デートの定義によってはこれもデートのお誘いと言えるのだろうか?
確認はしておりますが、文章に一部不自然な箇所などがあるかもしれません…
「じょ、常陽さん、もうこっちの仕事には慣れた?」
常陽さんがこの店で働き始めて数日の夕方。
平日と言うこともあってか、この時間にしてはお客さんの数もまばらで、余裕があったので聞いてみた。因みに、少し詰まってしまったのは、あの日「ああ?」との返答を受けてから、いまいち距離感を掴めないままでいるからだ。
「はい!お陰様で!」
その常陽さんはと言うと、普段は常に満点の笑顔を崩すことなく喫茶店の業務をこなしている。ここでは先輩にあたる俺だが、明らかに彼女のほうが仕事が出来ている。そしてそんな彼女は、今日も変わらない笑顔を見せてくれている、、、が。
「そう、それは良かった」
怖い。それが逆に怖い。あの時の「ああ?」は幻聴だったのだろうか。幻覚だったのだろうか、、、
俺は彼女の態度にほんの少しだけ戦慄を覚えた。
そんな時、入り口から来客を知らせるカランコロンという音がする。
すると、常陽さんはすぐにその満点の笑顔で来客を出迎えにいった。
「いらっしゃいませ〜♪」
「あの、すいません、桜木翼さんはいらっしゃいませんか?」
● ● ● ●
「どうしたの?急に」
その時店にやって来たのは制服姿の四季神さんだった。学校帰りだろうか。わざわざ俺をご指名らしい。一体なんの用だろうか?とりあえず四季神さんを座席に案内し、俺は四季神さんと向かい合わせで座った。大地さんと常陽さんがカウンターからこちらの様子を伺っている。
「はい。実はお願いがありまして、、、」
そう言うと、四季神さんは俺が持ってきたお冷を一気にあおってから話を続ける。
「桜木さん、今度の週末、私と二人でお出かけしませんか?」
「へ?」
ん?どういうこった。どうして四季神さんが俺の事を誘っているんだろう。ってかこれデートに誘われてます的な?そんな感じなのこれ?
「だ、だめ、、、でしょうか?」
お願いの意図が分からず俺がしばらく黙っていると、四季神さんが大きな瞳をうるうるさせながら上目遣いでこちらを覗いてくる。俺へのこうかはばつぐんだ!
「い、いや駄目とは言ってなくて、、、そのー、、、」
「で、では!!出かけて下さいますか!」
俺が答えると、彼女はぱぁっと明るい顔になった。
「でも、この店人手不足だし、週末に抜けるのはちょっと、、、」
俺だって、こんなに可愛い子と二人でお出かけとか、したくない訳がない。ただ、それだけで仕事を投げ出して大地さんたちに迷惑をかけるわけには行かない。
「行ってくるといいよ桜木君。あまり女の子からのお誘いを無下にするんじゃないよ」
大地さんはそう言って、我が子を見守るような優しい微笑みを浮かべた。
「安心してください!私が先輩の分まで頑張りますよ♪」
常陽さんも相変わらずの笑顔で、俺を後押ししてくれた。
「でも、さくらさんにも聞いてみないと、、、」
「それなら大丈夫です!今日学校で許可とってきました!」
わお用意周到。ってかよく見たらさくらさん、入り口の横の窓に張り付いてこっち見てる。あ、目があったら慌てて隠れた。いつもお店を手伝うために早く帰ってくるさくらさんが今日は遅いなーとか思ってたら、こういう事だったのか。
「そ、それならまあ、、、分かった。今週末ね。集合場所とか時間はどうするの?」
「前と同じで、10時に福咲が丘駅駅前広場でお願いします!」
「10時に駅前広場、ね。OK分かった」
なんか流れで今週末四季神さんと出かけることになってしまった、、、やー、やっぱ男子的には可愛い子の上目遣いは破壊力抜群ですね。いや、四季神さんとお出かけとか、超嬉しいから全然良いんだけどね?!
もしよければ、評価ポイントやブックマーク、お気に入り登録などをしていただけますと幸いです!!
また、作中に誤字や文章として破綻している箇所などございましたら、優しく教えてくださるとありがたいです。また、作中に問題などありましたらご報告をお願いいたします