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地母神の玉露

おとんでも記載しましたがこの話の前にあるはずの話を割り込みし忘れです…大変申し訳ありません

ミレイユが信短に運用方法を伝授している間、俺達は茶を立てていた。生前…地球では茶道もやっていて、先生からも教えることはもうないとまで言われていたほどなのだ。

聞けば秀代も和将も茶道に心得があるという。そんな話が出たことで信短とミレイユの話が終わるまでお茶の飲み比べをしようという事になったのだ。


「流石ですね」

「うむ、見事」

「お前らに言われるとな…」


俺は今人間の姿で茶を立てている。竜人の姿ではこれじゃない感があり、さらに茶を立てるのにも不便だったからだ。信短、秀代、和将は俺の正体を知っているため、人間の姿を見せても問題ないと判断した。何が問題なのかも分からないが。

今の俺の容姿は、ベースは地球での俺だが、そこに神がかった何かがあり、さらに髪の色は瑠璃色に、目の色は黒く、どこまでも深い漆黒となっていた。

人間になれたのかと同じ顔、同じタイミングで言い放った3人に吹いたのは2時間前のことだ。


秀代達の茶は熟練されたもので、基礎を完璧にこなしたヴァーンの茶よりも格段に上手い。ヴァーンの茶は、悪く言えば量産型。良くいえば堅実なのだが、秀代達の茶はさらに応用されたものがある。秀代の茶には優しい甘味があり、渋さは全く感じられない。和将の茶は雑な味に思えるが程よい渋さの中に深みがある。それぞれがそれぞれの個性を持った達人の茶と言えよう。だが。


「こ、これは」

「凄いな」


茶菓子については、ヴァーンが圧倒していると言ってもいい。輝かんばかりに艶めくその和菓子達は達人も目を見張るほどの流麗さを放っている…と自負している。

もちろん、秀代や和将も長き経験から達人の域を脱しているほどだ。しかしヴァーンはその秀代や和将をして、美しいと言わせるほどの技術を持っていたのだ。

秀代と和将の茶菓子を茶に合うように洗練された物だとするならば、ヴァーンの茶菓子は魅せるために洗練された物だと言える。茶菓子は所詮茶をたてるための物でしかないが、ヴァーンのそれは茶を喰っているほどなのだ。しかし、その茶菓子に合わさるのは秀代と和将の茶。その相乗効果は絶大だった。


「信短にも食べさせてやりたいが」

「私達だけこれを独占したいという気持ちもありますね」


茶を飲み終え、茶菓子を食べ終えた頃に丁度信短とミレイユが戻ってきた。

そこで秀代と和将は早速信短に自慢しにかかり、信短はそれを惜しいという顔をする。それを端から聞いていたミレイユは


「どれ、妾の茶を飲んでみるのじゃ」


と幼い姿のまま茶をたて始めた。緑色の和服を着たその姿は非常に様になっている。

生後10時間もしないのに、どこからそんな技術がくるのか、不思議なものだった。


「ほれ、飲んでみるのじゃ」


と差し出された茶をヴァーン達は息を飲んで、飲む。瞬間、なんとも言えない味、香りが口の中を、いや、脳を支配する。

俺は、その茶を解析してみた。


名称『地母神の玉露』

位『最高位』

種族『飲食物』

権限『美味しくなーれの祝福』


意味が分からない。一応、記憶の中から俺が作った茶も解析してみる。


名称『龍神(笑)の限界』

位『最高位』

種族『飲食物』

権限『基礎しかできない』


馬鹿にしているのか。この表示は、誰が決めているのか知らなければならない…が、俺のいまの権限ではそれが出来ないのだ。秀代と和将の茶も解析してみる。


名称『秀代の玉露』

位『最高位』

種族『飲食物』

権限『魅了:微』『筋力増強:微』『魔力増強:微強』『精力増強:微』『達人の茶』


名称『和将の玉露』

位『最高位』

種族『飲食物』

権限『魅了:微』『筋力増強:微強』『魔力増強:微』『精力増強:弱』『玄人の茶』


この違いはなんだとヴァーンは首を傾げるが、それはヴァーンだけの話だった。当然、信短、秀代、和将は権限の解析などできるわけもなく話は進む。


「上手いな。なんだこれは」

「体が浄化されていくような感覚がします。この万能感は…懐かしい」

「気力があふれでてくる」


体が浄化されていく、という言葉にはっ!と俺は秀代の権限を見てみる。


名前『豊村 秀代』

位『最高位』

種族『純血:アルヴフェアリルイクシス(???)』

権限『耐久力2』『耐性4』『筋力1』『話術7』『威圧6』『魅了10』『熱魔法3』『大地魔法5』『運動力魔法6』『万能魔法4』『孤独10』『恐怖8』『絶望9』『目利き』『農民』『天才9』『ヒーラー』『酒豪2』『上に立つもの』『魔女』『精格10』『神格1』『天下統一を成すもの』『転生者』『転性者』

特殊権限『祝福されし破壊者』『永劫の理解者を持つ者』『弔いを果たさんとする者』『妖精霊の王』『地母神の玉露を飲みし者』


表記が変わっている。『呪われし破壊者』…まぁ『呪われし墓医者』が、『祝福されし破壊者』に。『永劫の孤独者』が『永劫の理解者を持つ者』に。『復讐に囚われし者』が『弔いを果たさんとする者』に。そしてどれも大きく変わっているが、より際立って変わっているのが、文字化けしていた『@#!の王』が『妖精霊の王』へと変わって、さらに『地母神の玉露を飲みし者』を得ていることだろう。

マイナスだったものがプラスの意味に。そう、劇的に変わっていた。

人間の強い良い感情と共鳴した存在、精霊。その王になるはずの秀代が憎しみと復讐心に駆られていた。

それが、ミレイユの茶を、『地母神の玉露』を飲むことによって心が浄化され、人間の強い悪い感情と共鳴した存在、妖精の王ともなれる器となったのか。

精霊の王となる器が、妖精の王ともなれる器となる。

精霊の王となる器がなければ、妖精の王ともなれる器にはなれなかっただろう。

本来は認識できるものではない故に、関わることもない。

だが、これで秀代が救われるのは間違いなかった。

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