第3話 学園お嬢様部
放課後俺は、教室へ出て、普通に、階段を登っていると壁に看板が見えてきた。
「学園お嬢様部???」
それに、反応してしまった。いくらお嬢様部とは言え、まんまお嬢様の部活って。
「お嬢様部って、えーー???何だそりゃ、林先輩もいんのかな??3階の教室???」
まさか、まじでお嬢様しかいないのかとか思い、俺の足は勝手に三階へ向かっていた。すると、前を歩いていたのは、ゆりと、千夏だった。
(まさかゆりちゃん????)
俺は物陰に隠れながら、見ていると確かに2人は、広い教室へ入っていった。
「バレてんぞーーーー。」
後ろからつんつんとされたので、誰だと思い振り向くと、違うクラスの水澤茜だった。
「茜、何だよ、お前か、びっくりさせんなよ。」
こいつの名前は水澤茜。俺の幼馴染だ。中学も一緒だったししかも近所に住んでいる。何だかんだ腐れ縁みたいな感じでまさか高校まで一緒になるなんて。
「圭一、もしかして、ゆりちゃんがこの部活来るのわかって待ち伏せしてたんでしょーー?ゆりちゃんのこと好きなの??」
唐突すぎる、茜の質問に、俺は困惑した。
いやドストレートすぎんだろうと。
「バカ、ちげーよ。そんなわけねえだろ。いやたまたまさあ、学園お嬢様部が気になって調べただけだよ。」
すると茜はこう言い放った。
「またまた、嘘だって顔に書いてあるよ。赤くなってんじゃん!!!」
「お前こそ何なんだよ。部活は決めたの?」
俺はふと気になったので聴いてみた。
「ここよ!学園お嬢様部!前から気になってたの?一緒に行く?」
茜は軽い感じで聞いてきた。
「いやいや、だってお嬢様部だぜ。普通に考えて、俺が行ったらおかしいだろー。」
俺は流石に、いきなりすぎる茜の提案に反論した。流石にお嬢様しかいないのに俺1人はまずいって。
「あらあなた達、新入生??」
突然後ろから声がしたので振り返ると、そこには生徒会長の林有咲が立っていた。
「あなたが林先輩ですね。わたし水沢茜です。こいつは幼なじみの田口圭一、あたし学園お嬢様部に見学したくてきました。」
「ちょっと俺は、見学するなんて一言も言ってねえぞ。」
俺は茜に耳打ちした。
「あら、男の子が来るなんて、珍しいわね。案内するわ。でも部室はここじゃないのよ。」
林先輩は、歩き始めた。
その教室はあまりに広すぎた、歩けば歩けば、歩けば、やがて広いホールのような場所へとやってきた。
「ようこそ、お嬢様部へ。」
部室に入った俺はびっくりした。何とそこは巨大なお食事会場なのだ。しかもドレスを着たお嬢様が沢山いた。
「ひぇーーーーー。ここってパーティ会場???」
俺はびっくりして思わず、声が出なかった。
「圭一そんな事も知らないの???この学校は月に一回、聖ヨゼフ学園と、聖十字学園と合同パーティするのよ。パーティに参加できるのがここのお嬢様部って訳。ここでお嬢様達はイケメンと出会って恋をする訳!!見て、あれが聖ヨゼフ学園のイケメンで、背も高くて、運動神経抜群の、御影くん。あたしも御影君と付き合いたいなーーー。」
身長も、高くて、顔も美少年爽やか系でしかも金髪のといった感じの、その男子の周りには、ドレス姿の女子が何人も群がっていた。
「俺はごめんだな。こんな部活。パーティなんてそんなキャラじゃないし。」
俺は、昔からパーティが嫌いだった。嫌いというよりなんかこの雰囲気自体が自分には合わないのだ。
「あらー、年齢=彼女いない歴で悔しくないのーー??いいチャンスじゃない?こういうとこで出会った人こそ、長続きするもんじゃないのー。あたしなんか、御影君こそ白馬の王子様で私を導いてくてる存在。」
茜はお祈りしながら、目をキラキラさせながら言った。
「はー悔しくねえし。別れるだけだろ。こんなお嬢様なんて別に興味ねえーし!!!」
俺は開き直りながら言った。
「ようこそ学園お嬢様部へ!!!」
林有咲は、歓迎の意を込めた。
「今日は特別にこのパーティーに参加していいわ!!。新入生はもちろん会費はタダよ!!」
すると茜は嬉しそうに、有咲にお礼を言った。
「林先輩ありがとうございます。ほら、圭一もお礼を言って!!」
「ありがとうございます。」
俺は一応礼を言った。それより早く、ゆりちゃんと話をしたい気持ちのほうが強かった。
「おい茜、俺はゆりちゃんとはなししたいんだ。別にパーティに来たいわけじゃ!」
「だったら話せばいいじゃん、いるよ、ゆりちゃん、あそこに。同じクラスなんでしょ、自分から行かないと、行ってこい、」
そう言うと茜は、俺をゆりちゃんがいる近くの、テーブルまで連れて行った。
「ほら!!ファイト!!」
辺りには、イケメンがウロウロいるではないか、それに美女も。
「あのー、宮野さん??」
「えっ田口くん!!なんで田口くんがお嬢様部に??」
初めてかもしれない。この子と、俺は初めての会話だった。入学してからあんなに近くの机に座っていたのに、全然喋らなかったのに、今この場所で喋ってるなんて、
「あっ実はさ、幼なじみの付き添いで来ただけなんだけど、あっやっぱり、なんかこの部活俺には合わないなんて、宮野さんはどうして部活に??」
俺は疑問に思いながらゆりちゃんに聴いてみた。
「あたしの実家ね。すごい金持ちなの。お父さんはこの学校の理事長。でもこの学校で男の子少ないのに、田口くんこのクラスで唯一の男の子だからなんで喋っていいかわかんなくて。よろしくね、あたし宮野ゆり子、みんなはゆりって呼ぶの。」
なんて健気なのか、話してる姿も可愛らしいではないか。
「あー、そうなんだー。改めて、よろしくね、俺は田口圭一。この部活こうやって毎回パーティなんのかな」
するとその会話を遮るように、1人のイケメンのチャラ男が声を掛けてきた。
「ねえねえ、君何年生の子、めちゃくちゃ可愛いじゃんー??」
それはヨゼフ学園のf5の竹澤キリトだった。
こいつ背は178センチもあって金髪でしかも白いブレザーまで着てて、にずっとニコニコしててまるで花沢類みてえだ。まーきのとかやりそー。
「1年生です。」
ゆりちゃんは答える。
「そうなのー、お嬢様??このパーティーに参加してるってことは??ねえねえどこの家なの??LINE交換しようよー」
「え!!!ごめんなさい」
するとゆりちゃんは席を離れて他のところへ行ってしまった。
「ねえ、ちょっと、彼女にいきなりそんなこというなんて、、、」
俺は思わず言ってしまった。
「お前、あの子の友達か-、でもお前じゃこの学園の男子大したことなさそうだなー」
あまりにも露骨すぎる一言に俺は頭きた、
「あんたいきなりそんなこと言うなんて、失礼じゃないか。」
「なんだよ、口だけは、一人前なんだな、お前ブスなのに」
「やめて!!、田口くん来てーー」
するとゆりちゃんは俺を引き離してパーティ会場へ出てきた。
「田口くん、ごめんね。あたしあーいう口説かれるの慣れてなくて誤解しないで、あたしのために言ってくれるのはいいんだけど、ごめんねあたし帰るねーー。またあしたー」
すると、ゆりちゃんは背を向けて帰ってしまった。
「宮野さんーーー!!」
「しょうがねえーな、戻るか。でもパーティーだし、先輩達ともうちょい喋るかー。」
俺は、パーティー会場へ戻った。