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幼龍アヴェスト

いつから3月更新が終わりだと錯覚していた?


切りが悪かったので2話分を統合しました。よさげなところで引きを狙う常套手段ですね。


久しぶりのドジですが、裏では結構なドジを連発しています。

「ふぅ。アヴくんには悪いが気がやすまらんでな。」


と理由をつけて逃げてきた俺。しかし、以前よりも転移の精度が良くなったのは気のせいではないだろう。今回は20mほどの差しかない。さて、と周囲を見回すと、いつもより多い人が見える。


これも生け贄の儀式のせいかね。さーてはてさてさてはて。生け贄の儀式、ドレークは王城の地下の祭壇でやると言っていたが…王城を解析した結果、地下には緊急用脱出通路しかない。要は何かあったときの逃げ道だな。しかしその通路はいくつもの道に別れていて、5つの教会に繋がっているのもある。おそらくその5つの教会のうちのどこかで生け贄の儀式をやるんだろうな。生け贄の儀式を別のところでやるということは住民は知っているんだろうか。というか、生け贄の儀式があることをアヴくんは知っているんだろうか。知らなかったら知らなかったで可哀想だし、一応きいてみるか。ということで転移。


転移した先は先ほどまでいた神殿の20階。後ろを向いているアヴくんは俺に気づいたのか、嬉しそうな顔で振り向いてくる。


「お父さん!帰ってきてくれたのですね!」


だが残念。俺はその期待に応えられそうにない。


「すまんな。聞きたいことがあっただけだ。」

「そう…です…か。それは?」


目に見えて落ち込んでくアヴくん。やばいちょっとかわいい。


「リディル王国は知っているか?」

「はい。生まれる時にある程度の知識は。」


なにその便利機能ほしい。


「あぁ。そのリディル王国の上にこの浮遊大陸が通過する時、清き女の首を捧げればこの浮遊大陸に誘われると広まっていてな。」


と、アヴくんに下界のさまざまな状況を伝え終わったとき。


「なんとはた迷惑な。家畜風情が同族の認識内ですこし血が綺麗なくらいの同族の首を捧げたくらいでこのアヴールトーランに誘うとでも?図に乗るなよ家畜の分際で…!!」


と豹変。俺、すごくびっくり。というかこの浮遊大陸、アヴールトーランっていうんだ…なんだか、アヴールトーラン!全砲一斉射撃!!とかなんとか言って弾幕張りそう。よし、温度差が激しいアヴくんをちょっとからかってみよう。


「うん。俺、その家畜風情を助けにいこうとしてるんだけどね?」


それを聞いたアヴくんはみるみるうちに泣きそうな顔になっていきます。かわいいです。ってあれ?この世の終わりみたいな蒼白な顔…って、死にそうな顔!?


「ご、ごごごごごめんなさい!!この無礼は僕の命でもってぇぇぇぇぇ!!!」


そう言って自分の首を腕翼で締めるアヴくん。それをみて焦る俺。


「まって!?悪ノリが過ぎた!っていうか龍種が死ねないって知ってる!?」


はっ!?一生の不覚…この無礼、どう晴らさでおくべきか…むむむと唸るアヴくん。そんなアヴくんに下界の良さを知ってもらおうと俺は1つ提案。


「アヴくんも一緒に下界に降りてみる?」


その提案に反応し、パァァァァと輝く顔。やばい。かわいい。


「はいっ!お父さんと一緒ならたとえどぶの中家畜の世界でも楽園ですっ!」

「うん。俺、どぶのような家畜の世界で暮らしてるんだ。」

「ごめんなさいいいぃぃぃぃぃ!!この無礼、僕の全魔力喪失による存在の消失でもってぇぇぇぇぇ!!!

「それ、アヴくんがここにいるってことが死ねてない証明だからね?」


はっ!?おのれ不死…いずれお前を越えてやるからな…むむむと唸るアヴくん。やばいかわいい。




『へぇ~ここが下界ですか。お父さんの暮らしている世界はどこでも楽園だと思いますが、ここは本当に楽園のようですね~』


これはお世辞でも建前でもなく、本心からの感想だろう。ちなみに、アヴくんはいま俺のペットに見えるように俺が創造しておいた首輪型念話装置をつけている。その首輪がついている細くて長い首が(せわ)しなく動いているのを微笑ましく眺めていると、ある一点で止まったのにいち早く気づけた。


「どうしたんだ?アヴくん。」

『いえ、あれはなにかなと。』


アヴくんの首が向いている方を見ると、コーンの上に渦巻き状の物がのっているのを美味しそうに食べている通行人がいた。言わずもがな、ソフトクリームだ。


「あれは焼き菓子の上に家畜の(モルテ)から採った牛乳(モロク)を甘くし空気と一緒に冷やして固めて、渦巻き状にのせた美味しい物だ。食べてみる?」

『えっ、あっ…家畜の家畜の…うぅ…でもお父さんが美味しい物だと…た、たべます!』

「よしわかった。」


まずはその人類=家畜という認識を改めないといけないな。


俺は近くで発見したソフトクリーム屋に駆け寄る。


「店員さーん、モロク味1つくださーい。」

「はーい。2ウェイズになりまーす。」


俺は懐から2ウェイズを取り出し、店員が盛り付けたソフトクリームと交換してすこし離れたところに移動する。


「ソフトクリームだ。」


ごくり。と動くアヴくんの喉。一度俺の顔をみて意を決したのか大きな一口で俺の手ごとばくり。そんなおちゃめなアヴくんもかわいいぞ~


『ご、ごめんなさ―お、おいしい!』

「うむうむ。」


アヴくんがもぐもぐと口を動かし目を細める。そんなアヴくんがかわいいので俺はもう1つ買ってあげることにした。


『ありがとうございますお父さん!』


アヴくんの笑顔が見れるんだったらいくらでもかってやるぜ!!


と意気込んだは良いものの、結局アヴくんはお店にあったソフトクリームを全種類制覇するどころか在庫切れするまで食べきったのだった。10回ごろまではまたですかとあきれた顔をしていた店員も在庫切れ寸前までいくと処分する分も食べていただけますかと渡してくる始末。おかげで100個以上買うことになった。しかも全部アヴくんが食べきったときた。どこにそんな容量があるのかと不思議に思ったが、そこは龍種。特に空間系特化の天龍は無尽蔵の胃袋を持っているのだろう。




『ふぅ、いっぱい食べました。あ、僕1人だけで食べてしまってごめんなさい…』

「いやいや結構。俺も俺でお腹いっぱいだからさ。」

『…?そうですか?』


主にアヴくんの笑顔で。さて、次はどうするかな。アヴくんとの繋がりを造って地上に降りた時は朝の8時。今は10時と2時間経っている。


「そんじゃ、お昼にはまだ時間があるし明日の目的の教会へ向かうとしますか。」

『はい!』


ふんすふんすと意気込むアヴくん。いや、そんなに身構えても大したことはないけど…


まずは1つめの教会に到着。だがハズレだ。内部の状況を見るに、司教や信者達も全員いなく、もぬけの殻。おそらく本命のところにいるんだろう。次。


2つめの教会ももぬけの殻。状況は1つめと大して変わりはない。次。


3つめの教会もハズレ。あと2つのうちどっちかだな。次。


4つめの教会には人がたくさん。最後の教会まで回らなくいけなくなるのかと思っていたが、4つめの教会で目的を達成することができた。


『目的地はここですか?』


とアヴくんが聞いてくる。教会巡りの間にいろいろ食べ物を買ってあげていたからな。もう食べられないのかと心配しているんだろう。ちなみに、今日のアヴくんだけで300ウェイズ使った。


「そうそう。で、明日の目的地でもある。」

『そうですか。一応内部も見ておいた方がいいのでは?』


と、アヴくんが首を捻りながらきいてくる。解析はしているが、直に見るのとは違うのだろう。俺はアヴくんの提案に乗ることにした。


―俺は忘れていた。俺がなんのために力を分割していたのかを。俺は忘れていた。俺がなぜ家族ごと龍種に転生できたのかを。俺は忘れていた。俺の体質は前の世界でどれ程の物だったのかを。俺は忘れていた。自分が―


「そうだな。知るのと見るのとは全然違うっていうし。」


俺は7段ある階段を1段、1段と上がる。


「ほら、百聞は一見にしかずって格言もあってだ―」

『あっ』


―正真正銘のドジだということを。


「あ、やべっ」


ぐるぐると回る世界にドガシャァァァァァン!!という音が大きく鳴った。

リカ学生活でも記載しましたが、このままだと1年で24話しか更新できないので時間があれば更新していきます。

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