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吸血鬼がいく。  作者: あれです。
3章 弟子。
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10 戦争参加?

Side:エン



「で? 私達に何の用で城に呼んだんすか?」

「貴様! エルフの分際で口の聞き方も知らんのか!」

姉ちゃんがそう聞くと、女王の近くの右側の席に座っている口髭を生やしたおっさんが叫ぶと、姉ちゃんの周りの気温が下がった様に感じた。

「クズの分際で何言ってんの? 話が進まないから黙ってろクズが」


『姉ちゃん、殺気を抑えて』

『もうこいつら殺して街を出ようかな』

『それは最終手段だから今は話を聞かないと、俺が話しようか?』

『大丈夫、さっさと終わらせるから』

本当に大丈夫か?


「陛下、やはりこんなエルフ如きに頼る必要はございませんぞ」

頼る? それでこの態度か?

馬鹿しかいないのかこの国?

すると女王が口を開いた。

「ケールット伯爵、貴方は暫く黙っていなさい」

「しかし陛下!」

女王が鋭い視線をおっさんに向けると黙り込む。

そんな奴を席に呼んでる女王が悪い。



「ねえ、さっさと話しを進めてくれない? 話が無いならもう帰って良いよね?」

「ごめんなさいね、私はこの国の女王をしています、シャラトワ・レイ・アルデイルよ……貴方達に頼みたい事があるのだけど聞いて貰えるかしら?」

その言葉に姉ちゃんは目を細める。

「頼みがあるのにそんなクズを同席させる神経が分からないわね……勿論お断り、はいこれで終了、帰るわよエン」

「そうだな」

姉ちゃんが席を立ったので俺も立つと女王が話しかけて来た。


「心配しなくても既にあの子達は、こちらで預かっています」

その瞬間、姉ちゃんと俺の殺気が部屋を埋め尽くした。

テーブルや部屋がギシギシと音を立てる。

部屋に居る俺と姉ちゃん以外が冷や汗を流し顔を青ざめていた。

護衛の騎士達も壁際で剣に手を伸ばそうとしているが動けないようだ。


「あのメイドに何かあったら殺すと言ってあったのに馬鹿ね……全員死ぬ?」

「あの子達を人質に取るとはなぁ、此処まで馬鹿だとは流石に思わないわ……とりあえずここの全員を殺してから探すか」

そう言って俺はインベントリから短剣を取り出した。

姉ちゃんもいつもの棒ではなく短剣を取り出している。

部屋の中で戦うなら長い武器はやりにくいからね。



「ちょ、ちょっと待って貰えるかな?」

そう言ったのはイケメン団長だった。

姉ちゃんと俺が視線を向けると冷や汗を流しながら口を開いた。

「あの子達には何もしてないから安心して欲しい、陛下が言ったのは言葉のままで、貴方達にゆっくり話を聞いてもらいたいから言っただけで……」

団長がそう言うと姉ちゃんはゆっくりと口を開いた。

「女王は『既にあの子達は、こちらで預かっています』と言ったのよ? あんた馬鹿? この場面で態々そう言うのは、人質として預かってるって事でしょ……ねぇ、女王様?」

姉ちゃんの問に女王は顔を青くしたまま口を開こうとはしなかった。

すると先ほどの伯爵とやらが口を開いた。


「あ、あの獣のガキは、わ、ワシが預かっている、黙って話をき、聞け!」

よし、こいつら殺してからあの子達を探そう。

『エン、あの子達を直ぐに探せる?』

『部屋に入る前に使い魔を作って放ったけど、さっきまで居た部屋にはもう居ないみたいだ、今は城の中をくまなく探している所だね』

『見つけたら知らせて、それまでは話を聞いておきましょう……見つけたら全員殺すわよ』

『了解』

さっさと見つけないとな。



「では話だけは聞こうか」

「そうだな」

そう言って俺達は殺気を収めた。

その瞬間、部屋に居た騎士達が剣を抜く。

「動くな!!」

その言葉に姉ちゃんと俺は溜息を吐いた。

「はぁ……剣を抜いた時点で貴方達は終わりね」

「だな、せっかく話を聞いてやろうと思ったのにねぇ」

俺達がそう言うと女王が手を上げて止めた。

「武器をしまいなさい!」

「し、しかし陛下! こいつらは何をするか分かりません!」

「せっかく話を聞いてくれると言っているのですよ? ……私の命令を聞けないなら貴方達は要りません」

女王の言葉に騎士達は歯を食いしばり剣を収めた。

「……すみません、出過ぎた真似を失礼しました」

そう言って騎士達は頭を下げて後ろに下がる。

「本当ね」

煽ってく姉ちゃん!




その後、少しして場が落ち着いた所で女王から話を聞いた。

「……なので我が国は、このままだといずれ滅ぶ運命……仕方なくロイライカを侵略する事にしたのです」

「農作物が育たない?」

簡単に言えば食糧難で国の領土を広げようって事だな。

よくある話だし、短絡的過ぎるね。

隣国から食料を買って、この国の特産品を売れば均衡は保てるでしょ。

何も無い国なのか?

まあそこは既に手遅れな状況みたいだな。

既に戦争をしかけ今まさに戦争中らしいし。


「戦争と私達になんの関係が?」

「騎士団長が貴方達は相当な腕の持ち主と聞いております……手を貸してくれませんか?」

俺達を戦争に出したいって事か……ヤバくね?


『エン、あの子達はまだ見つからないの?』

『どうやら城の中には居ないみたいだ、今は街の中を探してる所』

『前線へ行くまでに見つけないと、ミクトさんに殺されるわよ』

『分かってるよ! 戦争に加担した事がバレたら……しかも人質を取られた何て知ったら……』

『戦争に勝ってもこの国はミクトさんに滅ぼされるわね……私達共々』

だよねぇー!!


『私が1人で前線に行くからあんたはあの子達を探し出して、念話で連絡貰ったら私も前線を離れるから』

『1人で大丈夫?』

『私1人の方が時間稼げるでしょ』

なるほど、確かに。


「人質を取られてるんだから行かないといけないんでしょ? ……あの子達の身体も心も傷つけたらそこでこの国は亡ぶから、気を付けなさい」

「ありがとう、私の名に誓ってあの子達は大切に保護します」

女王がそう言うならあの子達は大丈夫か、でも早く見つけないとヤバいな色々。

「では僕も一緒に行きますのでよろしくお願いしますね」

そういうイケメン騎士団長。

その言葉に姉ちゃんは無視をして口を開いた。


「ちなみに、私達が人質を取られて戦争に参加してる事がもし、師匠にバレたらこの国はその時点で滅ぶ事になるのでよろしくね」

うん、それは言っておかないとね。

姉ちゃんの言葉に全員ポカンとしてる。

おい! 一番大事な所だぞ! ちゃんと聞けよ!


「貴方の師匠とはエルフの方ですか?」

女王がそう聞いて来た。

「いいえ違います……一応吸血鬼かな?」

師匠があのままなら吸血鬼だね。

すると全員ざわつく。

何だ?


「どうしたの?」

姉ちゃんが全員を見渡し聞くと、騎士団長が教えてくれた。

「吸血鬼は他種族を見下し自分の国からは一切出てこないと言われているんだ、そんな吸血鬼が君の師匠って事に驚いているだけだよ」

あぁ……確か敵の吸血鬼はそんな感じだったか。

貴族種ってやつらだな。


「あぁ、あんな吸血鬼と一緒にしない方がいいわよ、師匠は全く別物だから」

「貴女の師匠とはそれほど?」

女王の問に姉ちゃんは頷いてから答える。

「ええ、師匠は1人でもこの国を亡ぼせる程の力があるから、まあ私達も似たような者だけどね」

まあ、師匠程じゃないけど確かに?

師匠は何処に居るんだろうか。



それより早くあの子達を見つけないと殺される!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 内容も面白いし、作品の更新ペースが異様なまでに早い。
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