花畑
くるりと回るとまた道を急ぎます。
「あ、ねぇ。」
後ろから声がかかりました。
「お見舞いでしょお?」
ピタリ足を止め頭巾を被ったまま振り向きます。
「花」
「お花?」
「お見舞いと言えばお花でしょ?」
そういってこちらに青年は歩いてきました。
「お花‥」
おばあさんはお花が好きでした。
持っていけば喜ぶでしょう。
「でも今からうちに戻っている時間はないんです。」
「大丈夫、この道を少し行けば花畑があるよ?そこで摘んでいけばいいよ。」
ね?と首を傾げる青年。
「う、でも本当に時間が‥」
「すぐすむでしょ?花を摘むだけだし」
お花‥おばあちゃん元気になってくれる?
「ほら、僕も手伝うから。」
「え、それはいいです。悪いです。自分でできます。」
「いいって!行こう。」
お花摘むことが決定してしまいました。
「わぁぁ!凄いきれいです!」
「でしょう?」
目の前には色とりどりの花が咲き乱れています。
「さ、花を摘もう」
青年に言われると、急いで花を摘み始めました。
「この花おばあちゃんが好きな花!こっちの花も素敵。」
夢中で摘み始めました。
「こんなものかしら。」
一生懸命摘んだので立派な花束になりました。
きっとおばあさんは喜んでくれるでしょう。