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湯たんぽ
寝癖の付いた髪を
風に梳かれて
幾日分かの探し物が
太陽の光に照らされ見つかった
眠れぬ夜は
雨音に寝かしつけられて
将来へと焦れば
初雪に
軽やかさを想起させられた
いつの日も愛されていて
そうでない日があっても
例えば眠りにつく前
布団に入れば
知らぬ間
用意されていた湯たんぽに
温度を教わるだろう
与えられたものほど
自分の力で得たのだと
勘違いしてばかりの私に
思い至って嫌気がさす
自分で選択したはずなのに
選ばなかったものを持つ人を
羨ましがってばかりの私に
思い当たって嫌いになる
大切にしてもらっていることを
知っているから
あなたにとって
良い人でありたいと思う
なぜそうしてしまったのか
なぜこうできないのかと
私を叱る理想の私は
今よりも もっと
それなりに良い人だから
大切にしかえす方法を身につけて
あなたと あなたのいる人生を
愛していこう