだった視界が晴れ、精神がラインの内側に戻った事を実感する。


(戻って……これた……?)


未だ高揚とする気分は落ち着かない……だが、それでも私は戻って来れた。


未だに何処からか、私を応援する2人の声が聞こえる。


頑張れと応援する声と無事を祈る声。


その二つの声が私を狂気から正気の世界へと押し留めてくれる。


辺りを確認すると、残った不浄はリーダーを含めて5人程……引き戻されたとは言え、未だに暴走するラインギリギリの所で踏み止まっている状態だ。


(どうする……このタイミングで放つ?)


前回放った必殺技を思い浮かべる。


だが、こんな閉塞空間で放って大丈夫なのだろうか?


きっと無事では済まない気がする……ならばどうするか?


そんな時にふと思い出す……加護は身体強化にも用いられていると。


前回、私の中にある戯の加護を増幅した欲望と共に放出する事で大きな威力が出た。


ならば、自分の身体強化に燃やし尽くしてしてしまえば同じように大きな効果が得られるのではないだろうか?


そう思った私は早速加護に欲望を乗せて恐ろしい勢いで加護の総量が減っていくのを感じる……同時に身体の中からとてつもない力が湧き上がるのも感じた。


(このペースなら加護を使い切るのに30秒……十分!!)


タイミングを合わせて残った4人の不浄が前後左右から攻撃を仕掛けてくる。


その攻撃をかわすでもなく棒立ちで待つ。


4人の攻撃が私に触れる直前……4人は霧散して浄化されていく。


単純な話……ギリギリまで引きつけて、相手の攻撃が当たる直前にカウンターを入れて切り裂いた。


それを4回連続で行っただけである……今の私にはそれを軽々とこなせる力が備わっていた。


それまでは余裕そうに見ていたリーダーの不浄が慌てて立ち上がる……だが、もう終わっていた。


立ち上がった瞬間に先程の不浄と同じように霧散していく。


こちらも単純な話で、リーダーが立ち上がる前にそちらに向かい、すれ違いざまに微塵斬りレベルで切り裂いて戻ってきた……それだけの話だった。


それと同時に30秒が経過して黒薔薇の変身が解ける。


「嫁入り願います」


焦らずにキツネへと再変身した私は辺りを見渡す。


「どうやら不浄は全て浄化し終わったみたいだね」


「お疲れ様コン」


こうして不思議な力に助けられながらも、何とかボロビルの不浄を浄化し終わったのであった。

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