1 成長した親子。
4章スタートです。新しい小説を書き始めました。ストックが出来たらまた投稿しようかと思います。
アルデイル王国の一件が終わり、拠点に戻って来て3ヶ月程が経った。
エルとエンが来てからは、毎日2人の鍛錬に加え、自分の鍛錬も行っている。
獣人の子供、熊獣人の子供リグ、狐獣人の子供ケリンは、最初は自由にさせていたが、エルとエンの鍛錬を見て自分達もやりたいと言い出した。
まだ3歳なので、それほど出来る事は無いが、軽い走り込みだけをやらせている。
エルとエンと一緒になって走っているので、遊んでいる感覚だろう。
偶に俺も一緒に走っている。
そんな日々を過ごしている中、昼飯を食い終わり、屋敷の前で食後の休憩をしていると、森の中に人の反応を感知した。
「これは……久しぶりの客だな」
「この反応は知り合いですか?」
エルも気づいたようで聞いてくる。
「ああ、お前達の後輩だ」
「後輩? ソウエンですか?」
「こっちの世界で取った弟子の親子だ」
俺がそう言うと、2人は顔を見合わせ嬉しそうな顔をする。
暫く待っていると、門を開けて男女が入って来た。
アルストとシェリアだ。
「よっ、久しぶりだな」
「師匠! お久しぶりです!」
そう言ってアルストが小走りで寄って来た。
シェリアは落ち着いた感じで、歩いてくる。
シェリアは既に50歳を超えているはずだが、魔力が多い影響で20代に見える。
「元気にしてたか?」
「はい! 師匠の御かげで、今じゃトップ冒険者に成りました」
アルストはイケメンの青年になっている。
「久しぶりだなシェリア、元気にしてたか?」
「はい、ミクトさんの御かげです。 アルと一緒に冒険者をして、私もトップの一員になりました」
シェリアはアルとパーティーを組んでやっているらしい。
そのせいなのか、アルはまだ結婚していない。
アルに近付いて来た女はシェリアの御眼鏡に叶わないと近付けないようだ。
アル……頑張れ!
「ミクトさん、紹介して下さいよ」
「そうっす!」
エルとエンがそう言うと、アルとシェリアがキョトンとした。
「師匠、こちらのエルフの方達は?」
「お綺麗な方ですね」
「この2人は、お前らの先輩だ」
俺のがそう言うと、アルとシェリアはポカーンとした後、ハッとして我に返る。
「あの言ってた、エルフの姉弟ですか! 挨拶が遅れました、私はお二人の後輩になります、アルストと申します、お話は師匠からよく聞いていました、よろしくお願いします」
「初めまして、息子共々ミクトさんにお世話になりました、シェリアと申します。 よろしくお願いします」
そう言って、2人は頭を下げた。
「成長したなぁ、アル……」
しっかりした大人だ。
「コホン……私は神滅流師範代、エルと申します。 これからはよろしくね」
「はは……俺は神滅流師範代、エンです、よろしくな」
何緊張してんだこいつらは。
そこからは、今までどうしてたのかと、お互いに報告し合う事になった。
話していると、リグとケリンもやってきて紹介する。
アルとシェリアは此処を出た後、王都へ行き冒険者登録をしてからは、色んな国を周っていたようだ。
とある国では王族に言い寄られたり、また別の国では最強の冒険者と恐れられたりと、面白い話を沢山聞けた。
先週カーラン王国に戻り、この近くで依頼を済ませた帰りに寄ったらしい。
今日は泊って明日街まで行き、依頼達成の報告をするとの事。
「じゃあ、ついでにエルとエンも行って冒険者登録しとけば?」
帰って来てから街には一度も行っていないのだ。
俺の提案に2人は了承し、アルとシェリアに付いて行く事になった。
俺はリグとケリンの世話で残る事になる。
アルとシェリアは新しくなった屋敷に驚いて、案内をした後は、久しぶりの摸擬戦等をした。
翌日、日が昇る前に起きいつもの鍛錬をし、風呂で汗を流した後、朝食を皆で食べながら、今日の事を話していた。
「あっ、エル、街に行ったら、塩と胡椒を買って来てくれ、そろそろ切れそうなんでな」
「分かりました、いつもどれくらい買ってます?」
「いや、いつもは取引で貰ってるからな……100キロくらい?」
遺跡の技術をカーラン王国と帝国に売る時、最初は金で支払って貰っていたのだが、そんなに金を使わないので貯まる一方だった。
これは経済によろしくないので、途中から物で払って貰う事にしたのだ。
しかし、此処で住む人が増えたので、消費量が増えてもう無くなりそうになっていた。
エルに金を持たせ、4人を見送った。
「アル、シェリア、またいつでも来いよ」
「師匠、ありがとうございました! もっともっと鍛錬して、師匠に一撃でも入れられるようになります」
「俺の前に、エルとエンだな」
「そうですね、先ずは先輩方に勝てるように頑張ります!」
真面目な奴だな。
「そう簡単に、私は負けてあげないよ?」
「俺もだね~」
「頑張ります!」
そんなやり取りをした後、4人は街へと出かけて行った。
まさか、あんな事になるとはこの時、誰も思わなかっただろう。




