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吸血鬼がいく。  作者: あれです。
2章 異世界。
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8 零之型。

時間は少し遡る。



飯を食った後、買い物をし準備を済ませる。

次の日に街を出ようとすると、ギルドからダグとアゼに指名依頼が入ってると言われ2人は行く事にした。

俺は街中をブラブラして観光を楽しんだ。

その日はそれで終わったが……。


翌日、日が暮れ夜になっても2人は帰って来ないのでギルドへ行き、何処まで行ったのか聞くと近くの森だと言う……これはおかしい。

王都に来たばかりの2人に森への指名依頼……確実に罠だろ。

そう思って森へと向かった。



暫く進んでいると広場に出る。

数人の男達と対峙してるアゼの横に倒れているダグ。

アゼの後ろへ瞬時に姿を現し声を掛ける。

「アゼ、大丈夫か?」

「っ!? ミクトか……ダグを頼む、私を庇って……」

苦虫を噛み潰したような表情をするアゼ。

「任せろ……大丈夫か?」

屈んで様子を見ると右腕が切断されている他に、大きな傷は無さそうだ。

「とりあえず止血する」

そう言って回復魔法を掛ける。


軽い回復魔法で血は止まったようだ。

「腕は後でな」

そう声を掛けるとダグが目を開けた。

「……ミクト、俺は……クソッ!」

自分の腕を見て悪態をつく。

「まあまあ、後で見てやるから待ってろ……人が集まって来たな」

そう言うとアゼとダグは周りに視線を巡らせる。

「なんだこいつら……」

「盗賊か?」

俺は立ち上がり口を開く。

「違う違う、殺し屋集団だろ」

2人は目を見開き固まる。



「どう、して……?」

アゼが訳が分からない感じで言う。

「俺が標的だろうな」

「何かしたのか!?」

言いにくい事を聞いて来る。


「えーっと、まあ……何度か殺したかな?」

アゼがジト目を向けて来る。

「私達は巻き込まれたのか」

俺は苦笑いを浮かべながら頷く。

「だが付いて来たのはお前達だろ、これも訓練だと思え」

「そんな無茶な……」

「まあ、今回はお前達は見てるだけで良いぞ」

「どうする気だ? この数……ざっと見て1000は居るぞ」

俺はニヤっと笑いダグに視線を向ける。


「ダグ、お前のバトルアックスを貸せ……バトルアックスの使い方を見せてやる」

「……このマジックバッグに入ってる」

バッグからアックスを取り出す。

「ふむ……中々いい物だ」

「師匠から貰った武器だ」

「ほう……お前の師匠に会ってみたくなった」

「怖いぞ」

「楽しそうだ」

俺はそう言いながらバトルアックスを片手で素振りする。



「その細い腕でおかしいだろ」

「やはり伝説級は規格外だな」

そんな話をしてると男が話しかけて来た。


「死神!!」

そちらに視線を持って行くと見た事がある奴だった。

「今日こそは死んで貰うぞ!!」

「よう、殺し屋ギルドのギルドマスター、久しぶりだなぁ」

「その余裕が何時まで持つかな? この人数を相手に勝てる訳がない!」

そう言って腕を広げる。

いつも芝居がかった奴だ。

すると続々と口を開く者達が現れる。



「よう殺し屋、こいつを殺せば本当に100万G払うんだろうな?」

「俺達の他にも依頼してたとはな……こんなガキを殺すのに集めすぎだろ」

「うちのボスから必ず標的を殺してこいって言われてるんだよねぇ、俺達が貰うからさぁ、他は帰りなよー」

「何言ってんだ、100万は俺達の物だ!」

「裏の組織がこんなに集まるなんて、今まであったかい?」

面白そうな奴らが沢山居るな。

本来ならじっくり相手をしたいが……今回はさっさと終わらせよう。

「先にあいつを殺した者に100万G払う! さあ、始めようか!!」

『うぉおおおおおおお!!!!』

全員が動き出す。



俺はダグとアゼから少し離れ、バトルアックスを回してから刃を地面に付ける。

零之型ぜろのかた大花爆葬たいかばくそう風祭かぜまつり


その瞬間、俺を中心に魔力のドームが広がって行き全員を包むと、バトルアックスを持ってその場で一回転して振り回す。

「その場で回って届く訳なぎゃあ!」

「ぐへっ」

「ギャッ!」

と、あっちこっちで悲鳴が聞こえてくる。

ズバズバとドームの中に居る奴らが細切れにされていく。



零之型・大花爆葬-風祭、零之型は魔力型で属性を付けるとそれに沿った効果が得られる。 風祭は風属性の魔力に変換され斬った後、無数の風の刃がドーム内に居る者を襲う。

勿論味方は標的から外してある。

これは魔力制御がちゃんとできないと難しい。



「やっぱバトルアックスとか大物でやると威力が違うな」

これはバトルアックスの重さが発動に重なり、風の刃に更に威力を載せている。


数十秒経ち技が止まると、無数の死体が転がっていた。

「久しぶりに使ったが、やっぱ気持ちがいい」

元々この技を作ったのは、ボス戦で周りの雑魚も一緒に殺す為に作ったのだ。

そんな事を思っていると死体に隠れていた殺し屋がナイフを投げて来た。

アックスの刃で防ぎ投げた奴の方へと歩いて行く。



「生きてたのか、ギルドマスター」

死体に埋もれながら俺を睨む。

「前回は確か100人だったか……あの時は1人1人相手にしてたから疲れたのを覚えてる」

「くっ…………もの」

「ん? 何て?」

「……この化け物!! この世界に来たばかりのお前が、どうしてそんなに強いんだよ!!」

「んー……いつも鍛錬してるから?」

「俺の仲間を殺しやがって! …………さっさと殺せ」

その言葉に俺は怒りが沸いて来た。



髪を掴み顔を上げ、顔を近づけて言葉を放つ。

「お前も散々殺して来ただろうが、仲間を殺しやがってと言うなら、大人しく暮らしていればいいだけだ……甘ったれた事を抜かすな」

そう言って頭を地面に叩きつける。

立ち上がり言葉を続ける。

「この弱肉強食の世界、命が軽い世界において覚悟が無い者は死ぬだけだぞ」

そう吐き捨てダグ達の所へと戻る。

「っ!? おい! 俺を殺せ!!」

その言葉に振り返り告げる。

「お前がして欲しい事を何故俺がしないといけないんだ? 死にたいなら自分で死ね!!」

仲間が居なくなったこいつがどうするかは自分次第。

苦しんだ末自害すればそれはそれでいい……が、また襲って来ればその時は容赦なく殺してやるよ。



「さて、宿に戻ってダグの腕を治してやるか」

「治るのか!?」

「斬られた腕は何処に落ちてる? 拾った?」

「確かあの辺りに…………あったぞ!」

「それ持って帰るぞ」

帰るまで、ダグとアゼがあの技についていろいろ聞いて来たのが1番疲れた。

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