冒険者登録
よし、とりあえず街には入れた
俺は今冒険者ギルドの前にたっている
ここで冒険者証を作れば俺は冒険者となれる
緊張するな…
奴隷時代に見た冒険者たちは輝いて見えた
奴隷だった俺達が荷物を運んでいる時に
その一団の護衛についていた冒険者たちが
道中襲ってきた魔物を次々と狩っていたことは
今でも鮮明に覚えている
あの時は本気で冒険者に憧れていたが
労働奴隷だった自分は諦めるしかなかった
意を決して冒険者ギルドにはいる
中は夕暮れ時だからかなかなかの人数がいた
内装は目の前に来客受付
その隣に冒険者依頼受付
最後に精算受付とならんでいた
右手には何人の男たちが酒をのみながら
騒いでいる
酒場も兼任しているんだな
俺は来客受付へと足を運ぶ
すると
受付の若い男が声をかけてきた
「ようこそ。本日はどのようなご用件ですか?」
「冒険者登録をしたい」
「新規の方ですね。
では、登録料金として銀貨5枚頂きます。」
「ぎ、銀貨5枚ですか?」
まずい…
俺は無一文だった
登録にも金がかかるのか!
「…」
受付も俺も黙っている
「もしや、持ち合わせがないのですか?」
「っ!…はい…
旅の道中に色々ありまして…」
男はなんとも言えない顔をして
「まぁ、見たところ
悪意のある方には見えませんし…」
「はぁ…特別に先に仮発行いたしましょう。
それで、最初の任務などで貯まればお支払い下さい」
「!!いいんですか!」
「まぁ稀にいらっしゃいますが
あなたを見たところ、スラムの人間にも見えませんし」
昨日まで汚い奴隷だったけど
「その代わり、料金は銀貨6枚。それに仮冒険者ガードの期限1週間といたします。」
「はい!ありがとうございます!」
受付の男は
手元から紙を取りだし
「こちらの用紙に、名前、出身地、年齢、戦闘スタイルを
ご記入下さい。」
名前はと出身は門と一緒でいいか…
年齢は15で後は戦闘スタイルか…
魔法の使い方も初級までなら分かるし
剣の簡単な使い方も精霊がくれた記憶にはあるしな…
ここは…
「魔法使いで」
男は少し驚き
「魔法使いですか…良ければ適正のある魔法属性を教えて下さい」
うーん…
教えて良いのだろうか…
「言わないと行けませんか?」
「1つもは教えて頂かないと
本当に魔法使いかどうか、後程見せていただくことに
なります。そういう方もいらっしゃるので」
なるほど…
「火魔法、それに空間魔法です」
空間魔法は教えておかないと
精算時に使えないからな
「なるほど…」
受付の男は先ほどの用紙に書き込んでいる
「他に適正のある属性魔法を調べることが出来ますが
調べて行きますか?」
「いえ結構です」
そんなことすると、全部バレるし
男は紙を持って奥へと行き
鉄のガード持ってやってきた
「これが冒険者ガードになります。
冒険者ガードには特別な魔法がかかっており、
有効期限が過ぎるとガードに刻まれた文字が
自動的に消えます。そうなると冒険者ガードとして
有効ではないので、お気を付け下さい。」
「分かりました」
「更に、依頼の受け方や、精算。パーティー申請に冒険者ランク
を説明致します。
まず、冒険者ランクとは冒険者の中の階級ことです。
先ほどお渡しした冒険者ガードが
一番初めのランクになる<7ランク>となります。
一定数の依頼や実績を積めばランクが1つづつ上がっていきます。
次に依頼ですが、横の酒場にある依頼ボードに張り付けてある
依頼用紙を冒険者依頼受付に持っていくことで
依頼の受理となります。依頼を失敗すれば罰金が課せられるので
ご注意下さい。
依頼にもランクごさいまして、自分の冒険者ランク以下の物しか
受理出来ません。
精算は素材の買い取り、依頼の達成の際にご利用下さい。
最後にパーティー申請とは、仲間とチームを組際にこちらの受付まで
お越しください。
パーティーを組んでおくと、罰金や、報酬金が分割されます
更に3人以上のパーティーでは、そのパーティーの平均冒険者ランク
よりも、ひとつ上の何度の依頼を受けることが出来ます。
説明は以上となります。
なにかご質問はありますか?」
「いえ、ありません。ありがとうございました」
そして受付を離れた
早速依頼を受けるとするか…
金が無いから
宿も取れない…
酒場にいくと
男たちが騒いでいるがこちらには
気付いていないようだ
依頼ボードの前にたつ
ランク7の依頼は…
≪木材運び≫
家を建てる木材を運んでほしい
報酬金
銀貨1銅貨50
≪家畜の警護≫
最近ウチの牧場の羊が狼に襲われている!
夜の警護を任せたい
報酬金
銀貨3
≪一角ウサギの捕獲≫
一角ウサギの肉を手に入れてほしい
角は持ち帰っていいが、肉は食える状態にしておくこと
報酬金
1体で銅貨1
≪狼の駆除≫
ユタの裏の森で狼が多発している
駆除を依頼する
1体で銅貨50
ぱっと目に止まったのはこの辺だな
最初から狼はまだ剣のない俺には危ないか?
白き精霊魔法もあるが剣を買ってからの方が
確実だろう
カードの期限は1週間だから
急いだ方がいいが
危険をおかすのも拙い
よし、これだな
目当ての依頼の紙をボードから取り
受付へ行く
「この依頼を受けたい」
かわいらしい受付嬢だに紙を渡す
「はい。一角ウサギの捕獲ですね。冒険者ガードを
提示下さい。
…はい!確かに確認致しました!受理完了となります。
期限はとくにありません!お気を付けて!」
受理を済ませ冒険者ギルドから出る
夜のウチに出るか
一角ウサギは森の手前で見つかるらしいな…
白き精霊のおかげか夜目もやたら効くようだし
初依頼!張り切って行こう!