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転生するまで

転生龍第一話をお読み下さりありがとうございます。

この物語はタイトルにあるような主人公転生異世界ハーレム俺TUEEEE系ではなく、創世の神、もしくは、世界の管理者になった主人公が力を制限された状態で、命の価値が全く違う異世界をどう作り上げていくか。これに加え、自身の力から生まれた子供と共に異世界を旅するというような話になります。

少し胸糞展開もございますが、それも魔物がでるような異世界であるということを踏まえ、命の価値観が違うということを演出したものであり、また、敵側の悪性を増させるためのものであります。

胸糞が苦手な方向けにあらすじをマイルドにした上でオブラートにつつんだようなものをその胸糞回の次の話の前書きに掲載しますので、ご安心して読み進んでもらえればと思います。

どうぞよろしくお願いします。

この俺こと黒藤 瑠璃也(くろふじ るりや)は大学卒業六年目。誕生日6月15日の東京都民。大学在学中に企業し、社員と人脈に恵まれて成功している。

背は176cm位で体重は平均的、顔は自覚はないが嫁からは身内補正がなくてもイケメンといわれるくらい。ただ少し…いや、かなり物理的にドジだったりする。

さて、今は何をしているのかと言うと、夕飯の買い物の帰り道を歩いている。いきなりだがここでドジをする。

交差点の信号が青になった時に渡ろうとしたら小石を踏んで足がすべった。エコバッグから鰹節が2つ道路に転がっていった。その先には物凄い勢いのトラックが。トラックの座席には今年で定年退職しそうなおじいさんが乗っている。そのおじいさんはよく見ると、居眠りをしているのか目を閉じていた。

そんなおじいさんが乗っているトラックが勢いそのまま鰹節をふむ。トラックの軌道が逸れ、道路の段差でタイヤが引っ掛かり横転。運転席に電信柱が当たり、想像できる通りに運転席を砕いた。

俺は今日、初めて原木で買った鰹節のことを悔やみつつ、その場を後にした。薄情だと思われているかもしれないが、そんなことはない。それはこの後の状況が想像できるからだ。俺は無数の超能力を持っているわけでもない。タネは明日のニュースかなんか見ればわかるだろう。俺は人生初体験を最高のものにしようとする性格だが、その初体験である鰹節がダメになってしまったので少しテンションが落ちていながらも気分よく帰る俺。


「ただいま」


っと日本人なら意識していなくても言ってしまうだろう定例文。

すると二回建てのそれなりに大きい一軒家のリビングから


「お帰り~」


と嫁の声をかき消す勢いのダダダダダダダッと4歳の娘の走る音に加えてタックルが来る。その娘を昔それなりにやっていた合気道の技術を使いやんわりと受け止め床におろす。ちなみに趣味でお面作りや陶芸なんかもやっていた。


「パパお帰りなさい!」


満天の太陽のような笑みを浮かべる娘、香菜。誰に似たのか天真爛漫で、自然と周囲の人間と空気を明るくするような娘だ。

出迎えてくれた香菜と一緒にリビングに向かう。リビングには嫁の沙梛が夕飯の準備をしていた。


「食材かって来たぞー。あ、あと今日の鰹節、少し躓《つまず》いておとしちゃった。その鰹節で軌道が逸れたトラックがあるから」


と先ほどの出来事をすごくはしょって話した。これじゃ話が通じないと思うかもしれないが


「あ、そうなの?これで何回目かな?るー君のドジで救われた人って」


このように嫁には通じる。こんな会話が日常であるとは言わないまでも、沙梛の目の前でも何度か起こしている現象なので不思議には思われない。。

この俺のドジさは遺伝子レベルである。娘にも少しだけならドジっ娘属性はある。ただ、実害もない可愛げのあるものだ。しかし、俺の父さんが言っていたが、父さんも俺も、ある程度育った時に本格的にその症状が深刻化した。

父さん曰く、


「フフフ…フハハ…フハハハハハハ!生まれてから時間を置いて遺伝子を目覚めさせるのだ!我の邪眼を覚醒させた時、人々は称えるだろう!」


と厨二のある日の晩御飯の時に俺の父方の祖父と祖母に言ったそうだ。この時の父はまだ本格的にドジではなかったそうで、父方の祖父から


「いずれお前もドジになってあらゆる偶然を起こすだろう。それがお前にとって有益なものか否か…」


と言われていたそうだ。父さんは調子にのって厨二の時に一定の環境下で発症する病気にかかっていったと祖父に聞いた。

そこからが問題だ。宣言通りに父さんはドジの症状を深刻化させていったが、そのドジがスポーツ関係だったのだ。

授業でやる剣道の相手が偶然にも関東大会優勝者で、しかもその優勝者にドジで勝ってしまって称えられたそうで。それも剣道だけではなく、あらゆるスポーツ関係だったので、型もルールも知らずに、それも厨二で発症した病気もあり、どんどん孤立したと言っていた。

話は戻るが俺が本格的にドジになった時が小学3年生の時くらいか。俺と父さんの例の通り、この遺伝するドジの病が深刻化する時期には個人差がある。娘はいつドジっ娘になるのだろう。そんなことを考えていた間に夕飯も終わらせ、風呂も入った。時は変わって22:44。寝室は二回に上がったらすぐそこだ。すると下からガラスの割れる音がした。

強盗か。娘はもう寝ているが嫁はまだ起きていた。なぜこんなに冷静でいられるかというとこれが一回だけではないからだ。嫁が


「私が行ってくるよ。」


といって出ていこうとしたときに俺は嫁の腕を掴んだ。


「いや、今回は俺が行こう。」


と言って格好よく部屋を出ようとした。しかし今度は逆に腕を捕まれた。その拍子に足を躓かせる。大きな音が出たようで強盗にも気づかれた。娘も起きあがる。


「パパ、ママ、どうしたの?」


と半目の目をごしごしこすりながらベットから立ち上がる娘。

同時に階段から足音が。


「サンタさんがきた!」


と目を輝かせて階段の方に行こうとする、無邪気な香菜。度々訪れる強盗のことをサンタがきたと誤魔化していたことを後悔しながら行かせまいと止めようとする、俺と沙梛。

ああ…悲しいかな…。なぜこのタイミングで…

娘が足を躓かせ、勢い余ってこちらにとんでくる。


「ドタン!ドタン!」


強盗も一緒に一階へまっ逆さまに落ちていく家族三人。

2019/1/12 修正

2022/2/7 読みやすいように大幅修正


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