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吸血鬼がいく。  作者: あれです。
2章 異世界。
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6 殺し屋ギルド。

Side:殺し屋ギルドマスター



とある薄暗い部屋の中、円卓に5人の男達が座っている。


「リドウ王からの依頼はカーラン王国の兵と隊長クラスを殺して欲しいって事だが、今の所どうなってる?」

「国境付近で順調良く始末して行ってる所だな」

「カーラン王国にも数人入ってやらせてる」

「そうか……もうすぐこの世界に来て『3年』か」

「……だな」

「やっぱり死んだ奴らはリスポーンしてないのか」

俺の言葉に他の者達が首を振る。

そうだよな……ここは現実。

死んだら終わり。

ゲームの世界じゃない。



……それでも、殺しは止められないよなぁ。

日本と違って殺し屋は儲かるし捕まりにくい。

法律も穴だらけ、抜け道が多いから俺達みたいな奴らには最高の世界だ。

しかし、この世界に来て抜けた奴も多い。

ゲームではストレス発散でやってた奴も、現実で人を殺す事には抵抗があるようだ。


会議をしていると1人の部下が入って来た。

「どうした?」

「い、いま……カーラン王国の王都に居るタケルから念話が入った」

俺と皆がそいつに視線を送る。

深呼吸して落ち着いてから口を開いた。

「死神を発見……住人の男女と一緒に居るとの事」

俺達は固まった。



ここに来て死神が出て来るか……。

死神……死神……。

やっぱ狩られるかなぁ……。

他の奴らも身体が震えてる奴、頭を抱えてブツブツ言い出す奴、項垂れてる奴等が居る中、部屋の隅に座っていた奴が口を開いた。

「みなさん、何をそんなに怯えてるんです? その死神ってどんな奴ですか?」

フードを被った怪しい奴。

こいつはこの世界で仲間にした現地の殺し屋だ。

当然ゲーム時代の死神の事なんて知る訳が無い。


「死神は俺達の天敵なんだよ……いつも狩られてた」

男は口角を上げ笑いながら答える。

「それは……面白そうですね」

すると仲間の1人が怒鳴る。

「何が面白い! お前は死神の事を知らないからそう言えるんだよ!!」

「はて? そんなに凄い人がどうして今まで名前すら出て来てないのでしょう?」

男の言葉に全員ハッとする。


そうだ、あの死神だぞ。

何故今まで話題になっていなかった?

当然決まってる。

最近この世界に来たんだ!

俺は全員に視線を送ると、皆も気づいたようだ。

頷く。

「これは最大のチャンスかもしれないぞ」

「こっちに来て日が浅いなら、此処に慣れていない内にやらないと時間が経てば経つほど、勝てる可能性は無くなる」

「直ぐに人を集めるか」

「一緒に居る住人を離れさせて、死神が1人になった所を全員で叩けば……」

皆が話している中、俺の中には段々と不安が大きくなっていく。



あの100人のPKで挑んでも勝てなかった死神。

闘技場で100人抜きを達成し闘技場の王者となった死神。

そんな不安はあるが、俺も伝説級の暗殺者だ。

このギルドの幹部は殆どが伝説級の職業になった。

勝てる。

俺達もこの世界でいくつもの修羅場を潜って来たんだ。

何度も殺されたあの死神を今回は俺達が殺す!!


「全員集めろ! 死神を抹殺する!!」

『おお!!』

動きだす幹部たちとは裏腹に、住人の仲間が近づいてきて声を掛ける。

「その死神と呼ばれる人と俺もやってみたいねぇ」

「勿論お前も来てもらうさ……全員でやらなきゃ勝てない」

「たった一人の人間に全員ですか……楽しみですね」

「確実にやるためだ」

その日から死神を殺す為の準備を始め3日後、作戦を開始する事にした。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

Side:タケル



どうしよう……。

上の奴らはあの死神を殺すつもりで動くらしい。


…………馬鹿だ。

あの死神だぞ?

100人のPKを倒した時その中に俺も居たが、あれは正真正銘の化け物だった。


まさか、あの時PKした男が死神になるなんて誰も思わないだろ。

たぶんやり始めだった頃の死神を仲間と騙してエリアに誘い込みキルした。

それだけだ、いつものようにやっただけで、大体の奴は避けるか仲間を集めて仕返しに来る奴らばかりだった。


だけど……だけど死神はたった1人で俺達の前に姿を現したんだ。

何度も何度も、俺達が殺されるまで。


あの時のあいつの顔は忘れられないよ。

相手を心底憎んでるって目をしてた。

心の中で俺は思ってたよ『たかがゲームだろ』って『何をそんなに熱くなってんだ?』なんて思いながら戦ってたら、遂に俺達は負けた。

その後、あいつが死神と呼ばれてる事に気が付いたのは、100人のPKで狙う事に参加した時だ。


色んな噂を聞いて最初に思ったのは『俺達がPKしたから死神が生まれたのか?』って事だ。

あの死神を狙う……。

俺には無理だ。



今日まで俺は、この世界がまだゲームの世界っていう感覚が抜けて無かった。

でも、あの死神を見た時理解した、いや、理解させられた。

ゲームでは無く嫌になるほどの現実なんだって……。

そう理解した俺には、死神を狙うなんて馬鹿な事は出来ない。

確実に殺される。

上の奴らはあの目を見てないから分からないんだ。

仲間を集め、指定の場所におびき寄せ、その場で初めてあの目を見て気が付くはずだ。

『手を出してはいけなかった』と……。



俺は仲間に言って組織を抜ける事にした。

レイラと一緒に、死神から離れる事を選んだのだ。

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