第47話 アイドルをバカにしないで
玲奈に誘われて、理央は、次の日地下アイドルのライブへ出かけていた。場所は秋葉原にある子洒落た雰囲気のライブ会場。どうやら、キモイオタク達から成人したサラリーマン玲奈は必死に、ペンライトを振りライブパフォーマンスを盛り上げていく。
「ざいばーー!!!!!ファイアー!!!!わっしょいいい!!!!ミクシス!!!!にゃー!!!~~~」
あまりのお客さんのテンションの高さに若干理央は引いていた。玲奈も物凄いテンションでジャンプしている。
いわゆるミックスという奴である。
(無理だわーー、あたしこういうの苦手、、、、、)
ライブパフォーマンス中も、理央は俯き加減だった。ずっとピアノを習っていた理央にとって、生のライブというのは、新鮮な場所に感じてしまう。大音量の慣れない音は、苦手な物だ。
帰りに握手会を終えて、玲奈は終始嬉しそうだった。
その様子を見る理央はふふっと笑いをうかべた。
「玲奈!!嬉しそう!!!良かったね!!
ライブ行けて!!!」
「玲奈って呼んでくれた!。どうして??」
「どうしてって友達だから!!玲奈、、理央って呼んでいいよ。林さんだと気を使っちゃうからさ。ほらあたし、そういうキャラじゃないじゃん。どっちかっていうと、みんなから呼びつけされるようなまあ人気者って感じ。
実はね、あたしもアニメの声優のユニットとか好きだからさ。ちょっとは興味あったんだ。アイドルのこと。」
「私、アイドルになりたいと思っているの。
小学校から、ずっとアイドルに心酔してきた。
初めて出会ったのはそれこそ、有名なAKBみたいなグループだったけど、そのうち、地下アイドルのライブとか行き始めて、ずっと行ってるうちに思うようになった。絶対に私も人を笑顔にしたいって。だから、私の夢はアイドルになる事。
理央はいつだって相談乗ってくれた。普段の理央の様子見てたら、なんか夢を一緒に追いかけてくれるんじゃないかって思っちゃって。」
玲奈は、理央へ夢を語り始めた。昔からアイドルが好きでアイドルになるために必死に努力をしてきた。同い年で私立恵比寿中学や、ももクロなどに影響されて。
「玲奈、、もしかして事務所とか通ってるの??」
「うん。でも内緒ね。学校の先生とかみんなには一切話してない。これから、どんどん忙しくなるんだ。レッスンとか、歌とか。まだグループも決まってないんだけど。スカウトされたのは中一の時だった。ライブに顔を出していた時、芸能事務所の人に採用された。入らないかって誘われた。親は猛反対だった。いつ売れるか分からないし!!!
ちゃんとした仕事して欲しいってずっとそうやって言ってた。お母さんもお父さんも反対してた。でも子供の夢だよ。親だったら、普通は賛成するでしょ。私は、高校入るまでに芽が出なかったらもうやめろって!!!」
さすがにその言葉に意見を思ったのか、理央は口を出した。
「玲奈!!!絶対に夢を叶えな!!諦めちゃダメだよ。玲奈はさっきライブをしていたアイドル見てどう思った??
私はね玲奈と同じ思いしてきたと思う。売れない芸能界で必死に、みんなに笑顔を届ける為に頑張ってる姿見て、あたしなんか感動しちゃった。そんなにアイドルなんか興味なかったけど、生で感じるってこんなに凄い事なんだって!!!
親はね、みんな反対するよ。でも大事なのは反対されてでも自分のやりたいことにしっかり芯を持って自信を持てる強い心と決断力だよ。玲奈の親は玲奈の事なんもわかってない!!!玲奈!!お母さんとお父さんにどんなに反対されても絶対アイドルになる夢捨てちゃダメだよ!!!
私は友達として玲奈の事応援するから。」
「理央、、、、、ありがと、、、、」
「しかし、腹立つなあ!!!!人の親のこと悪く言いたくないけど、私だったら、、、、アイドルの事バカにしないで!!!!って言っちゃうなあ、、、、!!!!へへへ!!!」
「そういえばさ、玲奈。今度勉強教えてよ。私、わかんないとこ多いからさ。そうだね、今度定期試験もあるしね。」
こうして2人は親友になった。喧嘩ばかりしていたなぎさとは違う。もう1人の親友。アイドルを目指す、心優しい女の子藤井玲奈と理央は出会った。2人は、休みを合わせて一緒に出かけた。もちろんアイドルのライブに行ったり、バンドのライブに出かけたり、とにかく2人は好みが似ていた。あの日、そう学校を停学になった時だって。理央は、LINEのテレビ通話で電話していた。
「理央!!!今日も喧嘩したんだ。」
「違うよ笑!!!ただ転んだだけだもん。」
「嘘、、、嘘はバレてるよ。理央、停学になったって、、、理子から聞いた。ねえ、、、私が言おうか。いじめはやめようかって。」
「ごめん、、、ありがとう。でも私が悪いんだもん。私が喧嘩ばっかりするのがいけないんだもん。玲奈は心配しないでね。」
理央は、泣きながら、、玲奈へ電話した。でも、今思えば、玲奈の方が、もっと辛かった。もっと辛い悩みを抱えていた。




