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クリスタルプリンセス

私、神埼 雫は地味子だ。

性格は暗いし、長い髪を一つの大きな三つ編みにした髪にだて眼鏡。すべては目立ちたくないためのものなのだ。


その反対に、私の学校には学校1のイケメンがいる。


名前は赤城 斗羽。

極度のモテ男であり、少しチャラチャラした性格。

これが私の第一印象だった。

正直、微塵(みじん)の興味も無いしあまり関わりたくない性格である。

そんな私はあるひ、その学校1のイケメンと異世界転移してしまったのだ。





「えっと……これはどういう事?」

そのイケメンが私に話しかけてくる。




「……さあ?異世界って感じですね」私は興味無しの口調で話す。


「異世界か………今、俺なにも持ってないんだけど……」


「それは困りました」



「……………」

「……………」



長い沈黙だ。




「君は?」先に口を開いたのはそのイケメンだ。



当然、人気の無い私の名前などいちいち覚えては無いだろう。



「………神埼 雫………」


「そっか。見た目の通り、名前も可愛いね」お世辞めいた口説き文句だな。



「そうですか。ありがとうございます。ですが今は下らないのではやく名前をお願いします」



「…………えと、俺は赤城 斗羽。よろしくね」少しポカンとしていた。

そんなに私の態度が珍しいのだろうか?

まあ、良い。





「………どうしようか………」

「そりゃあ、サバイバルですね」



「君、何で冷静なの……」


「さあ?慣れてるからですね」

私は適当に返す。

過去の事はあまり思い出したくない。



「……とりかく動かないと意味がありません。一緒に行きましょう」




「………そうだね………」

曖昧な返事だった。

だが、私はそんなのは構わずに先に進む。




探索して一時間。

何の気配の無いこの森は少し不気味だった。



「何も無いね」

「そうですね」

私は素っ気なく返す。




「ですが、何も無い程不気味ですよ?」




「……そうだね。取り敢えず、進もう。あと、道中、食べれるものを積んでおいたよ」

私は後ろを振り替えると、イケメンが沢山の草やキノコを持っていた。



流石だ………。

その姿を見て少し煩労(はんろう)される。





「ですが、食べれる物と食べれ無いものの区別が出来ませんよ?」

どんな物かも分からないものを容易に口には出来ない。




「ああ、それなら、何かよく分からないけど、何か食べ物の説明みたいが書いてあるボード?みたいなのが見えて、全部、安全なものみたいだから」



「………そうですか………」


どちらにしても容易に口には出来ないのでは?

そう思ったが、無かったことにしよう。





「それなら大丈夫。味見してみたから」



「エスパーですか??」

この人怖い。



「エスパーじゃないから、安心してね」



「何か安心できません。と言うかそれ以前に味見して倒れたらどうするんですか!」



「それは、心配してくれてるの?」



「そりゃそうですよ。倒れたりなんてしたら足手まといですから」



「うわぁ……言うねぇ」

「それに…………」


「それに?」




「それに、生きて帰れなかったら、貴方を心配する人を泣かせてしまうわ……」


「…………何かさっき言った後に言われると説得力が無いな………」



「そりゃどうも!!ご冗談を言った訳ございません!!」

確かにそうだけども、言ったことは本心です!!!!




「ごめんごめん」イケメンは私に寄りながらからかうように言う。



「………やっぱり私は貴方が嫌いです」私は寄ってくるイケメンから離れる。



「残念」後ろから聞こえてくる声はとても悲しそうだ。



だが、私はそんな手には乗るまい。

本当に、この人といると調子が狂う…………。






段々と霧が濃くなってきた。






森を進めば進む程に霧が濃くなっていた。




「大丈夫?」隣にいるイケメン、斗羽は優しく語り書けた。



「大丈夫です。ですが、こんなに霧が濃いと、迷ってしまうかも…」



「……じゃあ、手出して」

よく分からないが、言われた通りに手を出す。



そして、私は手を握られ、そのまま進まれた。



「あのっ!手……」


「こっちの方がいいでしょ?」


「まあ……そうですが………」




「じゃあ、このままな?」

それには何も言えなかった。

でも、その明るい笑顔に少し、安堵してしまった私がいた。




まだ霧が濃くなる。

何だろう……少し、吐き気がしてきた。



「大丈夫?さっから、虚ろになってきてるけど……」



「………っ……大丈夫です……少し、吐き気がするくらいで………」



我慢しなくては。





「我慢しなくて大丈夫だよ?だから、少し、休もう?」

その言葉に私はただただ、頷くだけだった。








「……ありがとうございます……」


「何で?」




「少し、不安だったので………」


「え!?君が!?」



なぜそう、驚くのだ。



「ごめんなさいね」


「いや……別にいいんだけどさ。以外だったから…」

そう思われも仕方がない。



「………貴方は大丈夫なんですか?」



「うん。何故かね」


「そうですか」心なしか嬉しかった。

私も早く、慣れなくては。

早く、治さなくちゃ。


そう思うと、体が少し、軽くなった。




「ありがとう」私も少し、微笑んだ。


「……笑ってた方が、可愛いよ」


「突然、何を言うんだか……」


「本心なんだけどね」


「もう、大丈夫です。ありがとう」




そして私は立ち上がる。




そして、奥に進んでいくと、段々と霧が引いてきた。

少し、体が軽く感じる。



私達が出た先は、人集りのできた場所だった。



そこには、人が、二人いた。




「「え?」」




★★★




いつの間にか、その人たちに着いて行き、豪華な王宮……だろうか?

そこに私達は案内された。


「どうすればいいんだ?」私に語り書けてくるイケメン(赤城 斗羽)


「そんなこと、私にきかないでください」


「そうだよねぇ………」何だかこの人が憐れに思えてきた。



ごめんね。




コツコツと歩く音が聞こえ、私達の前に現れた二人。




「突然、この世界に召喚してしまい、申し訳ございません」

突然、謝ってくるので私達は慌てた。



「取り敢えず、私はレスリー。レスリー・フォルチャーと申します」



そして、その横にいる人も挨拶する。



「私は、エステリア・バルティです」少し、素っ気ない。





何となく私達も感化され挨拶する。



「俺は、赤城 斗羽です」


「私は、神埼 雫と言います」


「そう。斗羽くんと雫ちゃんね!」このレスリーさんはとても明るい人だなぁ。


「呼び捨てで大丈夫です」


「お、俺も」


「そう?じゃあ、斗羽、雫」




「……それで、ここはいったい、どこなんですか?」


私は肝心の事を問う。





「ええ、ちゃんと説明するわね」



レスリーさんとエステリアさんもソファに寄り掛かる。






「まず、貴方たちには少し、資格があるか見させてくれる?」


「「? はい」」よく分からないが了承した。



そして、前に出てきたのはタンザナイトとクリスタル。


大きさを例えるならば、占い師さんがよく使っているイメージの水晶玉位の大きさだ。



「取り敢えず、二人ともこのタンザナイトとクリスタルを持ってくれるかしら?」



言われるがままに持つ。



最初は私がタンザナイトを持ち、イケメン、斗羽はクリスタルを持ってみたが、何も起こらなかった。





「じゃあ、次は反対で持ってくれるかしら?」




そして私はその通りに動く。






次は私がクリスタルを持ち、イケメン、斗羽はタンザナイトを持った。




すると、突然ひかり、私達は目を瞑る。



「何っ!?」


段々と光は止み、私達はやっと目を開いた。



私達は二人で見開いた。




「雫……髪の毛………」


「そっちは……目が……」私の髪は真っ白に。斗羽の瞳はタンザナイトの青っぽく、紫色が混じった瞳に変化していた。



私達は困惑しながら、レスリーは口を開く。



「よかったわ。二人とも、聞いてくれるかしら?」



聞くも何も、聞きますよ。




「まず、貴方たちには誕生プリンセスの適正があるわ」



誕生プリンセスぅ?何それ。と言うか……

私はジッと斗羽を意味深な目で見つめる。



「いや、俺は、立派な男だよ」…………………疑ってごめんね…?



「斗羽の場合は誕生プリンスと言うべきかしらね」少し、困った笑みを浮かべた。





「まず、誕生プリンセスは誕生石の力を持つ事を言うわ」


「………?」




「ふふ」少し、苦笑するレスリー。



「雫には“クリスタル”の適正…………四月の誕生プリンセスよ。斗羽は十二月の誕生プリンスよ」


四月の誕生石はダイヤモンドかと思ってた。



「斗羽と雫には、この世界を救ってほしいのです」


妙に真剣な口調で、私達は少しだけ圧される。



「どういう、事ですか?」


「先代の、誕生プリンセスの復活に近付いているのです」




先代の誕生プリンセス?一体どういうことだろう?






「先代の誕生プリンセスは既に亡くなっています。その方が復活するなど世界の理に反することです」



「そうなんですね」真っ先に口を開いたのは斗羽。


「その為に、何故私たちが必要なんです?」




「先代の誕生プリンセスは元は一人しか下りません。現在では、四月の誕生プリンセスとなっています。現在その席は空席であり、復活の目所が着いてしまうのです。その為に四月の誕生プリンセスの席を着いて貰いたいのですが、この国ではその適正がある者がいませんでした」




「なら何故私たちは別の場所に召喚されたんですか?」


「なので、異界から召喚することにしました。その時、色々と問題があり、別の場所に召喚される事になりました。正直、二人も誕生プリンセスの適正が召喚されるとは予想外でしたが」




そう言われ、私は斗羽を見た。


見ると、レスリーさんは一つ、咳をして言い直す。




「申し訳ありません。誕生プリンセス・プリンスの間違いでした」その通りである。






「念のため言うのですが、元の世界には戻れません。本当にもうしわけないですが……」その顔には申し訳ないと言う思いがあった。




「私は問題ありません」

「俺は。。。取り敢えず、全てが終わったら」




「本当に、ありがとうございます!」


それは、心からの言葉だった。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 誕生石という新しい題材を能力にしているところが斬新ですね [一言] 誕生石の能力というのは、初めて見ました。 12ヶ月分の誕生石があるということは、主人公とヒーロー以外に、あと10個の能力…
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