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さくら色フェイトフル・トリップ  作者: 真城 しろ
第ニ章 四季神翔子のおもてなしデート?
9/24

四季神翔子のおもてなしデート?前編

確認はしておりますが、文章に一部不自然な箇所などがあるかもしれません…

「やっぱり緊張するなー」

そうして迎えた週末、俺は集合時間の40分以上前には駅前広場についてしまっていた。


「流石に早すぎたな」

俺は周辺に人がいないことを確認すると、腕につけた通信端末を起動する。充電はどうしたんだと思われるかもしれないが、こっちの時代に来た初日、一か八かとワイヤレス充電器に乗せたところ、普通に充電出来たのだ。俺はホーム画面の上に表示された時間を確認する。時刻は9時30分を指している。集合時間まではまだ30分もある。どうやって時間を潰そうか、、、


「す、すいません!お待たせしました」

しかし、俺のそんな悩みは杞憂きゆうに終わり、今日のお出かけの企画者がやって来た。


「い、いや、全然待ってないよ。と言うか、思ったより早かったくらいだ。まだ集合時間まで30分はあるし」


そんな会話を交わしつつ、俺は彼女を見る

清潔感のある白色のシャツに、正面にリボンがあしらわれたグレーのボレロカーディガンで俺の前に立つ四季神さんは、その整った顔立ちもあって周囲から受ける視線も多い。


「に、似合ってるよ!とか言ったほうがいい、、、?」


「そ、そういうのは自発的に、さり気なく言われるから良いんです!!」

さくらさんはむくれた表情をして見せた。確かに、言われてみればそうだ。


「で、でも、ほんとに似合ってるよ」


「そ、それは良かったです、、、」

四季神さんは俯きがちに言った。長い黒髪の間から覗かせる耳が真っ赤になっている。


「そ、それじゃあ行きましょうかっ!!」

四季神さんは自身の照れを隠すように言った。

俺はその半歩後を付いていく。

今日はどんな1日になるのだろうか?


● ● ● ●


「そ、それで、どこに行きましょうか、、、」


「あ、決まってないんだ」


「す、すいません。お昼だけは決まってるんですが、、、」

四季神さんは申し訳無さそうな表情になってしまった。


「い、いや、別に問題はないよ!!ど、どこ行こうか?とりあえずそこのミラクルモール入る?」


「はい!そうしましょう!」

俺が取り敢えず無難な行き先を提案すると、四季神さんはどうしてか一気に明るい表情を取り戻した。


「やっぱり桜木さんは周りのことをよく気にかけてくれますねっ」

四季神さんはそう言って笑った。


その笑顔はまるで天使の微笑みのようで、俺は不覚にもドキリとしたのだった。


● ● ● ●


「ぐぬぬ、、、なかなか取れません、、、」

俺たちはモールに入り、取り敢えず3階にあるゲームセンターを訪れていた。この時代ではまだ人口6万人台の町のゲームセンターにしてはそれなりの規模で、クレーンゲームからアーケードゲームまで、様々なゲームが並んでいる。今は四季神さんのお目に止まった、サメのぬいぐるみのクレーンゲームに挑戦しているのだが、かなりの苦戦を強いられているところだった。


「四季神さん、こういうのにはちょっとした「コツ」があるんですよ」


「コツ、、、ですか?」

四季神さんがごくりと唾を飲む。


「そう、コツ。」


「み、見せてもらえますか?」


「もちろん」

そう言って俺はクレーンゲームの前に立ち100円を投入する。


俺は3本爪のアームの先に滑り止めがついていることを確認し、アームをぬいぐるみから離した位置に移動させて降下ボタンを押す。


四季神さんはその一連の行為が、操作に失敗したように見えたようで、


「ぜんぜん外してますっ!」

と怒られてしまった。


「いいや、ここからだ」

俺が自信ありげにそう言うと、疑うような表情で、アームの行方を見つめ始めた。


アームはぬいぐるみのタグの間にするりと滑り込むと、アームの先端に取り付けられた滑り止めにタグが引っかかり、そのまま景品口までやってくる。アームが開くと、引っかかっていたタグがアームから離れ、景品口に落下した。


「と、取れました!!すごいです桜木さん!!」

四季神さんは景品口からぬいぐるみを取り出すと、ぬいぐるみを正面で抱きかかえ、まぶしいほどの笑顔と共にこちらに見せてきた。


「そ、それは良かった、、、」

普段の四季神さんには見られない、ハイテンションで、どこか子供っぽさを感じる彼女の一面に、俺は胸が熱くなるのを感じた。これもギャップ萌えという奴なのだろうか、、、


「あ、もうお昼になりますね!朝にも言いましたけど、お昼の予定だけは決めてあるんです!ついてきてもらってもいいですか?」


もうそんな時間だっけ。四季神さんにそう言われて時計を確認すべく、腕につけた通信端末を起動しようとして、、、やめた。


――「いやいや、別に大した話では、、、四季神さんは俺が未来から来たって知ってるんだから、多少は話すだろ」


――「でも、今回みたいに周りに聞かれたら、桜木くんだって困るんじゃないの?」


それは、つい先日、さくらさんに指摘されてことを思い出して、だ。

俺の秘密は、あんまり人に見られてはいけないものかもしれない。俺が元の時代に戻るためにも。


「うん、楽しみだよ」

俺は彼女の1歩後を付いていく。

俺が未来へ帰った時、四季神さんと会えなくなるのはほんの少し辛いかもしれないな。

俺は今日の楽しそうな彼女を見てそう思った。



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