魔の遺跡の奥
お久しぶりです。
しばらく更新できずすみませんでした。
「うわー、不気味だなぁ」
俺はそんな軽口を言いながら階段を降りる。
真っ暗な道をマーカスの魔法による灯りを頼りに歩いている。
そして、少しすると、
「ここが入り口みたいだな、、まだ扉も開けてないが、、ここにいるだけですげぇ嫌な感じだ、、」
現れた扉を前にマーカスが立ち止まりそう言った。
俺には魔力感知がないからか、その嫌な感じが何なのかが分からない。
「そっか、、なら本当に魔人がこの中にいるのか、、」
俺はそう呟く。
なんでこんなことになったのか、俺はただの大学生だったのに、よく分からない異世界に急に飛ばされ、よく分からないままこの魔の遺跡とやらに閉じ込められ、今から魔人とご対面だと。。
「まぁでも、ちょっと面白いかもな」
「おいおい、、魔人を目の前にしたやつの言動じゃねぇぞ、、本当にお前は何者なんだよ、、」
俺の呟きを聞いたマーカスがそう言い返す。
確かにちょっと不謹慎だったかもしれない。でも俺はこの状況を本当に面白いと思っていた。
元の世界では全く不自由なく楽しく暮らしていた。生活も安定しており、大学を卒業したらそれなりに会社に就職し、それなりの人生を歩む、そんな人生計画だった。
それも悪くないと自分に言い聞かせていたが、ずっと何処かに物足りなさがあった。
張り合いがないというか、小さなころはなんにでもわくわくしていたのに、最近ではそのような気持ちになることはなかった。
しかし、この世界に来てからはわくわくの連続だ。魔人なんて危険そうな雰囲気でいっぱいだが、俺ならなんとかなるんじゃないか。そう思わずにはいられない。
「じゃ、行きますか。あー魔人ってどんなんなんだろな、やっぱ悪魔みたい感じかな、、」
「さぁな、、俺も見たことないからな、、あんま怖い外見じゃないことを祈るばかりだぜ」
二人でまだ見ぬ魔人のイメージをしばらく話し合い、気持ちを落ち着かせた。
「じゃぁ、行きますか。無事終わったら美味いもん食わせてくれよ?」
俺は扉に手をかけ、マーカスに言う。
「あぁ、なんでも食わせてやるよ。頼んだぞ」
マーカスも真面目な顔つきで俺の後ろにつく。
「よし、じゃぁ開けるぞ」
ガコン
そう言って扉を開いた先には
「、、、、、だれ?なにしにきたの?」
一人の少女が座っていた。