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運命に導かれるドジは運命を書き換える

うむ。やっぱ月の加護ってすごいね。もう生命体が生まれてるよ。といっても10億年先にいけばそりゃ生まれてるか。月も地球と同じくらいの大きさだから、なんか生命体生まれるかな。


「ウリエル、こいつらの情報、分かるか?」

「はい、ヴァーン様の近くならば分かりますよ。」

「すまんが教えてくれ…」


なんかウリエルばっかりに頼ってる感じが…申し訳ないな。


「主な生物は魚類です。地上には植物も生息していますが、すべてシダ科植物です。あと少し未来にいけば、おそらく陸上生物が存在してくるでしょう。どうしますか?」

「そうだな…未来にいくか。」

「了解です、ヴァーン様。」



「おっ、ウリエル!あれってやっぱ人類か!?」

「はい、そうですよ。これで、はれてヴァーン様は神への第一歩を踏み出したのです。」

「うぉっしゃ!この喜びを体現するには踊りしかないだろ!」

「どういう思考をしているのですか?」


ひとまず間違えてもこの星に尻尾を当てないように離れて踊る。この体じゃ回る位しかできないんだよな。楽しいからいいけど。

旋回旋回高速旋回角度を変えて旋回旋回高速旋回…


『ゴゴゴゴゴゴゴ…』


んーなんかBGMみたいなのが聞こえてきたぞ?OKもっとノリノリで!

旋回旋回高速旋回旋回旋回光速旋回…


「ヴァーン様?あの…ヴァーン様?少し気をつけてくださいね?ヴァーン様?聞こえてますか?」

「ふんふん♪くるっとターンして…せいっ!」


『カキーン!』


「ヴァーン様!?今の、わざとですか!?ヴァーン様?聞こえてますよね!?」

「ステップステップくるっとターンして…せいやっ!」

「…もう知りません!」


ん?なんか当たったけど…それにBGMがやけに背筋にくるんだけど、まぁオールOKということで!


しばらく踊り(回り)続けること3年。


「うーん、流石に飽きたかな。えっと、今は…もう3年経ってる!?いやぁ、神になってから時間の感覚が狂ってきたなぁ、星の状態をみてこよ~っと、ウリエル?」

「……」

「まぁいっか、たまには音信不通の時もあるでしょ。それにウリエルは俺に付きっきりってわけじゃないだろうし、ね。では出発!」


星に向かって宇宙を泳ぐ。


「ん?なんか…変形してないか?」


俺は星に向かう…が、なんか大量の隕石が落ちたようなクレーターが…認めたくないんだけど…


「ちょ!?なんでこんなことになってんの!?ちょっと、ウリエル?」

「はい、私は関知しません。」

「え?全知なんじゃないの?」

「はい、私は関知しません。」

「え、怒ってる?怒ってるよね?」

「はい、私は関知しません。」

「なんかわかんないけど…すいません。」

「はい、私は関知しません。」


『わからないなら謝らないでください。』


「…もう、自分で調べるよ?…過去の全事象観測…終了。座標、この星周辺…特定。時刻、3年前から現在、…完了、再生。…ええっと…ここだ。なになに?どっちから来たんだ?この流星群。というか流星群が俺の星に落ちるとか…実際に隕石落ちてきてたんだな。引力の問題か?変形した土地、元に戻しとこっと。で、これどっから来たんだ?ゆっくり巻き戻し…座標移動、この流星群を確認できるように常に座標移動。ふむふむ…なんか隕石の音以外にも雑音が…」


『ヒュヒュヒュヒュヒュヒュ…』


「…空気を切る音?えっと、この音の発生源が見えるように座標移動…完了。

なになに?うわ何この瑠璃色の球。本当になんだよこれ。…瑠璃色の飛行物体を解析…完了。えっと、これは…アルスヴァーン、と。…アルスヴァーン?え、俺?ちょっとタンマぁ!!」


『ゴゴゴゴゴゴゴ…』


「BGMだと思ってたのって、このでっかい隕石かよ!?」


『!んせまりしうも…』


「え?まって、逆再生。」


『…もう知りません!』


「あ、なるほどわかったぞ。これは全面的に俺が悪いって。再生。」


『?!ねよすまてえこき?まさンーァヴ?!かすでとざわ、のまい?!まさンーァヴ』


「逆再生。」


『ヴァーン様!?今の、わざとですか!?ヴァーン様?聞こえてますよね!?』


「俺はウリエルに感謝しないといけないよね。うん。ウリエル、本当にすみませんでした。」

「はぁ、もういいです。わかりました。」


ウリエルに面目が立たない…


「こちらも意地を張ってすいませんでした。では星に戻りましょうか。」

「はい、わかりました。」


もはや上下関係は反転。

星に降り立ち状況を見る…が、目も当てられないことになっていた。


「…まぁ状況はわかっていましたし、今さらどうということではないですが、ヴァーン様の不注意でこうなっているのですよ?みてください、この絶望した空気を。創造神なので、わかりますよね?」

「はい、わかります…いま治しますね…」

「へ?」


俺は力を込め、この星全体を覆うように広げる。


「ちょっとヴァーン様!やめてください!」

「ん?なんで?俺はこの星に力を…」

「それがいけないのです…ってもう!」


神が運命に逆らえないなんて…どうかしてるんじゃない?


「やはりこうなりますか…いいですか?ヴァーン様が動くとき、ほとんどの事象がヴァーン様の、いわゆる"ドジ"によって書き換えられるのです。そして影響は甚大なのですよ?視てください。苦しんでいる生命体がほとんどでしょう?」

「はい、すいませんでした。」


なんでこう、転ぶはずがないのに転ぶんだろう。何もないところで。


「これは運命が書き換えられた結果なので、過去にいっても覆りません。もう、これからは注意してください。」

「はい、すいませんでした。」

「とりあえず、ヴァーン様が与えた被害状況をみましょう。えっと、ペン、ペンペン、ペンはどこにありましたっけ。あ~っと、ありました。どうぞ、状況報告を。」

「なに?記録してるの?」

「はい、先程ヴァーン様は私が全知と仰りましたが、私は叡智です。記録して記憶するのですよ。そこから演算、また記録、記憶、の繰り返しです。そしてここを動かないならば私はヴァーン様周辺の情報しか知り得ません。なので、この星の裏側は視れないのです。」

「なるほど。だから状況報告か。」


ってか俺周辺のことはわかるんだな。


「えっと、とりあえずいまは苦しんでいる生物がほとんどで、それ以外は何もない。すこし力が強くなった人類がいるだけかな。」

「わかりました。では未来にいってください。」

「はいよ~。」


ゲートオープン!

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