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吸血鬼がいく。  作者: あれです。
1章 VRMMO
52/109

45 人質?

コラボ動画の撮影も終わり俺達は普段通りに鍛錬をしたりと日々を過ごしていた。

そんなある日、突然帝国に居るダルから連絡が来た。



ビデオチャットを繋ぐと安定の土下座からの謝罪だった。

『すみません師匠!』

俺は半ば呆れながら答える。

「何だ? 何か悪い事でもした?」

ダルは顔を上げて説明を始める。

『戦争に参加して下さいって脅迫されまして、プレイヤーとして参加するのは全然良いんですが、ちょっとやり方が気に食わないと言いますか……』



ダルの話によると帝国で世話をしていた女が、伯爵の家に呼ばれほぼ人質のように屋敷で監禁状態と言う。

特に部屋に閉じ込めてる訳じゃ無いが、外に出して貰えないなら一緒だな。

そんな折、騎士団から戦争に参加してくれないかと打診があり、最初は断ったが騎士団長に言われたらしい『伯爵家に居る女性がどうなるか分からんぞ』と、こっそり教えてくれた。

そこでダルは初めて「あっ、これは脅迫されてるのか」と分かり、俺に連絡してきたと言う事だ。



この話を聞いて俺は眉間に皺を寄せながら答える。

「そんなの無視して女を連れてさっさと帰って来れば?」

『そうしたいんですが、伯爵の屋敷には護衛も居て、殺さずに連れ出すのはちょっと難しいかなぁ~と……どうすればいいですか? 戦争に参加した方がいいですかね?』

こいつは本当に馬鹿だな。



「俺が話をつけてやるから待ってろ」

『えっ!? いや、師匠? それは……』

話の途中で通話を切って俺は帝国に行く準備を始めた。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

Side:達磨




ヤバい……ヤバいヤバいヤバい……マジでヤバい!!

師匠が来たら今回の事に関わってる奴全員殺される……特にオレ!!

とりあえず騎士団長に話すか!



城へ行き騎士団長を見つけて経緯を話す。

「ふむ……其方の師匠が来るので早く彼女を解放して欲しいと?」

「そうだよ! さっさとリリー、リーリアを伯爵の家から出さないと、全員殺されるぞ!」

俺の言葉に団長は眉をピクっとさせ鋭い視線を俺に向ける。

「それは脅しかね?」

「イヤイヤ違う、違うから! 今脅してどうするよ!? 俺の師匠は人質を取った者は必ず殺す人だ……いいか? 相手が誰であろうと必ず殺す人なんだよ!」

すると団長はキョトンとした顔をしてから爆笑し出した。

「ぐぅわっハッハッハッハッハ!!! 相手が皇帝でも殺すと申すか……ガッハッハッハッハッハ!!!!」

「笑ってる場合じゃねぇから! マジでヤバいんだって!」



笑っていた団長は急に真剣な顔をして鋭い視線を向けて来た。

「其方の師匠とやらは馬鹿か? たった1人で帝国と戦争でもするつもりか? こちらとしても伯爵を殺されれば皇城の全騎士団が其方の師匠とやらを捕らえて処刑することになる、伯爵の私兵も動くだろう、そうなれば逃げられんぞ?」

このおっさんは馬鹿すぎるだろ!

「師匠は俺と同じ異界者だぞ? 処刑してもまた復活するし、ログアウトも出来る、そもそも殺せねぇよ!」

「ふむ、異界者か……しかし異界者でも死ねばそれなりの痛手を負う事になるだろう?」

まあ、罪を犯して騎士団に殺されればデスペナは大きいと思うが。


「そんな事したら騎士団の死者が増えるだけだって……それよりリーリアを屋敷から解放すれば事は収まるんだから、伯爵に言ってリーリアを解放してくれ」

団長は腕を組み唸ってる。

「ワシも人質をとるような事は止めた方が良いと皇帝に進言したんだがな……宰相のアホが押し通したんだ、伯爵は宰相からの指示でやっとるからワシが言っても聞く耳持たぬだろうな」

「今日で帝国は滅びるかも……」

俺の呟きに団長はキョトンとした。

「とりあえず伯爵の屋敷に行こう、話して無駄ならそん時は俺が素早く連れ出すから、そうすれば師匠は伯爵の屋敷に行く事は無いから、殺す事もないだろう」

そう言って団長と一緒に皇城を出た、しかし……。





手遅れだった…………。


どういう事かって? 俺は現在瓦礫に埋まってる最中だよ!

城を出た所で師匠が前に現れたと思った時には俺はブッ飛ばされてたんだよね。

流石師匠、着くのが早い!

師匠はかなり怒ってるようだ。


「達磨殿!? 大丈夫か!」

団長が走って来て声を掛けてくれる。

瓦礫をどかし外に出ると師匠はこっちにゆっくり歩きながら近づいて来てる。

「大丈夫だ……師匠! 今から伯爵の屋敷に行って彼女を返してもらう所なんだ、だから今回は師匠は出なくていいから!」


3メートル程の位置で師匠は止まって口を開いた。

目がいつもより赤くなってる……マジ切れかよ。

「出なくていい? お前は俺に何時から指図できるようになったんだ? さっさと伯爵の屋敷の場所を言え、すぐ終わらせる」

「達磨殿、こやつが其方の師匠とやらか?」

「団長悪いが今は口を挟まないでくれ……じゃないとあんたも殺されるぞ」

「団長? 騎士団長か、伯爵の家を教えてくれるか?」

「教えたらどうするつもりだ?」

「決まってるだろ? ふざけた事が2度とできないように始末するだけだが?」

「伯爵を殺すと言われて教える事はできぬ」

「そうか……」と言って師匠は黒い木刀をインベントリから出した。



俺は瓦礫がある場所から出て師匠に近づき小声で喋る。

「師匠、伯さく……伯爵は宰相からの指示で彼女を屋敷に置いてるだけだから、伯爵は従うしかないんだ、それを今から行って俺が無理やり攫う形にすればまだ、伯爵のお咎めは軽くて済むはずなんだ、だから……」

手を合わせてお願いする。


「……分かった、お前達は伯爵の家に行け、俺は城にちょっと用事ができたから」

「イヤイヤイヤイヤ師匠、城に行って何するつもりですか?」

「宰相を殺すか、2度とこんな事をしないように注意するだけだ」

「達磨殿の師匠とやら、勝手に城には入れんぞ?」

「ならお前が案内しろ、中立都市国家道場都市の一応トップをやってる者だ、何か問題があるか?」

「道場都市? 聞いた事が無いのぅ……しかしトップと言うなら皇帝に謁見を申し込めば、会えるだろうな」

「皇帝なんぞどうでもいい、宰相に会わせろ」

そんな話をしてると騒ぎを聞き駆け付けた数名の騎士団。



「団長! 大丈夫ですか!?」

「ん? あぁ、ワシは大丈夫だそれよりお主、宰相殿に伝言を頼みたい」

「えっ、あっ、はい」

「団長、師匠を宰相に会わせるつもりか?」

「あぁ、国のトップが来たなら会わずにはおられまい」

このおっさん何を企んでやがる?

宰相の言葉一つで全員殺されるぞ。


……もう考えるのは止めた。

後はなる様になれだ!

俺はさっさとリリーを迎えに行こうっと。

「師匠、俺は伯爵の所に彼女を迎えに行って来ます!」

「ああ、先に道場都市に帰っていいからな」

「了解です!」

後は師匠に任せてリリーを連れてなるべく早く帝国を出よう。




帝国と戦争しないよな?

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