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片思い

熱の鈍感と変態

キャラをしばらく書かないと口調と性格が少しわからなくなる……。

「げほっげほっ、うう……」

 僕の名は幸村亮介。とある高校にある、とあるクラスのムードメーカー的存在。だけど、今日はこうして熱が出て欠席してる。というのも、昨日トイレの個室にいる時、僕の人気への嫉妬か何かからか、バカ二人に結構な量の水をかけられてね。水が止んだら堪らずすぐに扉を開くと、そこには男子トイレだというのに、女子の生徒会長の杉山さんが二人を手際よく拘束している光景が。風紀の乱れを感知するレーダーでもついてるのかね。まあそれはいいとして、外にバケツは全部で10もあった。その中から7杯もやられてね、体が強いわけでもなし。このザマだ。


 バカな実行犯は僕がクラスカーストの上位にいる、ということを考えていなかったのだろうか。いや学年全体にも良い関係を構築してたから、これからの高校生活はだいぶ辛いものになるだろうな。それに比べて、会長はいい人だった。バカ二人の連行と処理を後から来た人に任せて、ずぶ濡れの生徒を優先したのだから。年頃の女子なら、自分の服を男子に着られるのは嫌がるであろう、しかも濡れ鼠の僕にブレザーをかけてくれた。嬉しかったし、尊敬できた。僕が逆の立場だったら、それを即座に出来る自信はないから。


 そんなことを考えていると、また熱が上がる感覚。でもさっき寝たから、そんなに眠くないし、体がもたない程でもない微妙な状態。さて、どうしたものか。


 ピンポーン


 っと、インターホンだ。一体誰だろうか。とりあえず水を飲み、布団を抜け出し、玄関へ向かう。


「はい」

『り、亮介君と同じクラスの杉山です。今日の配布物を届けに来ました』

「ああ、わざわざありがとうございます」


 寝ていたから気づかなかったが、もう午後か。インターホンを切って、玄関のドアを開けた。そこには見慣れた会長の姿。


「? 私はてっきり親御さんが出るのだと思っていたけど、なぜ君が」

「いや、両親は共働きで日中はいないからね。今は僕一人」

「そ、そうか……体調の方はどうだ?」

「だいぶ良くはなりましたが、まだ万全ではないですね。けど今日の残りも休めば、明日には投稿出来るでしょうけど」

「そうか。だが無理は良くないぞ、うん。ほら、まだ熱はあるじゃないか」


 そう言って僕の額を触る会長、手が冷たくて気持ちいい。


「そうかそうか、気持ちいいか。嬉しいことを言ってくれるね、オマケに看病してってやろう! 」

「あ、口に出てましたか。でもいいですよ、そこまでしてもらうのは申し訳ないです。会長にも仕事があるでしょうに」

「いいや、大丈夫だ。会長の私もたまの休みは必要だからな。今日の分は他の生徒会の面々に押し付けてきた!」

「はぁ」

「心配するな、こっそり昨日ある程度量は減らしといたからな。そういうわけでお邪魔します!」

「あ、ちょ」


 言うなりズカズカと上がり込む会長。こういう強引さも、生徒会長を引き受ける上でいい要素になってそうだ。そんなことを考えていると


「幸村君、君は寝てなさい。あとキッチン借りるぞ」

「あ、はい」


 もうお帰り頂くことは無理らしい、なんか申し訳ない気持ちが湧いてくる。もう仕方ないので布団に潜る。看病される以上、それ以外にもはや出来ることはない。できるだけ心配かけないように大人しくするのみ。




 気がつくと眼前に会長。どうやら軽く寝ていたらしい。額と手首と足首に冷たさ、濡れタオルか。これも会長の計らいだろう。


「おはよう、気分はどうだ」

「あの、僕どれくらい寝てました?」

「んー、4、50分といったところか、とりあえずお粥作ったから、食欲なくても少しは入れておきなさい。今なら林檎もあるが」


 そう言って出てきたのは、お粥と器用に剥かれた兎型の林檎だった。ふと周りを見ると、少し散らかっていた部屋も綺麗に片付いて……って掃除までしてくれたのか。


「何から何までほんと申し訳ないです」

「ほんと申し訳ないぞ。あの寝汗の量はなんだ!」

「えっ、そんなとこまで」

「い、いや、変な意味はないぞ、ただ少し寝苦しそうにしてたから」

「ありがとうございます。けどこれきりにしてください。世話に加えてそこまでされると、他の人は自分を好きだと誤解されてしまうかもしれませんから」

「え、いや、私は」

「大丈夫です、善意でやってくれたのはわかってますから」


 そこで言葉を切り、お粥に手をつける。思ったより回復していたせいか、すんなり食べきれた。林檎も苦ではなかったから、ありがたく全部頂いた。ああは言ったものの、会長が僕のことを好いているが故の行動かとも少し考えたが、それは否定した。僕に限ってはそんなことはないだろう。みんな僕の立場にいたとして、不釣り合いだと思うはずだから僕もそう思う。





 私の名は杉山かえ。とある高校の生徒会長。今向かってるのは、同じクラスの幸村亮介君の家。今日は欠席だったから、配布物を届けに。あわよくば看病と称して、家に上がり込むつもり。というのも、私は紆余曲折あって彼が好きだから。長いから割愛。欠席したのは熱だろう。昨日トイレで水をかけられていた。バケツ7杯分も。私の逆鱗に触れた二人は一瞬で拘束してやった。けど私は立場を弁えてるから、優位に立ったところで、怒りに任せてボコボコにしたりはしないのだ。それよりより彼の方が大事です。ずぶ濡れで小刻みに震えており、辛そうな表情の彼は、私にとっては見るに堪えない状況。その時は私も辛くて泣きそうだった。


 そうして今日、愚か者二人の事後処理、生徒会の通常業務を「会長たまの休み」と称して全て他の人に任せ、彼の家に来ちゃったわけで。……いざ到着してみると、インターホン押すのすら緊張してきた。いや、普通に考えれば、応対するのは彼の両親か。そう考えると急に冷めてきた。家に上がれるかなぁ……。


 ピンポーン


 っと、インターホンだ。一体誰だろうか。とりあえず水を飲み、布団を抜け出し、玄関へ向かう。


『はい』

「り、亮介君と同じクラスの杉山です。今日の配布物を届けに来ました」

『ああ、わざわざありがとうございます』


 そう言って出てきたのは幸村君本人。……!?


「!? 私はてっきり親御さんが出るのだと思っていたけど、なぜ君が」

「いや、両親は共働きで日中はいないからね。今は僕一人」

「そ、そうか……体調の方はどうだ?」

「だいぶ良くはなりましたが、まだ万全ではないですね。けど今日の残りも休めば、明日には投稿出来るでしょうけど」

「そうか。だが無理は良くないぞ、うん。ほら、まだ熱はあるじゃないか」


 チャンス到来! さりげないボディタッチ(額)

「会長の手冷たくて気持ちいい」


 ここだ、ここから家に上がり込めそう!


「そうかそうか、気持ちいいか。嬉しいことを言ってくれるね、オマケに看病してってやろう! 」

「あ、口に出てましたか。でもいいですよ、そこまでしてもらうのは申し訳ないです。会長にも仕事があるでしょうに」

「いいや、大丈夫だ。会長の私もたまの休みは必要だからな。今日の分は他の生徒会の面々に押し付けてきた!」

「はぁ」

「心配するな、こっそり昨日ある程度量は減らしといたからな。そういうわけでお邪魔します!」

「あ、ちょ」


 こういうのは勢いが大事。それにこちらが彼のために動いているあたり、拒まれることもないと思う。ズカズカと彼の家に踏み込む。振り向くと、彼は何やら考え事。


「幸村君、君は寝てなさい。あとキッチン借りるぞ」

「あ、はい」


 さて、勢いで丸め込むことはできた。こういう時に定番なのはお粥を作ってあげることってどこかで聞いた。手早く米を研いで火にかける。少し時間がかかるので、風呂場へ行き洗面器に水を汲み、部屋に持っていく。汗を拭いてあげよう。……決して他意はないからね。そう自分を誤魔化しつつ、目についたのは部屋が少し散らかってる(さま)


「彼も熱でそれどころではなかったのか。片付けておこう」


 プリント、ノート、教科書、某密林のダンボールなど、すぐに片付いた。残るは彼の制服、下着……エッ!? なにあのおたか(ゲフンゲフン




 ……駄目、異様な存在感を放つ、あの誘惑には勝てそうにない、そう感じて目を背ける。い、いやただ風呂に入れるほど元気じゃなかったってだけだよね。


 そう、つまり体を拭いてあげなきゃいけないってこと。うん、そうに違いない!もちろん使うのは私物のタオル。こんな機会はそうそうないので、持ってきてしまった。水につけてしっかり絞る。そうして彼のパジャマを脱がせる。服の下は鍛えられてるでもない、普通の体だけど、それがどうしようもなく愛おしい。丁寧に、それでいてしっかり拭いていく。中途半端だとかえって不快かもしれないしね。首、腕、胴、脚ここまではいい。残るは……股間。


 いや、駄目だよ私! いくら彼が好きだからって、逆レとかは! いやいや、デリケートゾーンが洗えてないのは不快なはず! これは必要なことであって云々……。


 気づいたら私は彼の下着に手をかけていた……。

 これ以上は絶対に駄目だと本能的に感じ取った私は、彼のパジャマを素早く着せて、代わりだと言わんばかりに脱ぎ散らかされていた下着を掴んで、別の部屋に駆け込んだ。









 しばらく自家発電してスッキリした私は、お粥を取りにキッチンへ。リンゴも持ってきたし剥いておこう。


 さて、先程は冷静さを失っていたが、彼の部屋に戻ってよく考えれば、無抵抗の病人にとんでもないことをしようとしていた……。罪滅ぼしに、おでこと手足首に濡らしたタオル。あそこで踏みとどまった私を誰か褒めて。そう思いながらリンゴを切り、剥く。兎型に。


 そんなことをしてるうちに彼は目を覚ました。


「おはよう、気分はどうだ」

「あの、僕どれくらい寝てました?」

「んー、4、50分といったところか、とりあえずお粥作ったから、食欲なくても少しは入れておきなさい。今なら林檎もあるが」


 お粥を受け取りながら周囲を見回す彼。


「何から何までほんと申し訳ないです」

「ほんと申し訳ないぞ。あの寝汗の量はなんだ!」

 急に恥ずかしくなって強く言ってしまった……。

「えっ、そんなとこまで」

「い、いや、変な意味はないぞ、ただ少し寝苦しそうにしてたから」

「ありがとうございます。けどこれきりにしてください。世話に加えてそこまでされると、他の人は自分を好きだと誤解されてしまうかもしれませんから」

「え、いや、私は」

「大丈夫です、善意でやってくれたのはわかってますから」



 誤解じゃないのに。ここまでされてなお気づかないなんて……この鈍感。



好きな人の私物をクンクンしたくなるのは、変態じゃなくて普通だと思う。そこからいじり始めるかが問題なのであって……。


というかせっかくのクリスマスに何書いてんだろ……。

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