遺跡へ2
今回はちょっと短めです。
「あの遠くに見える建物が遺跡じゃ、あれを目指してまっすぐ行くといいじゃろ」
あのあと、村長と一緒に村のはずれまで歩いてきた。
すると、ひらけた場所にポツンと建物がある。どうやらあれが遺跡みたいだ。
「なるほど、分かりやすいですねー。じゃぁ、行ってきますね!」
「うむ、すまんのう。よろしく頼む」
「いやいや!全然いいですよ!むしろ色々ありがとうございました!また後で!」
そんな会話をして俺は遺跡の方向へと歩き出した。
あれだけ色んな話を聞かせてくれた上に身分を証明できるステータスプレートまで貰えたんだ。お供えものなんて安すぎるくらいだ。
「本当に、、すまんのぅ」
村長が悲しそうな顔で呟いたその声は誰の耳にも届くことはなかった。
遺跡まで道のりは順調に進み、右手に持っている棍棒の出番はなかった。
まぁ出番などないに越したことはない。
数キロくらい歩いたと思うが、身体能力が高くなってる俺からしたら全然近いもんだ。
「さて、これが遺跡か」
村長の言っていたとおり大きさはあまり大きくないが、外観からしてかなり年季の入ったものだと思われる。
ここに何が祀られてるのか聞いとけば良かったかな。
まぁその辺りは話が長くなりそうだからあえて聞かなかったんだけど。
「さて、ちゃっちゃか供えてきますか!」
俺は1人で決意を決め、遺跡の中へと足を踏み入れた。
そして数歩歩いたところで、
ガタン。
今さっきまで開いていた遺跡の入り口が自動的に閉まる音が聞こえた。