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おかけになった電話番号は。

裏切りの代償 ─おかけになった電話番号は。2 ─

作者: 由宇ノ木

『おかけになった電話番号は。』の裏切った女の側のその後。






「結婚はできない。理由は君が1番よく知ってるはずだ」


突然切り出された別れの言葉。


「わからないわ!どうして!?」

「君がほかの男とホテルに出入りしていると友人から忠告を受けた」

「嘘よ!そんなの!」

「だから調べた」

「間違いよ!」

「・・往生際が悪いよ。これ以上惨めな思いをしたくなければ引いてくれ」

「ひどいわ・・私、あなたと結婚するの楽しみにしてたのよ・・。あなたのお母さんとだってほんとの母娘(おやこ)みたいに仲がいいのに・・!」

「僕だって楽しみにしていたよ。本当に・・本当に・・楽しみにしていたよ・・・だが裏切ったのは君だ」

「ごめんなさい、一時の気の迷いなのよ・・。これからはあんなバカな真似しないから・・」

「バレなければいいと思ってたんだろう?そんな女性と生きていくつもりはないよ。さよなら」

「待って!お願い!!待って!!待ってぇ!!」


何度叫んでもあなたは振り向いてくれることはなく、私は去って行くあなたの後ろ姿を涙で滲んでも滲んでもみつめ続けた。


失ってしまった。

大事なひとを。

愛しているひとを。

共に人生を歩んでいくはずだったひとを。


なんて愚かな真似をしたのか。


燃えるような恋は、背徳に身を焦がすまやかしだったと今さら気づいてももう遅い。


ごめんなさい、あなた。


いつも優しかったあなた。


辛いときも悲しいときも、父のように兄のように隣にいてくれた、導いてくれた優しい優しいあなた。


『一生涯君を守るよ』


あなたに甘えていただけの私の愚かさが憎い。


恋に溺れた自分が憎い。


裏切りの、大きすぎる代償を、

私はこれから払ってゆくのね。


たった独り、

あなたのいない人生のなかで───







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