おばあさんのうち 3
パシリ
腕をつかまれました。
間違いなく布団の主でしょう。
「待って」
「しっ失礼しました。離してください。」
「待っててば。」
腕は捕まれたままです。
「間違えました。」
「いや、間違えてない。」
「いえ、間違えたんです。」
「何を間違えたの?」
「おばあちゃんの家だと思って‥勝手に入ってごめんなさい。」
「だからそうだよ?」
「はい?」
「ここは君のおばあさんの家」
「え?あれ?」
もう、何がなんだか‥
混乱して会話ができません。
え?
じゃあ私合ってるの?
「え?ここは私のお婆さんの家ですか?」
「そうだよ。」
「おばあちゃんはどこに?」
「風邪を治すのに湯治に行ったよ。隣村の温泉だよ。」
「どうしてあなたがここに?」
「留守を頼まれたんだ。」
「‥‥‥」
「ん?」
湯治、温泉、留守番‥。
「あ、なたは誰ですか?」
「僕はクロード。クロード・ブランだよ。」
「クロード・ブラン、さん」
「うん、君を食べに来たんだよ。クロードって呼んでね?」
「は?」
チュ
「ん、あまい」
微笑むクロードさん。
え?今何しました?あれ?口に何かヤワラカイモノが。
混乱した頭は体を麻痺させているようです。
「もう一回」
チュ
「~~!!なっなに!何してるんですか!」
「ん?味見?あまいね?」
ね?じゃない!ね?じゃない!
あり得ないくらい頭が顔が沸騰しています。
この人は何がしたいんだ!味見ってなんだ!
口を手でガードします。
身の危険をやっと察知したので後ろに下がりました。