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ヒモ計画遂行

28話


「えーお初です。父さん。」


今目の前にいるドラゴン(・・・・)はそのまんまの容姿で全長30cmくらいに縮んだ姿だ。


「えーっと…まずは何から話したらいいですか?」


いや、そんな事言われても…俺も状況がわかっていないし、そもそも目の前の神々しいドラゴン(?)がナニモノかもわからない。じゃぁまずはナニモノかを聞こうか。


「お前はなんなんだ?それにお父さんって?」


聞かれたドラゴンは、深く考えずに答えた。おそらく聞かれても答えられる準備があったのだろう。


「そうですね…僕はお父さんの力に意思を持たせた存在…いわゆる子供っぽいものですね。僕は天龍(・・)。天龍アヴェスト・ジ・ユレイナス。長いのでアヴと呼んでください。あと、僕のことは空間特化の龍と思っていただければ。」


ほう。要は俺の龍玉の力をあの卵が取り込み、それが生まれたのがこの天龍ということか。うん。いや、俺の力は?


「俺の力は戻らないの?」


と聞くと、アヴは悲しそうな、申し訳なさそうな顔をした。その表情だけで俺への答えが分かることだろう。


「すみません…お父さんの力は僕として確立してしまったので、返せないのです…本当にすみません。」


うん…いや、そんな悲しそうな顔でキュゥって泣いて謝られると許したくなっちゃうでしょ?いや、俺の子供ということだし、許すけどさ。ほら、破壊力がちがうわけじゃん?だからやめてほしい。


「うん。いや、怒ってないよ?でも少しだけつながれば力を俺にほんの少しでも流すことはできないかな?」


ふっふっふ。ヒモ計画。ここで発動!!前の世界で計画していた計画だが、当初はヒモ計画などではなく、楽々大儲け大計画だったのだが、いまここでヒモ計画に変更した。概要は簡単。投資への投資だ。先ずは1億くらい貯めて、ネットで複数人の条件にあった投資家を募集。契約書を書かせ、500万円の頭金を渡し、一番儲けたやつに渡す金を増やしお互いに競わせてくという寸法だ。もちろん、相手側にもメリットがあるように、儲かった額の1割をこちらに返還しさえすれば、あとは好きにして良いと契約書に書いてある。と同時に、気軽に失敗できないようにと頭金の保管、乱用をされないために渡した金がなくなり次第全財産を我が家に引き渡し、俺が経営する会社の社員に一生涯なってもらうという契約と、月に20万の返還がなければ法的措置を取るという契約が契約書に書いてある。と準備したのはいいが行動に移す前にお陀仏して龍に転生したので、この計画は遂行されなかったのだ。しかし、今の状況は似ている。金を俺の力に見立てれば、まだ生まれるとは限らないが上手くいけば合計7つの龍のヒモになれる。そう言えば俺の財産はどうなったのだろうか。きちんと、万が一にと書いておいた遺書通りに進んでいるだろうか。


「う~ん…少しなら出来るかもしれないです。時間をもらってもいいですか?そうですね…2日ちょっとでしょうか。」

「うん。長い。けどまぁいいでしょう。俺は優しいパパだからな。」

「はいっ!」


生け贄の儀式にはまだ時間があるはずだ。それまでに準備しておくに越したことはない。




はーい2日が経ちました!!暇すぎてどうしようもなかったですが、アヴくんはむむむ…と一生懸命な様子だったので動こうとも動けず、仕方なくずーっと座ってました。はい。頭がおかしくなるくらいに。暇すぎてちょっとした物を創造してました。それがこの


「てれれてってれ~!腕に装着する系の龍玉に向けて針が自動で向く装置~」


です。はい。完全にみなさんお馴染みのあれですね。いろいろと不味いのでぐしゃり。はい。この通り粉々にしたのでなににも抵触してませんよー…え?なに?7つの龍玉集める時点で危ない?いやいや。こっちは自分の力取り戻そうとしてるだけだし。願い事なんて自分で叶えられる…時があったし。……いや、そう考えるとやっぱりあれか?願い事を叶えるために龍玉(自分の力だけど)を7つ集めてるって考えられるのか?しかし著作権も現実でその環境に置かれたら効くのかってなると疑問だよな。まぁここ異世界だし。別世界のことを物語にした作品は関係ないよな。




……うん。4日が経ちました。泣きそうな顔をして頑張って集中しているアヴくんをみてるとどうにも怒れなく、責めるに責められなかったんだけど。だからまぁ暇だったし、実用的なの創造してみた。それがこの


「腕時計型携帯電話~」


です。はい。あれですね。まぁ創造するのに概念組んで形にして、っていうのやんないとだから、元があるためか理論は簡単だったんだけど概念組むのと形にするのに1日ずつかかったくらい。これを複製すれば腕時計型携帯電話の出来上がり!


と頑張っているアヴくんをおいて1人で遊んでいると、力がみなぎってくるような感覚がした。


「はぁ…はぁ…ど、どうですか?お父さん。」

「うん。時間はかかったけど成果はあったんだね?」

「はい…結構太いパイプを造ることができました…僕から溢れ出る魔力を集め、お父さんに送るというつながりを造ることができたので繋げようとしてみたは良いものの、魂と魂を繋ぐのに時間がかかってしまって…同じ世界の存在なら魂の本も同じはずなので簡単だったはずなのですが。」


はい。俺が転生者だったのが原因ですねわかります。まぁ怒るつもりもなかったけど原因が俺にあるとわかったんだから褒めてやらんとな。


「ありがとな。これで用事を済ませられる。それじゃ、行ってくるからまたな。それと、お前の図体で飛んじゃアルヴテリアに被害が及ぶからさっきの図体の4分の1くらいの図体で外に出てな。」

「もう…いっちゃうのですか?」


うっ…そんなつぶらな瞳で見られてもなびかんぞ!……香奈ぁ~助けてくれぇ~


「うっ…こっちは人の命が懸かっているんだ。早くいかんと不味い。そんじゃな!」


と、逃げるようにしてリディル王国王城付近へ転移するのであった。


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