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第一章   プロローグ

―――『魔法』...... それはかつての人々が想像した事実上存在しないものであり、この世の(ことわり)に相反する力であった。 常識を覆し、凄まじい威力を誇る異能を万人が想像し、憧れたのも無理はない。


そしていつからか『魔法研究』なるものが世界各地で行われるようになった。

しかしながら当初、魔法の創生など不可能だと人類の大半は思っていた。


 「もともとそんな力は存在しない。」、「創り出せるはずがない。」と。


 しかし研究者たちは違った。彼らはこの研究が人々の幸福につながると信じていたからだ。僅かな可能性にかけ、あらゆる分野に目を向け方法を模索した。


 その末... 努力は結実した。 


 魔法が――


 圧倒的な力を持つ異能が――


 古代からの人類の英知 『科学』 を基盤として創造された――


 魔法などできるはずが無いと思っていた輩は随分と驚いたことであろう。これで不治の病も、極度な貧困も、各地の争いも、すべて全て解決できる―― そう人々は信じてやまなかった...


 

 

―――2200年代前半、国連は軍事力の均衡を保ち、世界経済の循環を活発にするため、190あまりあった国を3つにまとめた。

 

 ユーラシア大陸を二分し、西方およびアフリカは「西欧連合国(せいおうれんごうこく)」、東方は「東亜連合国(とうあれんごうこく)」、そして南北アメリカ大陸は「新アメリカ連合国」となった。


 当初の目算どうり、貿易摩擦は激減、各国の国力も均衡を保つようになった――  かのように思われた...


 そんな中、旧中東の貴重な石油資源をめぐって、連合国家成立からわずか5年後に西欧連合と東亜連合の争いへと発展。争いは激しさを増し、半年後には全面戦争に突入した。


 『魔法』が発明されて間もないこの頃、両国はこぞって新魔法の開発を進めて戦闘で使用したため、従来の戦争の常識は崩壊した。第二次世界大戦とは比較にならないほどの死者数、荒廃した大地がその強烈さを物語っていた。


 その大戦、「東西領土分割戦争」において、弱冠17歳ながらその名を世界中に轟かし、震撼させた男がいた。


 東亜連合国軍特別部隊首席「皇 帝一(すめらぎ ていいち)」。


 世界で唯一の『空間支配(スペース=ドミナント)』...名の通り、空間のあらゆる物質を支配できる魔法の使い手であり、2年に及ぶ激しい魔法戦、銃撃戦、ゲリラ戦において自ら先頭に立つも無敵であった。

 アサルトライフルを背中に負い、圧倒的な武力で敵を消し去る――― 『戦場の皇帝』 などと、西欧の兵士に恐れられた。


 ただ、生きとし生けるものには必ず死が訪れる――



 この男も同様、無敵と言われながらも終戦を前にして想定外の事態によってあっけなく命を落としたのだった――

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