第42話 私の大切な友達
「なんだ、てめえは??やんのか?この野郎!!!」
「偉そうな事、言ってんじゃねえぞ!!!」
男達は騒ぎ立てる。弱い癖に、威張っている馬鹿な連中だ。
「あんた、やめた方がいい。あいつらは、あんたが勝てる相手じゃないからさ。」
理央は、藤堂雄一に喧嘩を辞めるように説得した。それでも、藤堂は引こうとしない。鉄パイプを片手に、不良達を、殴ろうと息を構えている。
「さあ、奴らをボッコボッコにしてやるぜ。女を泣かすような男は俺は許せねえんでな。」
「お前ら、やっちまえ!!!」
不良達は、命令通り、ボコボコにしていく。それを、藤堂も殴っていく。しかし強い。あっという間に不良をボコボコにしてしまう。不良はこいつには勝てないと思い逃げていく。
「ちっくしょおおおおお、覚えてろ!!!」
不良は退散して行った。バイクに乗り、逃げるように消えて行った。
「助けてくれてありがとう。」
「その格好。お前地元のヤンキーだろ。林理央。地元じゃ有名だぜ。多くの不良をボコボコにしたってな。珍しいじゃねえか。」
「なんでわかったの??」
「その名札さ。ったく、あんな奴ら、お前くらいの奴なら、1発だっただろうに。」
藤堂の発言に理央は下を向いて言った。
「私はもう喧嘩しないって決めたんだ。喧嘩が原因でいじめられて、停学になって。私が喧嘩すればみんな不幸になる。あたし自身だって、友達だって、お姉ちゃんだって。私わかったんだ。争ってもいいことなんか生まれないって。だから、もう喧嘩売られても喧嘩しないって。」
「それはちげえな。争って、周りが不幸になる??そう勝手に思い込んでるだけじゃねえか?。現に俺を見ろよ。喧嘩して、お前の事助けて、人助けしてるぜ。お前は喧嘩の方法を間違っていただけさ、喧嘩っていうのはな、人を助けることだってある。不幸ばかりじゃねえ。そりゃあ喧嘩辞めて、良い奴になるに越したことはねえけど。お前も人を守る為に、喧嘩すりゃいいじゃねえか???」
「うるさいな。いきなり、現れて、あたしに説教??。やめてよ。そういうのウザイから。。。」
理央は、鞄を肩に担ぐと家に向かって帰り始めた。
「まあいいや。じゃあな。金髪!!!」
「な、、、何よ!!!」
理央は振り向くと男は、いなくなっていた。
それが藤堂雄一との最初の出会いだった。そうこれが悪夢の始まりだった。
理央は家に篭った。もう学校には行けない。毎日、毎日、テレビ見て、漫画読んで。エロゲーやって。社会なんか、学校なんか、そう思っていた。
その日も、ベッドで寝ていたら、LINEが鳴った。なぎさからだった。
「もしもし、ああなぎさ??どうしたの。」
「理央、停学になっちゃったんだって、あたしで良かったら相談乗るよ。ねえ、今から行こうか。」
「なぎさ、、、、、!!どうして、、、」
「いいから!!ね!!!」
なぎさは家に来てくれた。理央の豪邸に、入ってきた。
「理央、どうして??何があったの??」
「私、喧嘩がバレて、いじめられて、停学処分になってしまって。でも誰にも言えない。喧嘩のせいで、周りが不幸になって。何もかも失ってしまって。もうやだよ。どうして。」
「理央、、。ごめん。あたしがいけないんだよね。私のせいで。でも、もうやめよう。私もわかった。喧嘩してもなんもいいことないもん。だから、もう喧嘩はやめよう。」
そういつだってなぎさは理央の親友だった。辛い時も、いつだって味方してくれた。だから、理央は二度と喧嘩をしなかった。
その日の帰り、なぎさは、理央に話してきた。
「理央、あたし彼氏出来たの。今度紹介するね。」
「え??誰??」
「なんかあたしが喧嘩に負けそうになってくれた時に、突然やってきて助けてくれたの。強くて凄くいい人。」
「まさか、それって」
まさかこないだの男。なぎさはヤンキーと付き合っていた。
そうこないだ喧嘩をしたあの男。まさか私に声をかけてきたのもそれが目当てで。
「なぎさ、今すぐ別れたほうがいいよ。そいつ、女目当てかもしんないよ。あたしも会ったんだ。そいつに。
ナンパ目的で、近づいているだけかもしれない。なぎさは可愛いから、手出せるとか思ったんだ。でも、ダメだよ。そんな奴。お願い。」
「ふざけないでよ。なんであんたなんかにそんなこと言われなきゃいけないの。いい加減にしてよ。私の人生じゃん。
そんなこと思いたくない。信じたくない。理央、私はね。あんたの相談にも乗った。あんたが辛いって言うから、こうやって家にまで来た。あんたのこと親友だって思ったから。
なのに、一番言われたくないこと言われた。何、別れたほうがいいって。そうやって身勝手なことしてるから、何もかも失っていくんじゃないの??その言葉だけは聞きたくなかった。あんたに何がわかんのよ。」
なぎさは、激昂した。時には喧嘩もする。でもこの発言で全てが狂ってしまった。また失ってしまった。大事な友達まで、親友まで傷つけてしまった。
「もういい。あんたなんか知らない。勝手にすればいいじゃん。」
なぎさは、帰っていった。そう、彼女は、大切な友達だった。ちゃんと謝っておけばよかった。止めておけば良かった。でももう遅かった。




