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意識を取り戻してからは大変だった。

血溜まりの近くで()()()ということもあり、念のためと救急車で運ばれ3日もの検査入院、そしてベットの上での警察による事情聴取。


「本当になにも覚えていないんです。」

なにを聞かれてもそう答える事しかできなかった。


(猫又や狼男みたいな奴にあったって誰が信じるっていうんだ。)


倒れた柊に声を掛け、血溜まりに気付き警察と救急に連絡をした通行人が言うには柊が何か叫んで走ったと思ったら路地を覗き込んでいきなり()()()()()()()と言う事らしかった。

また、警察はその通行人以外にも柊が倒れるまでの行動に気付いた人はいたが、血溜まりに気付いたのは皆柊が倒れてからだったと言っていた。()()()()()()()()()という他の通行人すらも。。。


(あの出来事がそんな一瞬で終わるわけがない。きっと、、、きっとアレは夢だったんだ。)



「柊さんを疑っているわけじゃあ無いんだけどね・・・」


そう言って困ったようにみる警察官。柊がなにかを隠しているのを感じ取っているのだろう。

それを見ていっそ全部話してしまおうかと思ったが、自分でも理解できないし信じる事が出来ない事を話す事が出来なかった。そして何よりも、そうやって話す事で夢だと信じたい。この「次」が本当に来てしまうことを恐れていた。別な事に気を取られたかのように気がそぞろで少し青ざめ切羽詰まったような柊の様子を見て再び警察官が口を開く。


「もしかして信じてもらえないと思ってませんか?」

「え?」


心の中を見透かされたような質問に少したじろぐ。

そんな柊を見ながら警察官は話を続ける。


()()()()。自分の見たものを話したところで信じて貰えない。そう思ってるんですよね?」

「・・・(何が分かるっていうんだ。俺自身だって信じられないのに)」


俯き手をぎゅっと握りしめ少し頑なになった雰囲気の柊の様子を見て警察官はさらに話を続ける。

「これは一般公開されていない極秘情報に近いんだけどね、君のような体験をした人はここ最近多くなっているんだ。そして口を揃えたように言うんだ。「猫の化け物を見た。」とね。」

「猫の化け物・・・」


警察官の言葉にハッとした様子で顔を上げる柊。

「そう、猫の化け物。これで話してくれる気になってくれましたか?」


それから柊はあの時周囲に誰もいなかった事、異様な匂いがした事、猫又のような存在と狼男のような存在、空間に消えて行く様、そして「次」の事など自分が気を失うまでの出来事を全て話した。


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