第15話 デートのお誘い
俺は、その夜、林邸の玄関の部分に、立っていた。
「田口くん。」
声がした。林理央だった。髪の毛は、お風呂上がりなのかいつものツインテールではなくなり、下ろしている。
「林さん。」
俺は徐に反応した。
「ほんとにありがとう。だから、お願いがあるの。今度一緒にデートして欲しいの。」
「デートってそれはまさか!」
これはいきなり、怒涛の展開が来たか。
「ねぇ、お願い。私、あなたがいないと、耐えられない。それにあなたとは趣味が合いそうだし。あなたのこと好きよ。」
それはまさにゲームみたいな展開だった。家にまで呼んでもらって、そして帰り道に告白されるなんて。
「そうか、俺こんな時になんて言ったらいいのか分からない。それでもまた付き合ってとは言えないし、とりあえずデートは、しよう。今度の日曜日とかでもいいかな?」
俺は、先の予定を、ふと考えてみた。
「ほんとに、でも、その代わりにお願いがあるの。このことはクラスのみんなには内緒だよ。ねえ知ってる。学校にあるの、魔法の部屋っねいうのがね。学校の最上階にある部屋にね、永遠の愛を誓い合うとそのカップルは結ばれるんだって。」
それはまさかと思ったが、まあこんなお嬢様学校だったらそれも有り得るだろう。
「その部屋ってまさかそういう系の部屋??」
俺はまさかと思ってついに口に出してしまった。
「違うわよ。何想像してんのよ。エロゲーのやりすぎよ。ロマンチックな部屋、学校にある塔の屋上よ。絶景を眺めるの。ロマンチックでょ。男性との初デートにはピッタリよ。」
「あたしね、ゲームもアニメも好きだし。なんならアキバデートだってOKなんだから。」
理央は、彼女としての条件がかなりフラットな感じだった。アキバデートなんてオタクのカップルの典型ではないか。
「でも流石にアキバはやめようよ。やっぱりほら初デートだしさ、お台場とかはどうかな?だってガンダムの等身大模型とかもあるんだよ。」
「お台場ね。いいじゃない。きまりね。今度の日曜日ね。それ終わったら魔法の部屋へ行くのよ。夜の学校を見るためにね。」
理央は何かを誘っているようだった。夜の営みのお誘いなのか、それともロマンチックな場所へのお誘いなのかその理由は定かではないが、恐らくやばいお誘いなのであろう。
「ねえ、それってガチのデートだよね??学校へ行くってこと??普通に学校へ戻らなくない?家帰るでしょ。」
「夜の学校へ侵入するの、面白そうだからやろうよ!!!」
理央は、夜の学校へ侵入するという、心霊スポット巡りみたいな事をやり始めようとしていたのだった。
まるで2人だけの深夜デートだった。流石にデートのお誘いにしてはそれは早すぎたが、それでも、この子は変わってる子だなとしか言えなかった。
(もしかして純粋な子に見えてものすごい積極的な子なのかな。)
俺は心の中でそう考えた。




