第39話 島流し
あの日、監獄で俺は、目隠しをされた。どうやら催眠ガスを嗅がされたようである。全く酷い話だ。昨日の脱獄するための計画もバレているんじゃないかと心配だが。
まさか島流しにあうことになるなんて、全く予想がつかない。
柄の悪い男達に、脅され半強制的に、車に乗せられ、一体どこへ連れていかれるのか。有栖川から車で2時間も乗せられ、たどり着いた。
そうここは、有栖川の闇。有栖川の全てが眠っている場所。ここで俺は囚われることになる。
「着いたわね。目隠しを取っていいわ。入りなさい。」
その声は、林有咲なのか。生徒会長とはあの生徒総会の日以来あっていないが。
いやいや待ってなんか、海水の音するんだが、えっまさかここって本当に島。
そう島流しってまさか、俺が連れて来られたのは、島の果てにある牢屋。
そうここで、俺は処刑されるのか。
「おいどこなんだ。ここはよ。答えろよ。」
「あら久しぶりね。田口くん。」
「あんた、あんたもグルだったのかよ。教えろよ。なんでこんなことを、一体男子になんの恨みがあるって言うんだよ。この学校を共学にしたのも、まさか理由があって。」
「いいから、これ以上、なにか喋ったら、この銃で撃ち抜くわよ。」
「藤堂から聞いた。あんたと妹の理央は、大事な親友を失って。一体何があったんだよ。」
「答える義理はないわ。あなたに知る必要はない。あなたは私たちのことを知ってしまった。これはあたし達の復讐なの。だから殺すだけ。そう。一年前、あいつをここで殺してやった時もせいせいしたわよ。細菌で薬漬けにして、あたしが脳味噌ぶち抜いてやったの。」
「ふざけんな。復讐なんかしたって何もならねえだろうが。あんたは、その為にお嬢様部を作ったのか。恋愛禁止にしたのも、一年前にあんたが殺したそいつと同じ目に合わせる為に。」
「そうよ。私はね、男が憎いの。理央もそうよ。そんなに言うなら教えてあげるわよ。あたし達はね、みんな大事な親友を失ってんの。未央もルビーも、理央も、あたしも。」
「2年前、女子中学生がビルから飛び降りて自殺した事件。俺も覚えている。その中学生は、あんたとあんたの妹の理央の、親友だった。その自殺の原因は、彼氏の浮気。そうなんだろ。」
「違うわ。浮気なんがじゃないわよ。あいつはね。理央の親友を強姦して殺したのよ。2年前、あたしと理央が地元で喧嘩をしていた時、あいつは、あたしらに近づいてきたの。喧嘩が強くて、あたし達の頼もしい先輩って感じだったわ。あいつは、理央の幼なじみで同級生の石井なぎさに近づいて付き合ったの。でも、あいつはそんな奴なんかじゃなかった。女に手を出しまくって、気に入らなければ捨てて。最低の男だった。クズだった。そしてなぎさは、そのことに気づいたの。自分は、利用されてるだけなんだって。そして別れ話を切り出したわ。そしたらあいつは逆上したの。なぎさに暴行を加えて、ビルの上から突き落として殺したのよ。あいつこそ、ブラックエデンのボス、藤堂雄一だったのよ。あたしはその事を藤堂の弟から聞いた。だから復讐の為に、有栖川へ入学したわ。ちょうど共学になったばかりであいつは堂々と高校生活を送っていたのよ。だから私は生徒会長になって、恋愛禁止させた。あいつはすぐ女を作って遊びまくっているだろうから、校則で罰すれば、後悔もなくなるんだろってね。そして私は父に頼んで藤堂を監獄した。校則違反だからって、あいつはすんなり校長室へ現れたわ。そこであいつをスタンガンで眠らせ、細菌で殺してやったのよ。」
「ちょっと待てよ。じゃあ復讐は済んだはずだ。なのになんで、俺や藤堂を巻き込むんだ。俺はなんの関係もないはずだ。」
「そんなのは決まっているでしょ。校則を破ってこの学校の女子と付き合った男は全員殺す。これがこの有栖川のルールなの。だから、あんたも、ここで殺してあげるわよ。そのうちあんたの友達が恐ろしいことになるでしょうね。」
地獄は、着々と近づいていた。




