番外編 「それ」のはじまり
勇者haretは世界を変えるの番外編です!
『___そしてまた、違う魔獣が実をつけた。』
時は生命誕生にさかのぼる。
実をつけ、あの大戦争も終わり、「魔獣」たちははじまりである『実』の存在を忘れていた。
一つ、「魔獣」がいた。
名前なんて、存在しない。「初期」の魔獣。寒さの耐性もない「原初」の魔獣。
その中の一匹だった「それ」は、魔の世界と光の世界、どちらでもないところで過ごしていた。
そこに、一つの木ができ、そこに一つだけ、一つだけの「実」が成った。
「魔獣」は、何もないことの絶望、そして葛藤...それらを全て飲み込み、仕上げにその「実」を食べた。
この「魔獣」の細胞はどうなったか?
劣化し、そして崩壊し...いや、最後の一つ、心臓の役割の細胞だけを繋ぎ止めた。
あの姿はなく、その姿は悍ましく、同時にどこか悲しく、哀れみ、そして憎しみを感じる...
まるで、何かを呼びかけているように。
なるで、助けをもとめているのように。
まるで、復活したいと思い願うように。
まるで、過去を求めているかのように。
「それ」は暴れ続けた。
「それ」は何も知らずに。家族の温かさ。皆がいることの安心感。光も、闇も知らずに。
暴れ続けた。暴れ続けた。暴れ続けた。
もう、これを出したくない。
そう、魂から呼んでいる。
虚しいほどに。
虚しいほどに。
虚しいほどに...
次は...?




