死んだらどうなるか?問題・1
死んだらどうなるか・・・?
肉体の消滅後に自分はどこへいくのか・・・?
という問題にですね、科学は現実的な立場から答えを出しているようです。
ぼくもこの点についてはずいぶんと考えているので、今の時点でぼんやりとイメージしているやつをここに書き留めることにします。
さて、ひとの死に考えを及ばせる前に、周辺知識が必要なので、そのへんをさらっと学習しておきます。
「エントロピーの法則」を知っていますか?
これはですね、実はこの宇宙において最も重要な約束ごとなのです。
この法則をかいつまんで言えば、
1、宇宙に存在するエネルギーの量は一定
2、エネルギーは使用可能から使用不可能な方向に一方通行
というものです。
エントロピーとは、ざっくり「乱雑さ」のことで、エントロピーの増大は、整ったものが散らかっていくことを意味しています。
上記2のようにエネルギーが流れると、宇宙のエントロピーは増大します。
エネルギーを使ってなんらかの仕事が行われると、この世は散らかっていくわけです。
ところで、エネルギーってなに?と、改めて疑問に思いますよね。
エネルギーとは、大雑把に言えば「熱」のことで、熱とは「細かい粒子の振動」のことで、要するに「振動」=エネルギー、とでも理解しておけばいいかもしれません。
そして「使用可能なエネルギー」とは、具体的には「熱いものと冷たいものの差」のことを言います。
この差がなくなると、エネルギーは仕事をしませんし、エネルギーの高低差が失われることによって、エントロピーは増大した、となるわけです。
例えば、冷たい水の中に熱いお湯を足し入れると、混ざり合って中間温度のぬるま湯になります。
これは、水分子がお祭り騒ぎのように暴れ回っている状態であるお湯が、静かにブルブルと震えているだけの冷水に突進してぶつかり、結果、お湯は振動を弱めてぬるまり、冷水は振動を強めてあったまり、やがてどちらの水分子も同じくらいの揺れ具合いになって、最終的にはぬるま湯という定常状態に落ち着く、ということを言っているわけです。
これをエネルギーの移動と言いますが、つまりは「強い振動が弱い振動のものに移り」「熱いものが冷たくなっていく」ということです。
このエネルギーの移動は、力に応用することもできます。
鉄球を高いところに持ち上げます。
すると鉄球には、ポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)が蓄えられます。
「やってやる・・・やってやるぜえ・・・!」とホットな状態で武者振るいをしている、待機状態です。
この鉄球が上空から落下するとき、蓄えられた位置エネルギーが運動エネルギーにかわります。
そして、鉄球が床に落ちると、ものすごい熱が炸裂し、床板が壊れます。
運動エネルギーという盛大な振動が床板に伝わり、その放出が破壊的な仕事をしたわけです。
物質同士の摩擦が発生し、接触面はあっちっちになります。
おつりとしてこぼれた衝撃が空気を揺さぶり、音になります。
光も出ます。
これらはすべて、熱エネルギーの散逸の形です。
つまり、エネルギーが高いところから低いところに流れると、具体的な仕事が発生します。
そしてその結果、宇宙のエントロピーは増大します。
エントロピーは、刻一刻とエネルギー世界の高低差をならし、真っ平らな定常状態を目指すのです。
そしてこの宇宙は、エントロピーの増大が不可逆であるために、時間における対称性が失われ、過去から未来へと一方向に進む、とも言えるわけです。
つづく




