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吸血鬼がいく。  作者: あれです。
2章 異世界。
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4 新しいランク。

ギルドマスターとの話を終えて俺は受付まで行き魔道具を見せて貰う。

職員がギルドマスターに確認を取り許可が出たので見せて貰った。



カードを作る時、機械に金貨を入れると未記入のカードが出て来ると……これは物質と魔力を混ぜて特殊金属にし、カードを作ってるようだ。

そしてこのカードを作る時に記入される項目が決まってるのか。

おそらく昔はただの身分証として使ってたのだろう。


俺は機械を開けて中の魔法陣を見て理解した。

「雑な造り方だ」

俺の呟きに職員がギョッとしてる。

ここにランク用の数字を足して、こっちを消せば大丈夫なはず。





…………いかん、黙々と作業してたら周りの職員達が皆見てる。

「お前ら、仕事しろよ」

そう言うと視線を戻し仕事に戻った。

魔力で魔法陣を描くのはやっぱ楽しいな。

「これで行けるはずだが……」

自分のカードを出して入れてみる。


出て来たカードを見てみると、10の数字が書き込まれていた。

その後、調整をしてギルドマスターに報告。




また戻って来た執務室。

「もうできたのか?」

俺は改造した機械をテーブルに出し、自分のカードも一緒に置いた。

ギルマスはカードを手に取り確認する。

「この数字がランクって事か?」

俺はランクの説明をした。



分かりやすくするために10~1へと数字が少なくなって行く事。

10から5まではポイントを溜めると上がる事になっている。

5より上はポイントを溜めて、試験をして合格すれば上げられるようにしてある。



このカードの凄い所は、カードが行動を認識する事だ。

なのでその機能を使って、試験をしていないと上がらないようにした。

「ポイントの詳細はまた紙に纏めて渡すよ」

説明を聞いて暫く考え込んでいたギルマスが口を開いた。

「これはマジで凄いな、研究者がいくら調べても出来なかった事を、こんな簡単にするとは……恐ろしい」

「なんでだよ……それでいいなら、複製を作るが?」

「ちょっと待ってくれ、これを本部に送って許可が下りれば、全てのギルドでこれを使う事になるしランクが新しくなるからいろいろ調整が必要だ、直ぐには無理かもしれんが……」

「分かった分かった連絡が来たら教えてくれ、どれくらいで返事がくる?」

「往復で1月は掛かる」

通信手段は無いのか。


「じゃあ返事があるまではこの街に居るから」

「どっか行くのか?」

「知り合いを探しに行こうかと思ってな」

あいつら何処に居るのやら。

「そうか……また戻って来るんだろ?」

「先の事は分からんよ」

どっかに居住するかもしれないしな。



執務室を出てホールへ行くと昼間は居なかった冒険者が、依頼から帰って来て混雑していた。

俺はギルドを出る前に、魔物を買い取って貰おうと買い取りカウンターに並ぶ。


直ぐに俺の番が来たので買い取りをお願いする。

「狼男の買い取りはしてるか?」

受付のおっちゃんがキョトンとしてる。

「狼男ってどんな化け物だ?」

カウンターの横に狼男を出す。


その瞬間……。


「ヒェッ!!」

「キャアッ!!」

「うわぁ!!!」

「ギャアア!!!!」


と、ホールにいくつもの悲鳴が響いた。

騒ぎを聞きつけギルマスが顔を出す。

「なんの騒ぎだ!? ミクト? 何があった……マジかよ」

ギルマスが近づいてくると狼男を見て固まった。


「みんな何をそんなに怯えてるんだ? こいつは死んでるぞ?」

ギルマスが疲れた顔で何か言おうとしたら、他の冒険者が口を開いた。

「ギルマス! そいつは俺達の獲物を横取りしたんだ!」

そう言って5人の男達が近づいてくると、その中の1人が俺の耳元で他に聞こえないように言う。

「何処でその獲物を拾ったのか知らねぇが、黙ってここは俺達に譲った方が身の為だぞ?」

ほう……。


「ミクトが横取りしただと? ……本当か?」

ギルマスは怪訝な表情をして俺に聞いて来る。

俺は久しぶりの絡みにテンションが上がって自然と笑顔になる。

「お前、何が可笑しい……」

俺に近づき文句を言おうとした男を寸勁で心臓を潰す。

何も言わず男はそのまま倒れる。



ホールはシーンとして、俺がギルマスに告げる。

「ギルマス、このギルドには盗賊が居るみたいだぞ?」

「はっ? 盗賊? ……そう言う事か」

「盗賊は警告無で処分しても良いんだろ?」

中立都市の辺りではそうだったが、この辺りは違うのか?

「俺の獲物にいちゃもん付けて、横取りしようとするとはなぁ……お願いすればこれくらいあげても良いが、盗賊行為をする奴に遠慮はいらんよな」

そう言って残りの4人の首をインベントリから出した木刀で斬り落とす。


誰も一言も発さない静かな状況で俺は不思議に思っていた。



死体が消えない。

アライブワールドでは住人も死ねば消えたはずだが……。

そこで俺は1つ思い至った。


ここはゲームの中じゃない……現実だと。

しかしこいつらを殺した事に特に罪悪感は沸かないし何とも思わない。

これはおそらく現実で吸血鬼になった影響も多少はあるのだろう。


ここが現実だと理解した瞬間、テンションが爆発しそうになるのを必死に抑えていた。

俺は実際にミクトに成れたんだ。

あっ、だから森で目が覚めた時、感覚がいつもより鋭くなっていたのか。

今までの行動で感じた違和感を現実だと納得できると確認していた。

そんな中、ギルマスが口を開いた。



「ミクト……態々殺さなくてもよかっただろ」

「こういう奴は何回もやってる常習犯だろ」

「被害の報告は上がってたが、証拠が無かったからな……おい、これ片付けておけ」

ギルマスは職員に言って死体を片付けさせる。

「俺に絡んで来た時点で殺されても文句は言えんだろ」

「それにしても、ブラッドウォーカーを倒す奴が居るとはな」

「ブラッドウォーカー? ってこの狼男の事か」

「鮮血の森に行ってたのかおめぇ、よく無事に出られたもんだな、流石伝説級だ」

ギルマスの伝説級の言葉に、ギルド内に居る全員がギョッとして固まっていた。


「その鮮血の森ってなんだ?」

「ここから南東にある大きな森だが、入ると知らぬ間に血まみれにされてこの世とおさらばって感じだな」

ほほう……この魔物のスピードは人間の域を超えていたな。

気付く前に爪で切り刻まれるって事か。


「そう言えば、こいつを殺した後は魔物と会わなかったな」

「それはこいつの血の匂いで、大抵の魔物は離れていくからだろ」

なるほどね。

その後、盗賊冒険者の件はギルマスのおかげで直ぐに片付き。

ブラッドウォーカーの買い取りをしてもらった。

なんと、金貨10枚にもなったぞ。

ギルマスに聞いたらこの街なら1月、金貨2枚あれば余裕で過ごせるらしい。

アライブワールドの金貨を両替したら金には困らないな。

まあ使わずに置いておくが。

アライブワールドに戻った時に必要だしな。



そうだ、俺はこの世界で生きて行くつもりだが他のプレイヤー、弟子達も来ていたら元の世界に戻りたい者も居るはず……だから元に戻る為の方法も一応探しておく事にした。






その日から、ギルド本部の返事が来るまでいつも通り鍛錬をしたり狩りをしたりしながら過ごし、1月後にギルド本部から返事が来た。


内容はシンプルに即採用となっていたので俺は素材を集め、錬金術で複製を作ってギルドへ納品した。

この時期から、冒険者のランクが徐々に変わっていく事になる。


俺は言っていた通り、弟子達を探す為に街を出て次の街へと向かう。

この国の王都へと……。

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