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償い
私は罪を犯している。
私は許されることない罪を犯し続けている。
心を浄化するのは海の青だけだと知っていた。何度も何度も貴方に言った。
「海が見たいの。」
あなたは嫌そうな顔をしてそれでいて清々しく私に笑うの。
「何度目だよ。」って。
私は罪を犯している。
これが全てあなたが見せるまやかしだと知りながら私は今日も言う。何度も言う。
「海が見たいの。」
貴方はどんな感情で私を見つめているの?
憎い?恨めしい?
どんなことを思われても仕方ない。
私は罪を犯し続けているのだから。
ねぇ、この深い海のような許されぬ罪はどうしたら浄化されるのかな。
いつになったら貴方は成仏できるのかな。
ごめんなさい。
私は罪を犯している。
その罰は永遠に明けることのない夜。
あなたの記憶の中で生き続けることだけが私の許される唯一の償い。
だから私は今日も言う。
「海が見たいの。」
あなたは姿を保てなくなった今でも私の耳元で囁き続けるの。
「綺麗だね。」