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吸血鬼がいく。  作者: あれです。
2章 異世界。
55/109

1 駆け出しオールラウンダー。

どうも、年内に寝ている間に自然死を目標にしているあれです。

と言う訳で、2章始まりま~す。

方角は覚えていたので歩いて行くが全然森を出る事ができない。

「迷いの森にでもなったか?」

ファンタジー定番の迷いの森。

そんなフィールドがアライブワールドにあったのか知らんが。

メニューが開けないので弟子達にも連絡ができないし、マップも見れない。



「はっ?」

空を見てそんな言葉が自然と出てしまった。

「何で月が2個もあるんだ?」

アライブワールドは1個のはず。

別のフィールドって言うか別の世界?

イベント用のフィールドか?

………………。

まあ、今考えても分からんしとりあえず歩いてたら森もその内出られるだろう。



そして日が昇り始めた頃。

「やっと森を出られた……マジか」

眼前には広大な海が広がっていた。

「この先に陸があるのか分からんから泳いで行くのもなぁ」

陸があると分かっていれば泳ぐのだが。

「あっ、空飛んで周りを見れば良かったんだ」

そうだよ、俺吸血鬼じゃん。

魔法でも空は飛べるがコウモリになって飛ぶ方が楽なんだよな。

「久しぶりだがコウモリになるか」

ネオワールドではよくなってたが、アライブワールドでは1度もなっていない。



ネオワールドでやっていたように意識すれば簡単にコウモリになれたので良かった。

上空へ飛んで行き当たりを見回すと俺は長方形の長い方を進んでいたようだ。

右か左に行けば森はすぐ抜けられたんだな。


あれは町かな?

かなり遠くの方に建物がいくつか見える。

この方角に行けば大丈夫だな。

森を出るまで飛んで行こう。



飛びながら下の森を見るが結構魔物は居るみたいだ。

一晩中歩いていたが狼男以来、魔物と遭遇はしなかったぞ。


その後、結構離れているのか太陽が真上に来る頃にやっと町に到着した。

結構大きな街のようだ。

門の列に並ぶ為に手前で陸に降り最後尾に並ぶ。


並んでいる人達を見て何か違和感を覚える。


何だろうか?

考えていると一瞬鼻を突く匂いがした。

これか!!

ここに居る人達は昨日までの住人と違って小汚いんだ。

何で急にこんな仕様にしたんだ?

そういう地域なのか?


考えるのは止めて、魔法で気流の流れを変えて匂いが来ない様にした。

なるほど、街中でも魔法の訓練ができるようにしたのか。

(そんな事はない)



「次の人ー」

俺の番が来た。

身分証を見せると怪訝な表情をされる。

何だ?

「これは何だ?」

「身分証だけど?」

「外国の身分証はここでは使えないぞ、何て書いてあるのか読めたら使えたが、文字が全く読めん、この辺りの共通言語で書いてないって事は、結構遠くから来たのか……通行料に銀貨1枚必要だが払えるか?」

…………どうなってんだ?



身分証は日本語で書かれているが、昨日まで使えたぞ?

この辺りは別の言語になってるのか。

そこまでリアルにせんでもいいだろ。


俺はインベントリから銀貨1枚を出して渡す。

「……これは何処の銀貨だ? ちょっと待ってろ」

そう言って門の横にある詰所へ入って行った。


少しして直ぐに出て来た。

「あぁ、この銀貨だとちょっと多いな」

「多い?」

「計りで見たが、この銀貨1枚でこの辺りで使われてる銀貨2枚分になる」

銀の含有量が多いって事か。

面倒くさいな。


「いいよ、その銀貨で町に入れるならおつりは取っといてくれ」

「良いのか?」

並んでる間に俺の後ろにも数名待ってる人達が居るんだよ。

ここで時間掛けると迷惑になるだろ。

「その変わり教えてくれ、外国の金を両替する施設とかあるか? 後身分証を発行してくれる所も」

「金の事なら商業ギルドに行けば大丈夫だろう、身分証は冒険者ギルドでギルドカードを発行して貰えば、それが身分証になる」

冒険者ギルド?

中立都市には無かったギルドだな。

まあ行って見るか。

それぞれのギルドの場所を聞き、お礼を言って街に入る。



この辺りは文明がそんなに進んでないのか。

街の中を見てそう感じた。

鉱山都市のスチームパンク風とは大違いだな。


ここの住人は色んな種族が多いなぁ。

門から入った大通りを進んで、聞いた場所へ向かい商業ギルドに到着した。

先ずは金を両替しないと何もできない。

木造の大きな建物に入るとロビーは広めになっていてカウンターが並んでいる。

右側には商談スペースなのか、椅子とテーブルが置かれている。


受付へ行きお金の両替をやってるのか聞くとやってくれるらしいので金貨を5枚程出すと、計りに乗せて重さを見てくれた。

「こちらの金貨1枚で、ガルダイ金貨2枚と大銀貨1枚になりますがどうしますか?」

「じゃあそれでお願いします」

ガルダイ金貨ってなんだ?

しかも大銀貨なんて通貨は無かったはずだが。

合計ガルダイ金貨10枚、大銀貨5枚になった。


見た事ない鳥が彫られている、

全く別の大陸って感じか?

まあブラブラしてたら、その内誰かと会えるだろう。

両替を終えた俺は商業ギルドを後にし、冒険者ギルドへと向かった。



商業ギルドの前の道沿いにあるので直ぐ着いた。

中に入るとちょっと薄暗い感じがする。

併設させれてる酒場で飲んでる者達が一斉に俺を見て、直ぐに視線を外した。


この感じ懐かしいな、ネオワールドの初期でよくあった。

それにしてもここに居る奴らの装備や服、何もかもが小汚いな。

受付カウンターが3つある左の受付嬢へと声を掛ける。

「すみません、身分証を発行してくれないか?」

俺の言葉に受付嬢はキョトンとした後、慌てて返事をする。

「あっ、すみません、身分証の発行とは、ギルド登録すると言う事で間違いないですか?」

ん?

「あぁそう言う事ね、それでいいよ、持ってた身分証が使えないから、新しいのが欲しいんだ」

「既に登録していましたら、再発行しますが?」

「あっ、違う違う、そのまま新しく登録してくれ」

「畏まりました、ではこちらに一滴血を垂らして下さい」

銀色のカードに血を垂らす。


「少々お待ち下さいね……はい、これで大丈夫です」

カードをカードリーダーのような装置に入れると完了した。

「冒険者ギルドの説明は必要ですか?」

無かったギルドだから一応聞いとくか。

「お願いします」

説明を要約するとこんな感じだった。


・犯罪を犯したら資格剥奪。

・ランクはそれぞれ職業が、駆け出し、見習い、一般、中位、上位、特級、伝説級、神話級と上がって行く

・再発行には金貨3枚必要。



なるほど、冒険者ギルドに登録することで職業システムが解放できるのか。

それより俺は気になった事を質問した。

「ランクがよく分からんのだが、職業は自分で決める感じか?」

「いえ、既にミクトさんの職業は決まってますよ? カードに載ってます」

自分で選べないって……カードを見てみる。



名前:ミクト

種族:吸血鬼

職業:駆け出しオールラウンダー



「これは、勝手に決まるのか?」

「はい、血を垂らしてもらいましたよね? 血からの情報で職業は決まると言われています」

何じゃそりゃ。

「ミクトさんは珍しい職業ですね、頑張って下さい!」

物凄く良い笑顔で言われた。

まあいいか。

職業が何だろうがやる事は変わらんしな。

ちなみに文字は日本語じゃ無いが読める、おそらく翻訳機能だろう。



「何か依頼を受けて行きますか?」

「あぁ~、そうだな……」

受けようと言いかけた時後ろから低い声で喋り掛けられる。

「お前、登録したのか」

振り返ると鉄鎧を着た髭モジャで西洋風の大男が立っていた。

「ああ、今しがた登録した所だが?」

「なら駆け出しのお前に良い仕事があるぞ」

「ほう、どんな仕事だ?」

「先輩冒険者の訓練相手だ、駆け出しのお前も訓練になるだろ」

「なるほど、それは面白そうだな、あんたの訓練相手をすれば良いのか? それともここに居る全員の相手をすれば良いのか?」

俺がそう聞くと酒場で飲んでいた者達が大笑いした。


「ギャハハハハハ!! 若いってのは良いねぇ!」

「あぁ、俺達もあんな時があったなぁ」

「お前はまだ若いだろうが」

「俺はもう3年経つぞ?」

「先輩としてお前が生き残れるのか見てやらないとなぁ、ついでに俺達の訓練にも付き合ってもらうか!」


「私は遠慮するわ、あんな可愛い坊やに怪我させるのはもったいないし」

「あっしも辞めときます」

「怪我したら私が癒してあげますよ」

なんとも賑やかな奴らだ。

入って来た時は辛気臭かったが、様子を見てたのか。

全員を見てみたが、この中に他のプレイヤーは居ないみたいだ。



やらない奴も観戦するみたいで、全員で裏の訓練場へと向かった。

今回も、章が終わるまでは毎日投稿します。

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