連行
お待たせしました!
30話
や…やっべぇ…やっべぇやっべぇ超やっべぇ…語彙力無くなるくらいにまじやっべぇ。と、とりあえず逃げよう。うん。それしか方法は―
「何者だ!ここが龍教リディル王国最高教会と知っての狼藉か!!」
ですよねーそうそう逃がしてくれませんよねー
「え、えっと…私は通りがかっただけで…」
苦し紛れの嘘!さぁてどこまで通じるか!
「まだ罪を重ねるか!貴様が地に伏せた瞬間に教会が吹き飛んだことを我は見ているのだぞ!」
ですよね~対応はやかったですもんね~
「見間違いでは…」
「愚弄するか!お前ら、引っ捕らえるぞ!!」
あ、やべっ―
逃げようとする前に5人くらいの屈強な竜人に囲まれ、取り押さえられる。抵抗むなしく、アヴくん共々お縄につきました。
「家畜風情が!!最高位で万物の原初であらせられるこのお方が龍神ア―」
「アヴくんお黙りっ!言っていい状況と言っちゃ悪い状況があってでね!?」
アヴくんが激昂し叫ぶのを遮るが、しかし、遅い。アヴくんの言葉を聞いた兵士?は怒りをあらわにし、剣を抜いた。
「どこまでも罪深きやつらだな…神を奉る教会を破壊した上に、さらに神を驕るか!!」
ここで神は奉って欲しいと一言も言ってないんだけど?とか言って龍神形態になれたら気持ちいいんだろうなぁやんないけど。
「貴様ら…ここで処分する!」
そして剣を抜いた兵士。アヴくんも俺も刃が通ることはないが、それでもアヴくんに刃を突きつけられたくない。仕方がない、転移して…と思ったとき、人影が。
「やめろ。」
その太い声だけですべての兵士の剣が止まる。その声の主は、壊れた教会の瓦礫を担いでいる、身長3m、筋肉もりもりの竜人だった。
「す、すみませんギュンム兵士長!しかし、我らが神を愚弄した上に自らが龍神だと驕った罪は重く…」
「お前ら、もっと考えたらどうだ?」
ギュンムと呼ばれた竜人は担いでいた瓦礫を邪魔にならない所に置き、はぁ、とため息を吐く。
「教会には下手な賊が入ろうとすれば即座に警鈴が鳴り、中位竜の攻撃にも耐えられるような結界が国中を使いこの教会に張ってある。そのような建物を破壊できるほどの力の持ち主だぞ?お前らなんか一瞬で殺られていただろう。それに、神を驕るなどというのは竜人なら子供でもあり得ない。よほど力と自信があり自身が神だと勘違いしたか、本当に神か神の子で神から信託があったのか。教会を破壊したことでどっちにも可能性はあるだろう。」
はいお見事!神で、一緒に神の子もいますよ~
「お前らもどうせ抜け出せるんだからいつまでも縄についていなくてもいいだろう?」
ほら、はやく縄取れよ自分で。というような目を向けてくるギュンムさん。うん、いや、自分で俺が神の可能性もあるって言ってたのにそんな目を向けてもいいんですかね?まぁ神ですけども。
「えー、それで、どうしましょうかね?」
とりあえず敵意はないよーということで手を上げる。ギュンムは訝しげな目をしながらも、俺たちの今後を語る。
「俺たちに判断はできない。とりあえず王に謁見し、指示を仰げ。」
「き―」
「はいはいお黙りしましょうねー」
アヴくんがまた暴走しそうになるが、俺はさせまいとアヴくんの口のなかに亜空間に保管してあったアイスをぶちこむ。おそらく、貴様ら!蜥蜴風情の基準で王等とのたまい、果てには龍神アルスであらせられるこの方を裁くとぬかすか!!とかなんとか言おうとしたのだろう。しかし、男の子は食べ物あげてればだいたい黙る。
「とりあえず詰所までついてきてくれるか。」
ギュンムはこちらの扱いを迷っている様子。おとなしくついていこう。
…えー、現在、俺は闘技場?的な場所でリディル王国の王、ヘイルヴァウパー・シンセ=リディルと相対しています。なぜこんなことになったかと言うと、俺が喧嘩を売ったからです。
「貴様がヴァーン、最高教会を破壊した輩か?」
「はいそうです。」
「貴様は自らを龍神だと驕ったそうだな。」
「はいそうです。」
「きさ―」
「はいそうです。」
「……もういい、話に聞く限り、中位竜ほどの力を持った竜人なんだろう?良い血を持っているはずだ。明朝、我らが聖地が上空を通過する時にこいつの首も同時に捧げよ。場はボロックス。贄も同時に捧げる。祭壇の準備を即刻行え。」
そう言ったシンセさんを
「腑抜けが。臆病者め。」
「何?」
「処断するなら自身の手でしろ。人間が怖くて近づけないのか?俺の力が恐ろしくて近づけないのか?」
「…良かろう。我が直々に手を下してやる。」
そう言って挑発したのです。通路で生け贄?たちと合流したとき、セラスがめっちゃこっちみてました。それに、アヴくんにはおとなしくするようにと言い聞かせておいたのですが、何をしたのでしょう。両足を縛られて吊るされております―というのがさっきまでの状況。いまはさっきも言った通り、闘技場的な場所で俺たちは相対し、観客席?にはおそらく聖歌隊であろう集団がいる。空は徐々に暗くなってきているし、もうすぐ時間が来るようだ。―




