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神誕生

目を開けるとそこは荒れた大地…などではなく真っ黒な世界だった。

ん?ここはどこだ?太陽がないから銀河系か?よくわからんが宇宙だな。あれ。そういえば宇宙空間じゃ息できねぇじゃん!それに肺に空気ためてたら破裂する!

急いで息を吐き出そうとする俺だが生まれたのがここじゃ空気すらないじゃんと気づく。そして息をする必要があるのかと疑問に思う。

すると脳内に声が聞こえてきた。


「―様…龍神様!やっとつながりました。気分はどうですか?体に異常はありませんか?」


龍神って誰だ?と思い、辺りを見回す。


「なにしているのですか?龍神様。辺りには誰もいませんよ。」


ということは俺が龍神か。龍神…龍神!?


「そうですよ。龍神です。体を見てください。」


といわれて体を見る。

銀河の光を反射する瑠璃色の鱗。10光年はあるかというほどの長い体。というかよく10光年先も見えるな。気分はそうだな。すごく楽しい。


「体に異常はないよ。それにいますごく楽しい。」

「それはよかったです。」


うん。そろそろ尻尾で遊ぶのやめようかな。

そういえばこの声ってなんだろう。


「あなたは誰?ここはどこ?」

「私はウリエルです。叡智を司りますのでわからないことがありましたらお聞きください。この度は、龍神様の補佐をさせていただきます。神位は6で、天使では最上位です。これからよろしくお願いしますね、龍神様。」


なんか可愛い。大分機械的な声だが、感情を感じられる。しっかりした先輩のような後輩をもった気分だ。

しかし龍神様か。そこでふと疑問に思う。


「神位?なんなの?それ。」

「神位とは文字通り神の位です。最高の位が1、最低の位が10、5以上が神々と呼ばれる方々で、6以下が天使と呼ばれる者です。位によって権限が違ってきます。そして位が低いものは高いものの言うことは正しければ聞かないといけません。ちなみに、神位とは別に種族位というのも存在します。」


なるほど。

ではここはどこかもう一度聞こうか。


「ここはどこ?」

「ここは龍神様が住んでいた世界のパラレルワールド、平行世界、異次元ともいうところですかね。」


へ~。

あ、やばい尻尾が動いてしまう。して、沙梛と香菜はどうしたんだろ。


「俺の嫁と娘は?」

「未来にいますよ。この世界の全ての可能性の先に。」


可能性?


「可能性って?」

「龍神様が行う可能性の先の全てです。運命といってもいいですよ。たとえば龍神様が世界を創造しなくても龍神様の奥様は龍がいない平行世界にある"龍"という概念が龍へと変わり、生まれます。そしてその平行世界は龍がいないので違う平行世界にとばされ、その行き先がこの世界となります。」


へ~神ってすごいな。

それにしても龍神様って堅苦しいな。なんて呼ばせよう。お兄ちゃん?お父さん?お父さんは香奈がいるからないとして。

そういえば俺の龍神の名前ってなんだろ。


「俺の龍神の名前ってなに?」

「アルスヴァーン・ラピスラズリ・ブラックウィステリアです」


長いな。

アルスかヴァーンどっちがいいかな。うーん。ヴァーンで。


「龍神様って堅苦しいからヴァーンって呼んで。で、さっきの話だと俺って星とか創造できるの?」

「はい、できますよヴァーン様。」


へ~じゃぁ作ろかな。


「じゃぁつくるかな。」

「了解ですヴァーン様。ではまずは太陽を作りますね。炎は神の炎も司る私がいるので問題ありません。お力を少し貸していただければすぐに作りますので。」


とほんの少しだけ抜ける力。

すると目の前にすごく小さい太陽が。あ、そりゃそうか。俺って今スッゴクおっきいんだよね。というか太陽を直視できるってどんな目をしているんだ?鏡とかないかな。


「鏡作れない?」

「可能です。鏡という概念にどのようなことが出来るかを思い浮かべて念じてみてください。」


言われた通りに念じてみる。

すると目の前に大きな鏡があった。そこにうつっているのは、目。目だけ。というか俺大きすぎる!


「体って縮められないの?」

「可能ですよヴァーン様。これもまた念じてみてください。」


少しだけ笑ったような声だった。

言われた通りに体を縮めようとする。

うーん人間でいうと176センチってこんくらいだったかな…。

突然視界が遠ざかった。俺は先ほどの鏡で自分の体を見る。そこにいたのは…人間だった。


「あれ。これ人間だったころの俺じゃん。どうなってるの?」

「念じた時に何を念じましたか?」

「えーと、人間だったころの俺の身長です。」

「それでしたらヴァーン様の体がDNAをもとに人間だったころの肉体の記憶を再現したのです。」


まじか。だったら人間にもなれるじゃん。けどそれも必要な時以外はいいかな。

体を龍に戻し、かつ体長を176センチにした俺をみた。

どんな光さえも吸い込んでしまいそうな漆黒の目。鱗の色は瑠璃。角はなく、変わりに尖った鱗が二本伸びている。あ、これ角かも。尻尾は惑星(ほし)を真っ二つにしそうな剣状に伸びた鱗がある。翼は腕と一体化していないので折り畳みできるな。腕は太く、脚と似ている。というか4本足なんじゃないのか?これ。指は五本で酸素が必要ないから心臓がない。これを巨大化したのが本来の姿か。

さて、では惑星(ほし)作り再開しますか。

2019/1/12修正

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