第59話 幻想序曲「テンペスト」
久しぶりの投稿お許しください。
球技大会は、勝ち進み、卓球の個人で決勝まで行くのであった。
「やったじゃん。田口。あんたやっぱり才能あるよ。」
東原も褒める。勿論トーナメントで勝ち抜き決勝まで進んだ。やはり特訓に付き合ってくれたおかけだろうか。
俺は体育館の出た所で水を飲んでいた。
そこへゆりがやってくる。
「圭ちゃん、、おめでとう。」
「おう!!勝ったぜ。」
俺は、ニコリと笑ってガッツポーズを取る。本当は理央にも見せてやりたかった。彼女は今どうしているのだろうか。
「後は、他のクラスメート達がどう動いてくれるかにかかるわね。今日はね、お祝いっていうのもあるんだけど、私地元でオケやってるの。是非演奏会に来てもらいたくて。」
着替えて体育館の外にあるベンチに座った。
ゆりは、チラシを見せてきた。そこには、チャイコフスキープログラムと書かれていた。
ゆりは都内でオーケストラをやっているという。
小さい頃からティンパニーを習っている。夏休みになると演奏会が近くなる。そして今回の演奏会はなんとチャイコフスキープログラムだ。林理央も最も好きだと言っていたチャイコフスキー最初期の傑作幻想序曲「ロミオとジュリエット」そして、マイナーだけど隠れた名曲と言われている、交響的幻想曲「テンペスト」この2大大曲をなんと演奏すると言うのだ。
「ロミオとジュリエット」も「テンペスト」もシェイクスピアの戯曲にちなんだ劇的な序曲。俺は「ロミオとジュリエット」をよく聴くし、かなり好きだ。どうして俺が好きかって、この曲は、クラシック音楽においても異常なくらいかっこいいからだ。ロ短調という劇的な調性で、怒り狂ったように激しく派手な音響で描かれる。コンサートホールを熱狂させる。まさにロックだ。
そしてもう1曲「テンペスト」はまさに嵐の交響詩だ。なんと宮野ゆりが最も好きな曲らしく、今回のコンサートの最もメインとなる曲らしい。俺は曲を聞いたことがなかったので、チケットをもらった俺はゆりに聞いた。
「テンペスト??聞いたことねえな。どういう曲なの??」
「この曲はね、シェイクスピアのテンペストを元に書かれたまさに嵐って感じの曲。25分もあって、最初静かなのに決然と盛り上がって激しい部分と美しい部分が交互に現れる。分かりやすく言うと、ロミオとジュリエットがさらに、激しくかっこよくなった感じかな。でも聞いて、、、2曲ともティンパニーがかっこいいの。特にテンペストでも、ティンパニーが派手に活躍するの。この曲は、シェイクスピアの戯曲をテーマにした、三大序曲の中でと最も規模が大きく傑作とされいるのに、、全然有名じゃないのよ。とにかく壮大でかっこ良くていい曲。是非聞いて欲しいのよ。でもね、めちゃくちゃテンポもコロコロ変わるし演奏が難しい曲。ロミオとジュリエットよりも難しいかも。」
ゆりは熱く語っている。チャイコフスキーといえばバレエ音楽での美しい曲ばっか書くイメージの作曲家のイメージが強いが、、ロミオとジュリエットは、まさに男性的な力強さとこれぞとまでの暗さを追求しており、これ程かっこいいクラシックは他にない。ロミオとジュリエットの最後のクライマックスのティンパニーがかっこよく決まる部分をゆりがやるというのだ。
「分かるよな。ロミジュリ、あんなかっこよくて暗くて綺麗な曲のティンパニーやるなんてカッコよすぎるよ。あのクソかっこいいクライマックスのティンパニーやるんでしょ??」
「ロミオとジュリエットは最高だよ。それから私ひとつ許せないのがチャイコのテンペストって終わり方が微妙なの。ロミオとジュリエットは、ティンパニーがかっこよく叩いて終わるのすごくかっこいいのに。普通だったらかっこよくて終わるじゃん。明るかったり、暗かったり、でもねテンペストってなんか静かに終わるの。終わったのかわかんないような変な終わり方。私あの終わり方嫌いなの。どうしても好きになれなくて。気になったら調べたら、海の情景に戻るみたいに書いてあって、意味わかんなくない??」
「まあ、きっと意図があったんだろうさ。それにそんな終わり方だからきっとマイナーなんだろうね。って俺に聞かれてもそこまで答えられないし。まあでも途中かっこいい所あるんだったらいいんじゃない?楽しみにしてるよ。演奏会。」
俺は、再び楽しみが増えた事にさらに期待に胸が膨らんだ。
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