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吸血鬼がいく。  作者: あれです。
1章 VRMMO
5/109

5 都市国家?

俺とエルはあれからリーダーと話し合い、今は洞窟が見える場所に居た。


「あれがアジトか?」

「は、はい」

リーダーの男に案内させて野盗のアジトまで来ていた。

お話は直ぐに終わって答えてくれたよ。

エルの殺気に当てられていたな。



「じゃあお前はそこで待ってろ」

リーダーは今首から下が地面に埋まっている。

ロープが無いので仕方なくだ。

見張りが2人か……。

「中に最低5」

俺の言葉にエルは頷き答えた。



俺は刀を抜き投擲し、エルは槍を投げ見張りを始末する。

入り口に立ち中を探ると気配があった。

「奥に5、手前に3」

俺とエルはお互いに見て頷き中へ入って行く。



少し進むと直進と右に行く通路が現れた。

気配があるので角に立ち様子を伺うと牢屋のような場所があり、中に3人居た。

見張りは居ない。

近づいて見ると中年男1人、大人の女性1人、女の子1人だった。

「お、お願いだ! 妻と娘だけは助けてくれ!」

男が俺を視界に入れると叫ぶようにお願いをしてきた。



「待て、異界者のミクトだ助けに来た、奥に野盗がまだ居るから始末したら戻って来る」

「異界者の方ですか……どうか、お願いします」

地面に頭を着けてそう言った。

「安心して下さい、この方は強いですから」

エルが女性と女の子に向かって優しい声で言う。



来た道を戻りまっすぐ行く道を進むと、広場が見えて来た。

どうやら中で酒を飲んでるようだ。

「お頭、あの子供で楽しんでいいっすか?」

「馬鹿か、商品にならんだろ、女なら大人の方にしとけガキの処女は高く売れる、見た目も良いしな、母親とセットで売ればさらに良い金になる」

あちゃ~……やっぱり。

エルの方を見ると鬼になっていた。



「頭以外の奴は殺していいぞ」

「……はい」

はぁ~、まあいいか。

そして広場へと突入した。



突入すると俺達に気が付き、入り口に1番近い下っ端が切り込んで来たのを受け流し首を斬り落とすと、そのまま先に立って居た下っ端を袈裟切りにする。

エルは槍で肩を刺し、その先の下っ端の足を槍を振るって切り飛ばした。

その後エルはそいつらの股間を何度も刺していると光になって消えていく。



頭の男が俺に向けて大剣を振り下ろして来たのを左手の裏拳で弾いて逸らした。

ガッと地面に当たり止まると頭が驚いている。

「か、片手で俺の剣を……」

俺はその隙に頭の両腕を斬り飛ばした。

「へっ? ……お、俺の腕が……ぐぁあああああ!!!!」

「煩い」

「ぐふぅっ!」

そう言って拳を打ち込んだ。

倒れた頭の両腕に初級回復ポーションをかけ傷口を塞ぐ。

「さて、此処にある物は全部インベントリに仕舞うか」

奥に木箱や壺等、略奪した物が溢れていた。



中身を見てからインベントリに入れていくと、野菜や果物の入った木箱を発見。

更に近くの箱を開けると個別に紙に包まれたパンを発見。

俺がガサゴソやっているとエルが覗いて来た。

「何してるんですか?」

「ん? 丁度腹減ってたからな」

俺はパンに野菜を挟んでサンドイッチにして食べている最中だった。

干し肉もあったが塩辛くてサンドイッチには合わない。

「あっ、私も欲しいです」

そう言ってエルもサンドイッチを作って食べ始めた。



俺達は食べながら略奪品をインベントリに入れていく。

全部入れ終わり頭を連れて捕まっていた3人も連れて外へ出た。

「本当にありがとうございます!」

「ありがとうございます」

「ありがとうござます!」

出た所で3人に改めてお礼を言われた。

「無事でよかったですね、とりあえずこのまま街まで送ります……おい、馬車は何処だ?」

頭に聞き馬車を取りに行く。

荷物を運ぶ為の馬車は絶対にあると思っていた。



少し離れた所から馬車と馬を取って来て、親子3人を乗せ野盗が持っていたロープで頭を馬車に繋ぎ歩かせる。

「さて出発するか」

「えっ、ミクトさん……」

「ん? どうした?」

はぁ~と1つ溜息を吐いてからエルが言う。

「首以外埋めた野盗は?」

「あっ、忘れてた」

エルの言葉に他の4人が固まっていた。



首から下を埋めた野盗を土から出し馬車まで連れて行く。

「お頭……すいません」

「テメェッ……」

「仲良くしろよ、じゃないとエルに刺されるぞ」

俺の言葉に2人はビクッと身体を震わせると黙った。

御者台にエルと座り馬車を走らせる。

馬車は以前のゲームでも操ってたから大丈夫だ。



「この先に街ってあるんですか?」

中の人達に聞いてみると父親が答えてくれた。

「はい、都市国家サキドがあります」

「都市国家?」

俺が疑問に思うとエルが答えてくれた。

「ミクトさんは知らなかったですよね、始まりの街も都市国家で中立国です。この辺りはファース、セカド、サキドの中立都市国家がありますが、サキドがこの先にあるのは知らなかったですね」

なるほどね~、1つの街が国って事か。

ファースト、セカンド、サードから付けた名前だろう、覚えやすくていいな。



「エルはサキドを知らないのか?」

「名前は聞いてました、場所も住人に聞いて知ってますけど、殆どのプレイヤーは北の帝国か東の王国に進んでますね」

「へ~……もしかして、この世界にも前線組とか攻略組とか居るの?」

「居ますね~……」

エルが何故か遠くを見ている……何かあったな?

「前線とか、この世界ってゴールがあるのか?」

「いえいえ、ただ他の街に進んでるってだけですよ」

だよな? また馬鹿が多そうだな~。



そんな話をしながら森の中を進んでいく。

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