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リヒトの救援?

セラスとブラクティシアを観光し、図書館や資料館も見て、俺も魔法に関する知見を増やしつつ、時が過ぎた。とうとうセラスとの約束の1週間が過ぎ去ろうとしているのだ。今日は最後の1日である。

そんな最後の1日は鮮烈な冒険の記憶を残してやろうと思っていた。

なのに。


「おとん!起きるのじゃ!!」

「っ、この気配はっ!?っ!?破壊の音!?」


戦争か、もしくは実験が失敗した研究者たちが一度にたくさん出たか。そうであってくれと願いつつ、現場に様子を見に来れば。


「なっ…龍、だと!?」


一柱だけじゃない。十数柱も、同時に。


怖の龍、糸の龍、冰の龍、岩の龍、脈の龍、坂の龍、葉の龍、香の龍、振の龍――高位中位低位関係なくだ。

間違いなく操られている。思い切りぶん殴ってやれば正気に戻ってくれるものなのか判断がつかないのも難点だ。

こんなときに精神系を司る最高位龍種が居てくれれば…と思うが、まさにそれが敵なのである。


「ミレイユ、お願い!」

「それがおとん、すでにやってるのじゃがなぜだか効かんのじゃ!」

「はぁ!?それじゃなんであいつら操られて!?」

「おそらくいままでとは別の奴が操っているのじゃ」


てことはまた俺らが操られる可能性があるってことか!?ちっ、どうすりゃいいんだよ!!

ただの人間に十数もの龍種を相手にできるはずもなく。ブラクティシアの魔法師はただ逃げ惑う。だが、そんななかでも立ち向かう人影が2つ。


「皆さん、こちら側へ!ナタス老師が作った結界があります!怪我人はこの魔法具を使ってゴーレムを呼び出し、運んでもらってください!時間は私が稼ぎます!」


ウリエラだ。さすがの俺も、避難誘導に徹しているわけにはいかなくなった。知人がみすみす殺されるところを見ているわけにはいかない。

そう思い、俺は俺が持つ最大限の力をいまいる最高位龍種達に分配し、限りなく人類に近い状態となり、セラスとリウスを異空間に回収、避難誘導をミレイユとフェンに任せてキュリスを吸収し、コッペリアとともにウリエラのところに急ぐ。


「ウリエラ!」

「ヴァーンさん!?」

「こいつらは正真正銘の龍種だ!アルヴテリアを創造した神に近い存在だぞ!?ウリエラも早く避難しないと!」

「ここは私の国です!私の部下が、私のために集まった、私のための研究所なんです!この国を守る義務は私にあります!」

「なに!?って、あぶない!」


岩の龍の咆哮をもろにうけ、しかし宙で耐えるウリエラ。次いで迫りくる岩礫(いしつぶて)。それらは視界一杯を覆い尽くすほどの弾幕だった。だがウリエラはそれら全てを霧散させ、岩の龍を氷らせた。


「なん、…ウリエラ、君は何者なんだ…?」

「私ですか?ああ、自己紹介が遅れました。私はウリエラ。『銀造りの屋敷』の主、魔法師連盟の首長、ブラクティシアの国王に一応は位置する立場です」

「おいおいおい、聞いてないぜそんなの」

「はい、今いいましたから。なので私にはこの国を守る義務があります。アンディがいればやりやすかったのですが…」

「アンディならミレイユ達に避難誘導をするように言ったから、すぐに戻ってくると思うぞ」

「ありがとうございます!助かります」


そう話をしている間にも、岩の龍は束縛から抜け出し、俺らに牙を剥く。しかしウリエラはそれを、岩の龍を石化することで(・・・・・・)止めた。


「岩龍も決して弱いわけではないのに…」

「彼らが操られているせいでもあり、おかげです。以前お話ししましたが、意識がないと魔法抵抗力が極端に下がってしまうんです。それと、私の魔力が常人より極端に多いことも岩龍を石にできた理由の一つです。魔力で押しきったという感じです」


それにしたって、龍相手に押しきれるほどの魔力量なんて、あの魔王でさえ持っていなかった。

と、深く、注意深くウリエラを見てみる。すると、たしかに龍に匹敵するほどの魔力を貯蔵できることが伺えた。しかしそれも、先ほどまでの防戦によってほとんど空になっている。ここが突破されてウリエラが死んでしまうのも時間の問題だった。


「本当はアンディのほうが、魔法を使うことに関しては誰よりも上手くて、私は魔力をアンディに渡してアンディが魔法を使うって分担をしていたんです。でもアンディは私抜きでは大きな魔法を使えない、でも私はアンディ抜きでも使える。だから私が残って…」

「なるほど、な!」


岩の龍が束縛から逃れる。糸の龍が周辺の家屋や木々を糸を(ほど)くようにして解き、鞭や針のようにして攻撃してくる。


「ヴァーンさん、コッペリアさん、逃げて!」

「そうか、ウリエラは俺達の戦闘見てなかったもんな!」


全ての糸を裁ち切る。コッペリアが武神を神降ろし、盾で龍眼を遮りながら、全速力で急接近。そのまんま盾を糸龍に振り下ろす。それを見ていたウリエラが驚愕していたが…


「状況は一向に好転しない、か」


手っ取り早くぶっ殺せればいいものだが、龍種、しかもこうも下手な高位の龍種だと、殺してしまえば、その龍が司るものがこの世から綺麗さっぱり消えてしまう。下手に殺さないよう手加減すれば、すぐに起き上がってきてこの様だ。

まあ殺してしまっても最高位龍種がいるからある程度は取り返しがつくとはいえ…糸が線くらいの細さしか存在できなかったり、逆に丸太くらいの太さじゃないといけなかったりしては困るだろう。

だからといって俺らが大々的に出てしまえば、こうして龍種が操られている現状、俺らも操られたら目も当てられない。一番ヤバいのはアドだ。人類その他の生物が文字通りそのまま煙となって消えてしまえば、どうする手立てもなくなってしまう。


「なにか打開策があれば…ん?」


と、そこでなにかが飛来してくるのに気づいた。

――リヒトだ。なぜだかわからないが、リヒトが高速で飛んできている。

そして、暴れる龍種の一柱を殴り飛ばし、暴れる龍種全柱の注目を浴びた。


「コードA1、ヘイナゲヘナ」


石化の龍眼もその高い魔法耐性で効かず、岩龍の懐に入り込んで一歩、激震。岩龍は腹から鈍い音を鳴らして折れ曲がり飛んで行った。

続いて糸龍、脈龍と次々に龍達を()していき、龍達は不利だと見るや引いていった。

残ったリヒトがこちらを見る。そして、俺に向かって飛んできた。これはあれか、捕らえたはずの人質が逃げ出しているのを見て回収しにきたのか。

リヒトはそのままの勢いで俺を担ぎ上げ、そしてアンディも回収する進行方向だ。


「悪いウリエラ!余計な戦闘は避けたいから俺と、たぶんアンディも一旦リヒトに回収されてくる!それまで復興よろしくな!」

「あ、ちょっと、ヴァーンさん!?」

「コッペリアとフェンにも任せるから!」


予想通りアンディも回収して、異空間に転移しようとするリヒト。その前にミレイユに念話して龍玉状態になってもらって、吸収しておいた。

して、今度は一直線にコールドスリープ室へと連行される俺ら。しかし、どうやら前と様子が違う。前は俺らはコールドスリープ室で寝かされたのだが、今度は寝かされた人々が起こされていっているのだ。どういうわけだかわからない。そもそもなんの目的があってコールドスリープさせられていたのかもわからないのだ。俺らはなされるがままだった。しかし、こう見るとやっぱり全員男性なのはなにか理由があるのだろうか…。

コールドスリープしていた人々全員を起こした後、リヒトはあるシステムコードを唱えた。

それはいままでとは違う。あらかじめ設定されていた、指定された番号を読み上げるわけでもない。

だが、やはり感情はない。ただただ、無機質に。


「ああ、我らが創造主、アルス様。今こそ、我が使命を果たしますところ、見ていて下さいませ」


と、そう虚空に告げ。その場の全員を一斉に、異次元(・・・)に転移させた。

視点が移る。そこは夜の帳が下りる、幻想的な森林だった。


「あラァ、はぁはぁ。美味しそうな臭いがすると思ったラァ?はぁはぁ、はぁはぁ…んっ……、ふふ、美味しそうなチェリー達がこ、ん、な、に♪はぁ、んん、濃厚な臭いでイっちゃいそう…♡」


痴女がいた。だがその場の全員が、それがただ者ではないことを本能的に理解していた。

人種、竜人種、獣人種、妖精種、精霊種、狼種、猫種、犬種、竜種。ありとあらゆる種がリヒトによってコールドスリープさせられ、この場に連れてこられているが。その場の全員が、下手なことをすればその女にやられると理解していた。


「ふふ、怖がっちゃっテぇ。か、わ、い、い♪んふふ、どの子かラ食べちゃおうかしラぁ?はぁ、はぁ」


誰もその場を動けない。この俺をしても、だ。この異様な気配、この女、おそらく俺にすら危害を加えられる。


名前『アスモデウス・レイスト』

位『最高位』

種族『純血:アルヴデビウルグ』

権限『耐久力10』『耐性8』『筋力3』『魅了10』『熱魔法:暖1』『熱魔法:冷2』『運動力魔法1』『大地魔法1』『空間魔法1』『闇魔法8』『万能魔法9』『性欲10』『威圧3』『神格10』

上位権限『誘惑10』『肉欲10』

特殊権限『酒池肉林の主』『欲求不満』『絶倫』『悪魔』『色欲の悪魔』『邪神の威光』

権能『悪位10』『神位5』『敬虔なる使徒:邪』『邪神の加護』『色欲』『下腹の疼き』『アスモデウス』

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