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7つの卵

ん?なんか落ちてくる…って、卵!?


「ヴァーン様、あれを傷つけずに取ってください。」

「了解。」


ウリエルが言うんだから間違いはないし、疑わない。こういう時は、ね。


地を蹴って加速。


おっと危ない。ギリギリだ。もう少し遅れていたら落とすところだった。


「ヴァーン様、それを圧縮して身の回りにおいておいてくださいね。」

「わかった。けど、圧縮なんてしていいのか?」

「間違っても卵を圧縮しないでくださいね?空間を圧縮してください。」


なにそれどうやるの?


「どうや「念じるのです」…あ、はい。」


なんて言われてもなぁ。とりあえずやってみるか。ちなみに卵は7つある。そういえば瑠璃玉と同じ数だな。


「ヴァーン様、神々にとっての望みは世界の理となります。ですからどうやる、といわれても念じるのですとしか答えられないのです。」

「なるほど。了解した。要はこうなって欲しいなっておもいながら事象を起こそうとすると世界が改変されるんだね。」


ならこれからはウリエルにどうやるっていうのはやめるか。


「はい、しかしそれは自身が創造した世界のみであり、他の神々、つまり自身で創造していない世界の場合は干渉権がないので自身の力しか使えません。」

「つまり他の世界にいったら念じるだけじゃダメってことか。」

「そうですね。」


なるほどね。干渉権か。それって略奪されるのかな…


「世界の干渉権は略奪か委譲できる?」

「略奪はほぼ無理です。委譲は可能ですよ。例えるなら世界を鳥の雛として、初めにみて親だと思い込んだのが創造神、雛は親以外からは餌をもらわない。しかしもう片方の親からは貰うという感じです。」

「分かりにくいです…」

「異常なほど力が強い5歳児の母親が創造神、誘拐犯が略奪者、親戚のおじさんおばさんが委譲者でわかりますか?」

「う、うん。なんとなく。」


略奪、一応はできるってわけか。5歳児より強いなら、誘拐犯は5歳児を殺すことも脅すこともできる。なら略奪されないほうが絶対いいよな。


「で、圧縮したけどこれ、もってればいいの?」

「はい。いつかその卵から世界に影響のある生物が生まれますよ。」

「7体?」

「いえ、そうとは限りません。1体かもしれませんし、双子かもしれません。」


0ではないんだ…


「って、卵から双子?」

「はい。その卵はヴァーン様に触れたことによって通常の卵ではなくなりました。ヴァーン様以外には割ることもできません。」


なにその俺に触れると祟りがおきるみたいなノリ。っていうか俺なら割れるんだね…割らないようにそれぞれ瑠璃玉に入れとこ。


瑠璃玉に染み込ませるように卵を入れる。


うまくいったようだな。どうやったのかって?説明すると、瑠璃玉は俺の力だ。俺の力なんだから形も変えられる。だから卵がぴったりはまるような穴を瑠璃玉の中心まで空ければ卵はうまく瑠璃玉の中心に入るって訳だ。はたからだと染み込んでるように見えるかな。


「ヴァーン様。」


ん?まだなにかあるのか?


「何?」

「2分経過です。」

「まだ続いてたの!?」


なかなかにえげつない性格してるよな、ウリエル。まさか障害物競争みたいに卵をとりながらも走り続けろって意味だったのか?


「きゃぁ!」

「おっとぉ、危ないぜお嬢さん。」

「もう、なんなの?今日は。さっきも同じようなことがあったし…」

「…それは…不運なことですね。」


内心申し訳なく思う俺であった。


「というか貴方、後ろある大きいやつ、なに?」

「あぁ、これ?竜だよ。」

「え?」


丸めていた竜を全身を広げるような形にする。


「ひゃ、ひゃぁ!竜!?なんで竜がここにいるの!」

「え?そりゃ、俺が倒したからだよ。」

「じゃぁなんでそんなに死体がきれいなのよ!それに浮いてる理由もわかんない!」

「脳みそか心臓を一突きにして、風魔法の応用で浮かせてるだけだけど?」

「嘘よ!だって竜の頭と胸は鱗で一突きになんてできっこないし、風魔法は風を起こして涼んだり走りを速くするだけの魔法のはずよ?」


風魔法もとい、運動力魔法、不憫なつかいかたされてるなぁ。


「それじゃぁ一つ、いいことを教えてやろう。」

「なによ急に。」

「いいじゃん別に。それじゃ本題で、風魔法なんて言われてるけど、この魔法は本当は風魔法じゃないんだ。」

「は?なにいってるの?」


なんかめっちゃ可哀想な目でみてくるんですけど…


「この魔法の本当の名前、なんでしょうか?」

「知らないわよそんなの。」


なんかさっきよりも一段階上がった可哀想な目でこっちをみてくる…


「正解は、運動力魔法でしたー。知らなかったでしょ?」

『ヴァーン様、偉そうです。』


いやだって偉いじゃん!!


「運動力?なによそれ。」

「運動力とは、簡単にいえばものが動くときに必要な力ってこと。風は空気が動くから風ができるってね。」

「へー、で?」

「それを操るのが運動力魔法だ。風魔法何て言われているのは運動力を操作しやすいのが軽くて動かしやすい空気を動かしているからなんだ。だから運動力魔法で重力を反転させれば…ほら、こんなこともできる。」


近くにあった石を触れずに浮かせる。


「…………」

「え?なに、どうしちゃったの?」

「貴方、魔王様なの?」

「え、なに魔王って。そんなやついるの?」


悪いやつなのかな。


「様をつけなさい。魔王様を知らないなんて貴方田舎者ね?いいわ、教えてあげる。」


そんなに有名なんだ。恐れられてるみたいな感じじゃないし、まぁ別にいいだろ。


「魔王様とは、魔法を極めたお方のことで、世界で4人しかいないSランク冒険者の第一席を任せられている偉大なお方よ。貴方が魔王様なんて思ってないけれど、魔王様と関係はあるの?」


4人か…多いようで少ないんだよな。この数。地球の10倍あるアルヴテリアのうち4人だけだぜ?宝くじの一等がでる確率より低いぞ?


「いや、関係ないぞ?」

「…そう。ねぇ貴方、一緒に王都までついてきてくれない?私、王都にいく途中なのだけれど。」

「いいけど、なんでだ?」

「貴方、こんなモンスターがいっぱいいる世界でいたいけな女一人で歩けと言うの?鬼畜ね。」

『鬼畜ですね。』

「…おい。まぁ俺も王都に帰るところだったしな。」

「あらそう。けど、貴方の分の食事はないわよ?お金も今は持ち合わせてないし…」

「いや、かねなんて取らない。王都に帰るついでだからな。」

「あら、けっこう紳士的ね。名前は何て言うの?」

「ヴァーンだよ。」

「そう、ヴァーン、いい名前ね。これから2週間、よろしく頼むわ。」

「あいよ…あいよ?二週間?」

「え、えぇ、二週間よ。なによ。私とはそんなにいられないとでも?それとも…その…性欲が?」

「あ、いやちがくてね、この道、二週間もかけていくの?わざわざ、人種のお前が竜の王国に?」

「えぇ、そうよ。」

「なぁお前、王都からこの先にいったけど、人種の国はなかったぞ?何日、いや、何ヵ月間この道を通っている?」

「それは…いいじゃない、別に。私だってここに来る途中、貴方とすれ違わなかったわよ?なにか隠しているでしょう?私にも私の事情があるのよ。」

「いや、俺は龍神だからこんな距離なんて楽なだけだし、俺はお前とすれ違っているぞ?ほら、なにも隠しちゃいない。」

「えっと…いつすれ違ったの?」

「つい5分前くらいかな。」

「それって…風?風魔法…風魔法…あ!貴方!あの風の原因は貴方ね!」

「正解!そしてすみませんでした!」

「はぁ…まぁいいわ。あの風、どうやったのかしら?あ、いえ別に呪文や刻印を教えてもらおうというような気じゃなく…」

「呪文?刻印はわかるけど…呪文なんてあるのか?」

「まさか貴方、呪文なしで魔法を発動できるの?馬鹿みたいな天才かしら?それとも、天才的な馬鹿かしら?」

「ひどい言われようだな…まぁいいさ、一緒に運んでやるよ。そういえば名前は?」

「セラスと呼んでいいわ。」

「了解セラス、防風防塵はしたから、浮かすぞ。」

「え?何言って、きゃ!?」


セラスを浮かして竜とは反対側の宙へ。彼女はスカートではないから大丈夫だ。では王都へ、いざ行かん!

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