冒険者登録
祝、ブックマーク数1人です!これまでの人生でこれほど喜んだことがあったでしょうか…読者の皆様、読んでくださりありがとうございます。
「ひゃっほう!」
「これ、気持ちいいわね!」
現在疾走中です。セラスは宙に浮かせて俺のスピードで移動している。ちょっと遠慮して全速力ではないが、まぁ人間からしたら速いだろ。
「ねぇヴァーン、これどうやってるの?風も気持ちいいくらいにしか来ないし。」
「普通に走ってるだけだぞ?風はさっきの運動力魔法の応用だ。」
「こんなこともできるのね。いい体験だわ。」
「そりゃどうも。」
走ること30分ちょっと。え?遅くないかって?そりゃ後ろに女性がいるんだもん。30Kmを30分だと車くらいだろ?十分だ。
「しっかしなんで竜の王国へ?」
「え?なにかしら?」
「いや、なんでもない。」
今は深く考えないでおこう。楽しそうにしてるしな。
「すごい!本当に二週間の道をちょっとの時間で…二週間遊べるわ!ねぇヴァーン、二週間だけ付き合ってくれない?」
「別にいいが…金ないぞ?」
「その竜の依頼を達成してきなさいよ。竜だから相当な報酬があるはずよ。」
「おれにおごらせる気満々なんだな…」
「仕方ないじゃない。今はお金、もってないんだし。」
「それじゃ、報告してくるぞ。」
「あっまって、一緒に行ってもいいかしら?」
「別にいいけど。」
一人でいたらはぐれる可能性もあるもんな。
「ついたぞ。」
「へぇ~けっこう大きいのね。それにしても貴方、その竜浮かしたままでいいの?町の住人がすごく怯えた目で貴方をみているけれど…」
「あ、気付かなかった。」
「思っていたよりドジなのね。」
ここでもドジが効いているのか…
「受付員さーん。」
「ヴァーン様!?お帰りです。正直もう帰ってこないと思っていました。諦めて帰ってきたのですね。」
「ん?何を諦めたって?」
「はい?低位竜討伐ですよ。」
「あぁ、それならそこにおいてあるよ。」
「え?しょ、少々お待ち下さい。」
受付員さん、急いででていっちゃった。
「ねぇヴァーン、どういうこと?」
「あぁ、俺、まだ冒険者じゃないんだ。」
「うそ!?あんなに強いのに?」
「あぁ、最近まで遠いところにいたからな。」
「そうだったわね。」
「きゃぁ!」
「ん?どうしたんだ?」
「それなら大体予想がつくわ。だって綺麗なままの竜がそこにいるんですもの。」
そんなに危険なやつなのか?
「ギ、ギルド長を呼んできます!これは私の手に終えません。」
おいおいマジかよ…なんて声がそこかしこから聞こえるんだけど…なにかやったか?
しばし待つこと5分くらい。
「君がヴァーンかね?そちらの人種の女性は?」
「俺の連れです。」
「そうか。そちらの連れさんも来るといい。」
「わかりましたわ。」
連れてこられたのは冒険者ギルド最上階の奥の部屋。いかにもな感じだ。
「あの、それで、なにか問題がありましたか?」
「あぁ、あるとも。なにせ冒険者にもなっていない者が試験段階で低位竜を討伐をしたあげく、ほぼそのままの形で持ってきたのだから。」
「それのどこに問題が?」
『いや、問題ありすぎでしょう。なによ、低位竜討伐をそこらへんにいるスライム討伐やエント討伐と同じような反応をして。常識外れって怖いわ。』
「問題があるからおこしいただいたのです。普通、低位竜はBランク冒険者、Aランクパーティーにあがるための試験モンスターです。Bランク冒険者の方ですと低位竜の素材採取、これは爪や鱗などで、Aランクパーティーですと討伐になります。これを冒険者にもなっていない貴方が討伐…これを問題と言わず、なんと言うのですかな?」
「普通にEランクにすればよくない?」
「なっ」
「何をおっしゃられるので?それでは竜を討伐した強者を騙してランクEから始めさせたとの外聞が広がりますし、そもそも私たちのプライドが許しません。」
「えっ、じゃぁどうするの?俺は別になんでもいいけど。」
「ちょっとヴァーン!?それは非常識過ぎるわ!あ、いきなり大声出してすみません…ヴァーン、貴方、冒険者のランクで稼ぎが変わるのよ?ド田舎からでてきたばかりの貴方だから言わせてもらうけど、それじゃギルド長も困るの!クビになっちゃうのよ。」
「あ、そうなの。ならそっちの出来る限りのことで。」
「いいのですか?」
「ええ。」
「了解しました。では本部に知らせますので少々お待ち下さい。」
…本部?
『ウリエル、この世界に電話みたいなのってあるの?伝書鳩みたいなのかな?』
『いえ、電話のようなもの、で正解です。詳しくはヴァーン様の刻印を使う魔法での遠距離会話です。』
『やっぱ便利だな。刻印。』
『はい、対になる刻印を送信者と受信者が持ちます。刻印に魔力を注入する間、刻印が送信者の空気の振動、声を受け、それを受信者の刻印に転送、受信者の刻印が転送された声音をそのまま発するというものです。』
『えっと…ごめん、簡単に。』
『一方の刻印が声を受け、それをもう一方の刻印が発するということです。』
『なるほど…それって、空間を短縮してない?』
『そうとも言えますね。』
疑似的に空縮をしているわけだ。これは軍事に使われるだろう。
「お待たせました。本部からは特例で準Aランク冒険者になってもらえ、とのことです。下に降りて登録をしてください。」
「わかりました。」
下に降りて受付員の前にいく。準Aランク冒険者へは、ギルド長からもらった書類を受付員さんに渡せばなれる…とのこと。
「ギルド長とのお話はすみましたか?」
「はい、冒険者登録するときにこの書類を渡せと。」
「承りました。では拝見させていただきますね。」
ギルド長から渡された書類を受付員さんに渡す。
「え~っと、ギルド本部からの特例で、準Aランク冒険者として冒険者登録をしろ…ですか。」
「あまり驚かないのですね。」
「先程竜人生で一番驚いたので。あれ以上の驚きはそうないとおもいます。」
ほぅ…目の前にいるのが神、それも創造神だとしても?って聞きたい!
「では発行いたします。少々お待ち下さい。」
冒険者って、どうやって判別するんだろ…と思っていたが、受付員さんが文字が刻んである板をもってきた。
「ここに血を垂らしてください。血液から貴方の情報を読み取ります。入国するときに渡されたものと同じです。」
さて…これが面倒くさい。そも俺には酸素や栄養は必要ないから酸素や栄養を循環させるための血液も必要がない。よってこの手の類いはわざわざ自分のDNAを赤い液体にして差し出さないといけない。しかしいまの血液を差し出したんじゃ龍神と反応するか反応が強すぎて板が蒸発するかだ。入国のときは龍神の力を分割する前だったから3秒ほどでできたが、逆に言えば龍神の時でさえ3秒だ。やっぱり自分のことを読み取るのは難しいようだな。
「すいません、針はありますか?」
「えぇ、少々お待ち下さい。」
今回は受付員さんに感謝しよう。この間に、入国するときに使ったデータを複製、血にしてそれを皮のすぐ裏を覆うようにして流す。
「はい、どうぞ。」
「すいません、ありがとうございます。」
「いえいえ、謝らなくても。こちらこそご配慮が足らず申し訳ございません。」
『プスッ』
という効果音を意図的に出す俺。俺の皮膚を貫通できる針なんてないから、わざわざ自分で開けないといけない。そして音を出さないといけない理由は、目の前の図太い針にある。竜人の皮は厚いから、針で穴を開けるには図太くないといけないし、穴をあけるときに音が出る。
「はい、これで完了です。これを冒険者ギルドに提出することで所持しているウェイズを冒険者ギルドに預けることができます。」
「はい、いろいろとありがとうございました。」
「いえ、こちらこそ冒険者ギルドに勤めて長くないので至らないところがありました。勉強になったので、ありがとうございます。」
「では。」
よし、冒険者にもなったし、セラスをエスコートするか。




