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第5話 始まった2日目の学園生活


「あー2日目始まったなー。」


朝食に目玉焼きとご飯にお味噌汁にサラダっってこの一般家庭のごく普通の朝食。

そう俺の一家は金持ちでも何でも無くてごく普通の一家。


「行ってきまーす。」


俺は家を出た。学校まで歩いて20分。まあ近いといえば近い。

ここは都内の一等地。代官山だ。小田急線の駅で、下町っぽくてシャレた街。まあオシャレな街だ。


「あーーお嬢様はみんな住んでんだろうなー。」

ボソリと一人言を吐いた。


「あら朝から、1人言?。」

後ろを見ると、茜が歩いていた。


「茜なんだ、お前か。お前昨日のLINEなんかすげぇ長文だったけどさ、俺そんくらいわかってるからなー。」


「何よ、あたしが送ってあげたのに、ありがとうは?」

茜は、俺の反応に呆れたのか目を閉じながら言った。


「は?誰が言うかよ!まあ少しは参考になったけどな。」


「はあー、うざ、それより入部どうすんの?」


「入部はし・ね・え・よ」


俺はキッパリと言った。確かに、自分には向いてないしそれにやりたい事があったのだ。


「まあ、いいや、じゃあな。」


俺は、校門の前で別れると、クラスへ向かった。やはり女子ばっかだ。

何気なく、クラスへ入った。やはりまだ、クラスに馴染めてない。


「おはよう、田口君!!」


「お、おはよう」

俺は挨拶をした。ゆりちゃんは明るく挨拶をしてくれた。


「何何、田口くんと仲良くなったの?」


そう話しかけたのは、東原だった。


「祥子ちゃん、おはよう。田口くんね、昨日お嬢様部の体験入部来てたの!!」


「えー、田口もしかして変態??知らないのーあそこ女子限定って言ってたじゃんん!!」


東原は、女子4人くらいが集まって談笑しているグループの方に行って皆に聞こえるくらいの大きい声で話した。


「えーーー!!!」

「えーーー!!きもー!!」

一斉にグループいた女子達数人が驚きの声を上げた。中にはあまりにもの衝撃に思わず心の中の本音を口にしてしまう女子もいる。


(こいつー朝からでかい声でなんてこと言うんだ。きもーとか言われちゃったよ。俺まだ2日目だよー。嫌われちゃうよーー。)


俺は、眉間を寄せながら、東原の方を見た。こいつやっぱり学級委員長だ。誰とでも話せるけどそれが逆に裏目に出てしまっている。


「えーー田口くん、本当??」

「やばー、勇気あるねー!!、あそこさこの学校のなかのお嬢様の中でも特に大きな財閥とか会社の社長の娘とかボンボンのお嬢様しかいない部活なのに!」


女子たちが俺の机の周りに集まってきた。


「いやー違うんだって、たまたまなんも知らなかっただけで、、」


俺は恥ずかしかったので、さすがに笑ってそれ以上は言えなかった。

それもそうまだ入学して2日目の男子高校生で女子とちゃんとコミニケーションを取るのですら危うい。そんな自分が今、何人もの女子と話した。朝から俺のテンションは上がってしまった。



「では授業を始めまーす。」


一限の数学はハゲたおっさんの先生が担当らしい、2年生になったら数学IIはあるらしいけど先の話だ。

数Ⅰは簡単だ。


(なんか中学でやったやつの延長みたいな感じかー。)

と思い、目次を眺めると、三角比とか二次関数とかが乗っている。


(これはあれかー、噂に聞いてたsinθcosθtanθ!!!わけわかめやん。)

俺はそのページを開き、教科書の三角比の冒頭ページを眺めた。なんというか三角形が書かれ、角度を表す扇型の箇所にギリシャ文字のθが書かれている。


そんな俺の様子を気にせず禿げた先生は左手には折り畳んだ教科書、右手には棒を持ちながら生徒に質問する。

「ではこの問題わかる人???」

誰一人として手を上げない。そりゃーそうだべー。


「遠藤さん!!」

遠藤さんは答える。絶対、出席表見ながら適当に指名したのが丸見えだった。

「2x?」


「そうですねー2xですねー。で途中式はこうですねーーーー!!!」


先生の名前は牛尾とか言った。なんかとにかくハゲ頭が気になる。それになんか普通だ。

女子校と言えばなんかうるさい女子が先生の事茶化したりなんて事があんのかーなんて。でもこの牛尾はなんかそんな事無さそうだ。


あーぱっとしない、静かな空間。しかしチャイムが終わり号令が終わると授業が教室はワイワイ賑やかになる。


「ハゲてたよねあの先生!!」

「ねーやばい可愛いすぎんだけど」

女子生徒は、やっぱり第1印象ばっか見るんだなー。

クラスから、ちらほら話し声が聞こえて来た。


「田口、次なんだっけ??」

こいついつの間に俺の事呼びつけしてんだ。

東原はまるで仲のいい友達に聞くような口調で聞いてきた


「古典!」


俺は時間割を観て言った。

クソつまらない古典の授業。活用系とか助詞、助動詞とか興味ねえとか思いつつも、前に源氏物語を聞いたことあって、それを思い出したけど、まだ序の序。

ひたすら活用とか、覚えるだけ。だるい。

高校とは言えど、休憩時間はたったの10分しかない。


「えー、この活用は、あ行の五段活用で、これは未然形です。


でーえっと、現代文でも同様、連用形、連体形、未然形、終止形、命令形などあります。それぞれ種類があるから覚えていってくださいね。」


活用かー、昔、百人一首とかやったことあったけど、それもただ覚えるだけで、つまんねえし訳すんのもだるいし。

あー寝よ。俺は頭を机に伏せて寝てしまった。

俺は、中学時代国語が嫌いだった。成績はいつもビリ。ケツから数えた方が早いくらい。でも現代文は割と好きだった。成績も良いとは言えなかったけど。


「はい田口君、起きてね〜。寝ちゃダメよー。」

先生が黒板の方から、こっちを見て注意してる。

古典の若い女の先生、優しい綺麗な先生だ。要雪先生。

こんな先生だったら、なんか補習とかで優しく教えてくれそうな気がする。

「何か質問ありますか?」

雪先生は生徒になにか聞かれるのがわかっているかのように生徒に質問した。女子生徒しかいない、こういうところでは女子が質問攻めにするのが恒例なのでは。


「先生ー?大学どこなんですかー?」

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