プロローグ
ようやく投稿の目処がたったということで、プロローグを先行投稿いたします
と言っても、伏線を張ったり添削したりの作業があるので、
1~2週間に一本くらいのペースとなる予定です
夏の暑さも去り、秋からの少し早いプレゼントとばかりに涼しい風が吹き抜けはじめた日本列島。それは西日本も例外ではなく、ここ福岡県もまた過ごしやすい日が続いていた。
そんな季節のある土曜日。市街地には仕事なのであろうスーツ姿のビジネスマンや、ショッピングに来たのであろう若者たちの姿があった。元より高い人口密度を誇るその場所はさらに密度を高くし、車道では渋滞も発生している。
そして、その時は唐突に訪れた。
「ん?」
信号待ちの暇つぶしで天を仰いでいた男子大学生。彼の言葉に呼応するように周りの人間が次々顔を天へと向け、そして歓声を上げる。彼が見上げた視線の先。そこには青く澄み渡った空に、一筋、二筋、いやそれどころじゃない。何十本にもなるであろう光の筋が現れる。
「なんだよあれ」
「隕石か?」
「人工衛星とか?」
飛行機ではない。
隕石にしては多すぎる。
流星群にしてもまだ多い。
それも軌道は真っ直ぐではない。最初こそそう見えたものの、しばらくして軌道を変え、ここへと一直線へ向かっていく。
この事態に気付いたのは彼らだけではなかった。
日本の国防の要・自衛隊
防空識別圏へと中国・韓国・ロシアと言った国が飛び込んできたという感じではない。
「急げ。出るぞ」
しかし『空』の対応として航空自衛隊の戦闘機がスクランブル。
「まさかミサイル撃墜の予行演習か?」
加えて海上自衛隊佐世保基地のイージス艦が迎撃に備えてスタンバイ。同時刻に陸対空ミサイルの発射準備も完了し、その謎の『来客』に対する構えを万全とする。
だがその甲斐なく 同日12:55 防御網は破られた
201X年10月 福岡県 陥落