第65話 bad apple
2作品連投します。
俺は、走ってゆりの事を追いかけた。雨が降り続ける中、探した。きっと近くにいるはずだ。階段を降りて、、探して、、探す。
「俺が誘ったばっかりにこんな事に、、なんとしても絶対に止めないと!!」
建物が入り組んでいる団地の中を必死に探して携帯に連絡を入れる。LINEに電話を掛ける。もしかしたらどこかで泣いているかもしれない。そう考えると、急がなきゃと必死に走る。もし濡れてでもしたら、、そうだ。もしかして携帯のGPSで位置を特定できるかもしれない。
必死に追いかけて遂に場所を特定した。新宿駅から少し離れた公園にGPSが表示された。
「ここだ!!!」
そこには雨に濡れながらも1人で泣く宮野ゆりの姿があった。
新宿にある公園に彼女はいた。涙を流していた。俺の姿を見つけると、俺にすがり泣き続けるのだった。今の俺には優しく抱きしめる事しか出来なかった。
「思い出したくなかったの、あいつの事忘れたかったのに、、私、、折角のデートを台無しにしちゃった、、、圭ちゃんに嫌な思いをさせてしまった。本当に最低だよ、、、ごめんね。でも辛いの。どうしたらいいかわからない。だって私のせいで太一が、、、、」
俺はタオルを掛けた。今最善の策は濡れている彼女を拭いてあげる事だった。そしてゆりがこれ以上濡れないように、そっと抱きしめた。
「思い出したくないよ。誰にだって思い出したくない時があるさ。嫌な思い出は不意に、頭をよぎって、苦しめる。でも泣いていいよ。思いっきり泣いた方が楽になるよ。でも頼む、、大事な人が雨でずっと濡れているのだけは耐えられないんだ。」
夜風が押し寄せる中雨は降り続けていた。冷たい水が身体をでも濡れている彼女は自分を責めて泣いていた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!!!!!」
ゆりは泣き続けたのであった。近くに雨宿りできる場所を探した。ベンチはない。やっと見つけた。雨宿りできる公園のベンチで雨が止むのを待った。雨は余計に土砂降りになる。明日の学校に間に合うのだろうか。そんな事を考えてしまう余計に複雑な心境になる。
「金の林檎、、、、今の私はそれにすら満たない腐った林檎(bad Apple)だよ。」
「bad Appleだなんてそう言う事言うなよ。自分を責めちゃいけない。お前は悪くないんだ。いいか、、bad Appleはどんなに美しい美貌を持っていても心の中がしわくちゃな人の例えだ。でもゆりは充分、金の林檎だよ。」
降り続けた雨が止み始めた時、俺とゆりはキスをした。付き合ってから初めてのキスかもしれない。そんなにディープなキスはしない。雨が降り止み、涼しい夜風が顔を照らしつける。そうだ。レストランで会計をしなければ、でもその前に彼女を家に送り届けるのが先だ。そして俺はゆりを家まで送り届けた。
「ごめんね。こんなに不甲斐ない私で。今度お金を払うから。」
「いいよ。今日は俺の奢りでな。」
男として割り勘をする最低な男にはなりたくなかった。
「バイバイ、、ありがとう。」
これでいいのだろうか。俺は急いでレストランに戻った。これから修羅場が待ち受けているかもしれないがここは一つガツンと言ってやらなきゃいけないだろう。
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