原子・2
さて、原子の姿を外側から追ってたけど、今度は内側から描写する。
甲子園球場のマウンド付近にちょんとあるあずきの内側、つまり原子核の中の光景だ。
前回に「原子は物質を構成する最小パーツ」という前近代的な表現を使ったけど、そのパラダイムは百年も前に間違いだとわかってるんで、きちんとした解答を用意したい。
物質を刻みきったいちばん小さなパーツは、クォークって素粒子だ。
クォークもまた電子のように実体がなく、位置と運動量のみを持つマボロシみたいなやつと考えていい。
しかも常に三つワンセットで活動する(基本ユニットを構成する)ので、単体を観測されたことがなく、真に数学的な存在だ。
三つのクォークは、重力でも電磁気力でもない、クォークにだけ効力を発揮する引力(核力)に拘束されてて、それがあまりにすごい接着力による封じ込めであるため、人類の稚拙な科学ではいまだはがすことができてない。
そんな三つがひと固まりとなり、陽子、あるいは中性子という「核子」をつくり上げる。
そして核子がまたひと固まりとなって、ようやく原子核となる。
甲子園球場のあずき粒の中には、こんなにも複雑な内部構造があったわけだ。
核子がなぜ原子核に集中してひとかたまり(つまりあずき状)になってるのかというと、クォークに働く核力が核子同士にまでガチガチの引力を及ぼし合うからだ。
重力と電磁気力の効果が宇宙の果てにまで及ぶのに対して、核力は原子核のさしわたし程度にまでしか届かないんだ。
このことは逆に、クォークにかかる核力が原子核のさしわたし分しか効かないために、原子核はその大きさに収まってると言い換えられる。
この核力のガチガチの拘束がはがされ、核子が分かれると「核分裂」となり、核力でくっつき合うと「核融合」となる。
これが原子核の中で起こってる出来事だ。
つづく




