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昇格

前話の転移はもちろんアヴェストに連絡とってしてもらったものです。…そういえば、帰りはいらないって言った癖に結局頼んだヴァーン格好つかないですね。(忘れてましt)

近くの服屋で服を新調した(ミレイユは寒いと言っても龍種だからきっと感覚的なものだろう。ちなみに転移したのはミレイユの魔法だということにしておいた)俺たちは早速詳しい話を聞くべく、リュノンの冒険者ギルドの特別待合室へと通された。大まかなことは聞いたが、詳しいことを聞いていない。例えば相手の幹部が何人かだとか、どこまで広がっているかだとか、被害状況や特有の手段、模倣犯などだ。


「それでは持ちうる情報の全てを開示させていただきます。その上で、改めて報酬金の話をします」


ここからはもう冒険者と管理者の立場だ。俺は依然として竜人の姿だが、クリュフの顔はめっきり変わって堅苦しい。真面目な話でもあるため仕方ない。


「まず敵の構成人数から。潰しまわった実験施設から取得した情報から、リーダー1人、幹部クラスが少なくとも7人以上、準幹部クラスが20人以上。準幹部クラスに付くリーダー格がそれぞれに30人以上。そしてリーダー格に付く構成員がそれぞれ100人以上の約4000人だと予想していますが、実際はこれの2倍くらいと考えてください。実験施設を潰す際に殺したことを確認できたのはリーダー格だけで、準幹部クラスには毎度逃げられているのが現状です。潰しまわった実験施設で確認できた実験内容は、体内の魔素を限界以上に直接注入するもの、人種の内臓を魔物の内臓に置き換えるもの、魔物の肉を食わせるもの、魔物の子を孕ませるもの、竜種の魔素を限界まで高めて魔物化させるもの、年齢が二桁もいかないような子供を殺しあわせるもの―」

「もういい、クソみたいな奴らだってことは分かった」

「……外道な行為と言われて思い付くようなことをあらかたやっていました」


セラスや心臓に悪いおっちゃんのような人類もいれば、こういうやつらのような人類もいる。複雑な思いだが、人類に絶望しようにもセラスや心臓に悪いおっちゃんの存在が大きすぎて根絶やしにもできない。まったく、困った種族だよ人類ってのは。


「やつらはここの山脈を中心に規模を拡大させているようで、拠点も潰しても潰してもまるで蛆のように沸いてでてきます。またここノースブラント以外の大陸でも被害を確認できているようで、その情報共有も兼ねていま新しい連絡方法を模索中です」


以前みたとき、アルヴテリアは大まかに7つの大陸から成っているようだった。北の大地ノースブラント。赤道をまたがるように広がるジュエ。シホンがある温帯気候の(少し矛盾するが他と比べて小さい)小大陸ゲンカ。南極大陸と同じ位置にあるサウスブラント。アルヴテリアの地軸を線対象としたジュエ大陸の真反対にあるゲール大陸。そしてその上を包むような三日月状に広がるホルガナンダ大陸。そしてかつて俺が追突したときに出来たのであろう俺の形の神海(アルス海)という名前がついた海を包むような大陸、イスオントリア。そしてつい最近新しくできた浮遊大陸アヴールトーラン。地上7つ空中1つの計8つで、地上7つに関しては邪龍が生み出した7柱の神をアルスが異界へと飛ばすときに開いた扉がそれぞれの大陸にどれか1つずつあると言われている。そしてその扉の鍵を化身にし意思を持たせ神獣にし、アルスはその7体を新しく創った30の偽物の鍵の神獣に紛れ込ませ、神獣計37体を世界中にランダムに飛ばしたとされている。かなり凝った神話だと思う。だからきっとノースブラントでインヴィクルと名乗る組織があるのならば、他の大陸にもアセロラース等といった他の邪神系神々の名前をもじった組織があるのだろう。話を聞けば聞くほど、めんどうそうな組織だ。ただジュエ大陸でもセラスやリディル王から話を聞いていなかったし、信短からも聞いていない。隠れているのか、はたまた本当は敵組織はインヴィクルだけではなく他の邪神系神々を名乗った組織が一緒にいるのかもしれない。


「やつらの死体からはこのような傷痕が発見されています」


それは龍が左目から涙を流しているものだった。これでいままで知らず知らずにインヴィクル以外の邪神系神々組織を殺していたという可能性は低くなる、か。やはり大陸ごとに分布しているとみていいだろうな。その際、インヴィクルだけでもかなりの規模なのにあと6つ同じような組織があるとなることには目を瞑ろう。


「壊滅済みの拠点施設はこのバツ印の通り。発見済みの拠点施設はこのマル印のところで、予想場所はサンカク印のところにあります」


ふむ…かなり広範囲に、西ノースブラント全域にまんべんなく散らばっているようで、あるものは村の中にあったり、教会の隣にあったりと一見頭の悪い、だがカモフラージュとしてはかなり有用なものもある。これはなかなかに侮れない。


「敵を見分ける方法は体のどこかにこの傷痕…奴らが言うには選ばれしものだけに浮き出る星痕、スラーがどこかにあります。そしてこのスラーがある敵は魔法か体法か、どちらかの能力が飛躍的に上がっているでしょう。…冒険者ヴァーンに頼みたいのは、この敵組織の偵察、特攻です。かなり危険な仕事になりますが、これを確実に達成できる人材を得られればかなり現状を覆すことができるでしょう」


そうだろうな。敵拠点をバレずに発見し、油断しているところを一網打尽にしていけばこちらの被害は減り、敵の損害は増える。だが敵もそれは分かっているようで、かなりの警戒網を敷いているだろう。


「実を言うと、冒険者ヴァーンには特攻隊だけに専念してもらう予定でした。ですがパートナーミレイユの魔法技術を見る限り、偵察隊にも加わってもらったほうがいいと判断しました。どうでしょう、邪神復活敵勢組織への偵察隊、特攻隊どちらもやっていただけるのなら報酬は倍の10(コウ)ウェイズ、全額先払いです」


日本円にして1000億!?軽く国家予算だぞ!!?それを契約の完遂もせずに、全額先払い。これはかなり懐を開いているとどうじに、切羽詰まっているという証でもある。邪神とやらが本当にいるのかどうかはわからないが、これは受けるしかあるまい。


「よし、その依頼、承った」

「そうか、ありがとう!!いやぁ、本当に嬉しいよ、恩人にこういうことを言うのもなんだが、断られたらどう口止めしようかと考えてしまっていた」


やはりかなりの機密事項だったようだ。と俺は契約書にサインし、血印と拇印をおした。それを確認したクリュフは大きくうなずき、満足げに


「それでは邪神復活を(・・・・・)目論む敵勢(・・・・・)組織(・・)の偵察および特攻、よろしく頼む」


と言った。

…ん?いやまて、これはもしかしなくてもはめられたのではないか?

さっとミレイユに顔を向ければ呆れている様子。ミレイユはわかっていたようだった。この契約内容には、インヴィクルを限定した記述などなく、邪神復活を目論む敵勢組織…つまり、インヴィクル以外の邪神系神々を名乗る組織やそれに準ずる全ての組織をも含まれるということに。これは世界中を回ることになる…しかもインヴィクルを壊滅させれば終わりだと思っていた契約期間も指定されてはいないため、邪神復活を目論む敵勢組織が今後新しくできてもこの契約は活きてくる。…やられた。これはこれは…くっそう。かなり油断していたな。生前ならこんなミス犯さなかった。俺は恩人なんだからと気が緩んでいたのだろう。同時に、クリュフの話術も効いていた。敵組織の規模と凄惨さを切羽詰まっているようにというか本当に詰まっているのだろうが苦しげに話し、10億ウェイズという金額に裏があると勘ぐらせないようにしていた。こいつ、本当に荒牡蠣漁体験で死にそうになっていたとは思えないな。


「してやられたよ、クリュフ」

「恩人を騙すようで気が引けたが、仕事なんだ、許してくれ。壊滅させた敵勢組織が邪神復活を目論んでいたと確認できれば拠点一つにつきボーナスがでるってことも契約内容に含まれている。もちろん、規模で変動する。本来は内容に無かったがさすがにダメだろうとねじ込んだ」


完全に恩を返された形だ。この契約は俺が生涯冒険者を続ける限り活きてくるものだ。命と同じような重みと思っていいだろう。聞くにこの契約、クリュフが考えたものではなさそうなので恨むことはない。


「しかたない…完全に恩返しをされたな。もっといい使いどころを考えていたんだが」

「怖い怖い。さて、こんな契約を結ばせてしまった罪滅ぼしというかなんというか」

「…ん?」


なんだろうか、なにか特別なものでももらえるのだろうか。


「ヴァーンの冒険者ランクを準AからSへと昇格。これにより国最高レベルのサービスを格安で受けられるようになる。どうだろうか、一杯」

「はっはーん、さては甘い蜜を吸おうとしているな?」

「そんなまさか」


なかなかに侮れないのは目の前の人間も同じだったようだ。


「ちなみに冒険者登録からSランク冒険者へとなった記録は、魔王の次に早かった」

「…ほう?ちなみにどれくらいの差が?」

「2日だな」


ほう…ほうほうほうほう…それはそれは……ぜひとも、会ってみたいものだ。

邪神から生まれた神々を邪神系神々と略しました。そして今後、アセロラース、キュプロラース以外の邪神系神々の名前も出すことが確定しました。ついでにセラスやリディル王、信短や秀代、和将にも再会することが確定しました。大人になったセラスや心を入れ換えて王然としたリディル王、信短の種族についてや秀代と和将のなかなど、楽しみにお待ち下さい。星神話については今後も記述を足していこうかと思っています。

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